資料1
重点分野推進戦略専門調査会 製造技術プロジェクト 第3回会合
議事概要
日 時: 平成13年6月11日(月)17:00-19:00
場 所: 物産ビル別館8階委員会会議室
出席者: 中島尚正、桑原 洋、大山尚武、高橋 朗、古川勇二、中尾政之、畑村洋太郎、 馬場錬成、平尾 隆、牧野正志、山田眞次郎、事務局(和田直人、鈴木信邦) (敬称略)
配布資料: 資料1 :第1回会合議事概要
資料2−1:第3回重点分野推進戦略専門調査会(5月23日)関係資料
資料2−2:第6回総合科学技術会議(5月24日)関係資料
資料3−1:製造技術プロジェクト アンケート結果
資料3−2:各検討参加者より寄せられた意見
資料4−1:製造技術分野 推進戦略(骨子案)
資料4−2:製造技術分野における政府の主な取組状況マップ
資料5 :平成14年度概算要求に向けた重点化の考え方
参考資料1:第151国会における小泉内閣総理大臣所信表明演説(5月7日)
参考資料2:第9回経済財政諮問会議関係資料
議 事:
1.開会
中島リーダーより開会の挨拶。続いて、事務局より牧野委員紹介。
[中島]
前回の会合では、製造技術分野の重点化の考え方、重点領域等について議論いただいた。最終的に私に一任いただき、5/23の重点分野推進戦略専門調査会で報告した。その概要は翌日の5/24の本会議で報告された。今後のスケジュールとして、次の重点分野推進戦略専門調査会が明日設定されている。本会合では推進戦略をさらに検討し、H14年度の概算要求に向けた重点化の考え方、優先順位について議論する。
2.第3回重点分野推進戦略専門調査会、第6回総合科学技術会議報告
資料2−1及び資料2−2に基づき、事務局より報告。
3.アンケート集計結果について
資料3−1及び3−2に基づき、前回会合において提案があり実施された重点化についてのアンケート集計結果について事務局より報告。
4.推進戦略(骨子案)について
資料4−1,2に基づき、製造技術分野の推進戦略(骨子案)について事務局より説明。
アンケートにより、金井、畑村、平尾の各委員から新領域のご提案があった。ご説明をいただきたい。(この時点で出席されていた平尾委員のみ)
[平尾]
製造技術を本気で取り組むならば知的基盤整備を新領域として提案したい。もし、製造技術分野の知的基盤整備に大学も含め陽が当たっていないのであれば、国として本腰を入れて取り組むべき。
知的基盤整備については推進戦略にも関係するため、必要であれば後の議論で検討いただきたい。金井・畑村・平尾、3委員からの新領域のご提案についてご意見をいただきたい。
(特段意見なし)
次に、推進戦略の骨子案について全体的な観点からご議論いただきたい。
[馬場]
資料4−1の現状分析は非常に簡潔に記述できている。
同資料の2ページ冒頭3行目「21世紀も、製造技術は、我が国の生命線とも言うべき経済力の源泉」は、「21世紀も、製造技術は、我が国の生命線であり経済力の源泉である」という表現の方にすべき。「とも言うべき」という表現はインパクトが弱い。
同資料の4、7ページに記載されている宇宙開発、原子力安全管理、鉄道保安分野等における一連の事故は、具体的にはH2ロケットの打ち上げ失敗、臨界事故、トンネル壁剥落事故を指すが、畑村先生の本に基づくと、これらは違う次元の原因によるものであり表現を工夫すべき。トンネル壁剥落事故は企業体の手抜きと管理体制の不備、また臨界事故は企業犯罪とも考えられ、これらと同列にH2ロケットの問題を扱えるものではない。ものづくり懇談会の考え方を元としているとのことだが、その時点ではそのような見方もあったかもしれないが、時間が経過すると真相が明確化し、現時点では誤った表現となっている。
吟味させていただく。
資料4−1の4ページの高齢社会の捉え方についてコメントする。「高齢者等が安全かつ安心して参画できる社会を実現することが必要であり」と記述されているが、今の作業場が高齢者に不向きであるととることもできる。そうではなく、推進すべきは高齢者の優れた知識、経験をいかに活用するかという観点であり、積極的に考えられないだろうか。暗黙知のIT技術を利用した知識の普遍化、標準化が安心につながる。高齢者が読むと余計なお世話だと思われる可能性がある。
現場では、ベテランが抜けたときに、彼らが直感で捉えた危険を一言伝えることができないために大きな事故が起こることもある。
高齢者の知識に対する期待の表現を工夫したい。
[中尾]
資料4−1の5ページに記述されているタスクとソリューションの関係が明確でない。トップダウンの視点(1)〜(3)はそれぞれよいと思うが、それらとボトムアップの視点A〜Cとの関連のさせ方がよろしくない。トップダウンの視点に近い言葉でまとめるべき。
それらのリンクのさせ方については、後の重点分野の優先順位付けで再度検討したい。
[高橋]
この作業のアウトプットが明確でない。アンケート結果は一般的で抽象論である。ここであげた分野にそって出てきた具体的な提案に基づいて予算を配分するのか、もっと戦略的なプロジェクトをまとめあげようとしているのか。どちらの進め方をするのかが不明瞭。
優先順位をつけるためのテーマとしては大雑把であり、プロジェクトとしてはまとまらないだろう。
[事務局 鈴木]
総合科学技術会議では各分野での5年間における重点化領域を示すこととなっており、その方針に沿って各府省に具体的なテーマを検討していただく。方針に沿ったテーマが優先されることを狙っている。
他分野と異なり、製造技術分野は横断的であるため焦点を絞ることが非常にむずかしい。
[事務局 和田]
高橋委員のおっしゃる通り2つの進め方がある。1つは、重点領域を示し各府省から提案されるH14年度概算要求が重点領域に合っているか確認しフィードバックしていくこと。もう1つとしては、大きいプロジェクトが提案されるのであればそれはそれで極めて結構。
資料4−2のマップに示されているプロジェクトの現状を踏まえ重点領域について検討いただきたい。
大きな網をなげておいて、何か引っかかってきてから考えようということか。
[古川]
資料2−2の資料2「平成14年予算に向けた当面の政策課題について」で、重点4分野とその他の4分野とのメリハリをつけると表現されている。製造技術分野はその他の4分野のひとつである中で、どのように重点領域を示していくか十分議論する必要がある。
そのような視点から、骨子案は様々な領域を包含しているので異論はないが、表現が以前と同じで新しさがない。新規性を打ち出すよう新しい表現とすることで、他の4分野との関係において、製造技術として特化し国として資金負担をしていこうという考えがでてくる。今は必要な技術を全般的にカバーしすぎている。
他の分野と異なり、製造技術は失われた10年を取り戻すための一番の分野であり、科学技術基本計画の5年で前倒しで推進するという視点で位置付ける方がよい。このままでは他の4分野と比較して特徴がなく埋もれてしまう危惧がある。
失われた10年を製造で取り戻さなければならないということに対する理解の程度が我々も弱い。強く認識させていただいて、政策も含めて進め方を検討していくことが重要。皆様からの強いご意見をいただきたい。
前期の科学技術基本計画の中で17兆円投資したことに対する問題点、反省点が整理されてきている。遠い将来における基礎研究能力が不足しているというデータを元に重点化してきたが、具体的なアウトプットがでておらず、かえって、産業競争力が低下したという事実が指摘されている。
今期の科学技術基本計画の元で何をすべきか位置付けを明確化すべき。基礎研究も重要であるが、国力を高めるためにはやはり製造で回復しなければならないということは一般に理解されている。そのためにどういう投資をしていくか考え方を示すべき。
確かにこの10年で、我が国の製造技術の国際競争力が低下したことは事実。それが基本計画の施策が原因なのか、経団連から指摘されたように高コスト構造による体力の低下が原因なのか、等様々な議論がある。後者は技術開発とは直接結びつかない。
このプロジェクトでは、イノベーション、技術開発に関するところで切り口を見つけるべき。施策も重要。
資料4−1、5ページのA項の製造プロセスイノベーションについては民間で行うべきとの考えもあるが、この10年で製造技術プロセスに直結している分野が弱体化したのであれば地味であるが立て直すべき。それを受けた形でB項があり、地球環境の観点からC項がある。
競争段階のものは基本的に民間で行うべきとの考え方が強くでるが、現在置かれている製造の企業体系を考慮すると、プロセスイノベーションの重要性を前面にだすべき。
ここにあるテーマは大企業の仕事としてやれることもあるが、中小企業によってはそのような投資がむずかしく、しかも日進月歩で変わっていく。そのような技術の共同組合等の形での支援、また、大企業でもできないようなことの連合体等での支援、この2つの両極端をフォローしていく仕組みが必要。大企業でできることに国が投資すべきでない。
[山田]
相対的にアジア諸国に追いつかれているが日本も進歩している。進歩が止まったように見えるのは飽和状態にあるからであり、ブレークスルーしようとすることが必要。そのためにはプロセスイノベーションが必要。国として、産業革命が起ころうしている現在、起こせるような土壌をつくってあげることが重要。例えば、中小企業にパソコンを装備させるというような整備が必要。総額330億とあるが、例えば松下さんは一年で5000億の開発投資していることを考えると、この額で国家的にできることは限られているので、この会合でも個々の技術、開発テーマというより大元が変われるようなメッセージを発信すべきではないか。土壌をつくることが重要。
[牧野]
個々の技術開発の問題ではない。ここ10年で製造現場の空洞化が現実となっており、日本の技術は進化しているものの、高コスト体質のため進む方向を見失っており日々もがいている。生産性の向上をあくまで追求すべきであり、中小企業を含む日本全体のシステムとしてやっていける投資を考えることが必要。一方、高付加製品がないと製品を作ろうとしても作れないため、国家レベルのプロジェクトを立ち上げるべき。ボトムとトップからやっていかないと製造現場は危ない。
[桑原]
製造分野の範囲をどう考えるかが問題である。現場に近い「ものづくり」だけと捉えられることは問題であり、デザイン、IT装備まで含め広く捉える必要がある。
日本からアセンブリが逃れることは止められない。日本でも国際競争力があって作れるものを増やしていくことが重要。例えば、複合化学材料、ディクスヘッド生産技術は高コストの中でも日本が強い。あるいは、地方であれば採算のとれるものもあり、地域活性化を含めさせるべきものもある。科学技術的な観点から、日本でもできるものを登場させないと日本の製造業は廃れる。この点を各府省へもメッセージとして発信すべきである。
家電品等、日本でデザインができて世界に発信していくものもある。製造コストの中でも直接コストは10%以下である場合も多く、問題なのは材料コストと間接コスト。デザインを含めた製造スコープを捉えるべき。
日本のものづくりにおける信頼性の高さは、エンジニアリングではなく個人の能力の高さに基づくものであった。しかし、今は人に頼れないのではないかという考えもある。最も能力の高い人と同じ能力を誰でも実現することができるようにするという議論もある。
デザイン、ものづくり、信頼性の3つの柱でがんばるべき。
CAD,CAMはIBMにやられており、何か手を打っていかないとだめなのではないか。ただ、大学、国研に十分な研究者がいるかというとそうでもない。半導体分野の検討から、民間と国の役割分担、ビジネスモデルがかわると考えられる。
国が先端技術を保証しないと欧米に勝てないとの意見もある。いろいろな産業分野でマップが変わってきている。このような難しい状況の中でメッセージを送らなければならないという困難な局面にある。
国際的に最も安い素材の鉄の現状についてコメントする。まぐろに例えて言うと、昔は、赤味から大トロまで全部買い上げていただき事業が成り立っていたが、今は赤味は別なところから調達するからトロだけ持ってこいということになり、日本では高付加価値商品に限定されるようになってきた。そうするとトロばかりのまぐろを作らなければならなくなり、時間のかかる技術が必要となる。従来の延長技術では中々進まないため基礎研究が必要になる。ナノテクでは極限を追求しており、その用途は限定されるが、進めていく中で射程距離にある、役に立つものがでてくる。ある程度射程距離にあるものは企業がやるが、何かありそうだという段階のものについては企業は手を出せない。そのようなものを極限を追求していくと8合目までのいい技術があるかもしれず、それをベンチャーが見つけて事業化する、あるいは我々が採用させていただくということがある。
人が物を生産し販売し儲ける、その仕組みがある高い水準・精度で行えるようにし、それが人の介入で失敗しないようなレベルに総合的にもっていく仕組みが必要。また、それを参考できるような状態を広く整備することをまず初めに国にやっていただきたい。射程距離にあるものは企業が行う。どういうものを作るかという点については幅広く様々なレベルがあるので特定はむずかしい。
官民の役割分担、官の具体的なテーマ、持続的発展させるための着目点、製造プロセスにおいて重点化すべき点、など多くの検討すべき問題が指摘された。これらは施策や推進方法に関係するところであるが、大枠は固められてきたと考えている。
重点領域におけるテーマ例を検討する必要はあるものの、大枠の「製造技術イノベーションによる競争力強化」「製造技術の新たな領域開拓」「環境負荷最小化のための製造技術」の大きな柱とその中の項目は、国か民間かという議論はこれからあるとしても、項目としてはある程度合意がとられていると理解している。
議論した内容は含まれていると思う。各省に説明するときに議論の内容を全て伝えて、いろいろなものが出てくるようにガイドしてほしい。大学、国研からはテーマが出てこない危惧がある。
資料4−2に記載されている研究テーマは、ほとんどが国立の研究所か独立行政法人のテーマでありシーズ指向である。産業界からの要望を出していただく必要がある。
平尾委員のコメントは重要。産業界全般に理論限界値を追求することがテーマとなっている。ナノテクはまさに理論限界値を追求していく産業技術である。従来の企業の研究スタッフを超えていかなければならなくなり、そこに産官学の連携という大きなテーマがでてくる。次世代半導体技術も同様。マップの中の個々のテーマをひとつひとつ突き詰めていくと、製造技術の場合、産学官のどこの分担なのか、よくよく考えるとわからなくなる。企業でやるべき問題ではないかとなりがちである。例えば、次世代コークス技術は新日鉄でやるべき問題ではないかということになりかねない。製造技術は理論限界値を追求するところまで来ていると考えたときに、どのように産官学の連携を組み立てるかということを考えてモデルを作るべき。
クリントン大統領は、「角砂糖1個位のサイズの国会議事堂にある情報量を押し込むデバイスをつくる」あるいは「今までの鉄の10倍強い鉄をつくる」ということがナノテクの目標であるという非常にわかりやすいメッセージを示している。日本でも数値目標を示してかなりの予算をつぎ込んで絶対日本がやるんだと言えば国民の支持を受ける事ができる。スポーツナショナリズムと同様に、テクノナショナリズムが必要。製造技術では、スーパーメタル、フォトン計測等の世界に先駆けている技術を作っていくことが重要。世界のトップをとるというようなわかりやすいメッセージが必要。
産官学のあり方に関して基本的な点をご指摘いただいた。まとめに反映させていただきたい。
5.施策のあり方、推進方策について
資料4−1の12,13ページに基づき、事務局より説明。
当初は、重点領域、テーマ等例が具体化した後に、施策のあり方、推進方策を落ちなくまとめることとなっていた。しかし、先ほどの議論では、施策のあり方、推進方策は、重点領域を具体化するための指針でもあることが指摘された。いただいたご意見は、この中にも反映させるべき。これらを含めてご意見をいただきたい。
資料5を見ると、皆さんのご意見がいろいろな言葉の中に含まれている。皆さんの意見を集約した形で事務局が言葉の説明ができれば、我々の意図は伝えられる。ナノも含まれている。よくできているのではないか。
[大山]
皆さんのご意見に賛同する。歴史的にみることも大切。機械試験所の設立に際して、マザーマシンである工作機械、及び先端産業である自動車の国産化と高度化が目標であった。基盤技術の整備、先端技術の開拓という意味では、ここでの議論は同様。了解しておいた方がよいことは、製品イメージは明確であったが、要素技術が十分でなかったため、産業化にはプロジェクトが終わって20年もかかった。
国として重要なことは、土俵を用意することと、先端技術を開拓すること。ただ、産業化には時間がかかる。
資料4−1の12ページの内容についてコメントする。
推進方策は政策目標に沿ったものであることを確認したい。投資したアウトプットがどのように社会的に結果付けられるかを考慮すべき。
知識基盤は人材のことである。製造技術として、これから東アジアを中心としたネットワークの時代となること、APECエンジニア資格も検討中であることから、外国人労働者、技術者、外国とのアライアンスについての記述が必要。また、中小企業の経営的な人材育成についても検討すべき。
工業高校等は縮小の方向にあり、「工業高校、専門学校などの充実」の記述は、文科省、地方自治体との関係で検討すべき。
「独創性を発揮しうる環境整備」は結構であるが、堀場会長がおっしゃっていたが、小中学生の頃からものづくりに興味を持たせることが国家の反映につながる。是非お願いしたい。
これからの技術開発はコンソーシアム方式で遂行されることが多いが、知的財産権のあり方はばらばらであり問題がある。
標準化の推進については、ISOでのリーディングシップをとれるようにどうすべきかを検討していただきたい。
ベンチャーだけではなく企業内創業のような二次創業を支援すべき。
工業高校は問題があるが、各種学校と読み替えればよいのではないか。
各種学校というといわゆる民間の専門学校の意味になるが、これは高等工業専門学校とは異なるので、誤解のないように記述してほしい。
西山委員のご提案であり吟味したい。
サッカーと同様で企業チームと大学チームが戦っても進まない。Jリーグのように、新たに、コーチ、選手となる人材を育成し、グランドを作っていく。そのように進めるべき。
必要なテーマを全て包括しようとしているためテーマを絞ることができない。国でしかできないことに絞るべき。金型工場ひとつで10億円かかることを考えると、7億円、5億円の単位でスーパーメタルができるか疑問。限られた予算で国としてきっかけをつくるような施策を推進してはどうか。そのために外れるテーマがでても構わない。大山委員のおっしゃったように、後でやっていてよかったと思えるような重点2、3個に絞るべきではないか。
このプロジェクトの総額330億円で生命線を守るというのは誤っている。H14予算における石炭対策費1400億円のわずか1/4。また、農業に対する補助も巨額である。
日本の21世紀は科学技術立国であるべきなのにもかかわらず、農業立国のような予算の使い方をしている。機会をみて総枠について大きな声を出していきたい。
国の施策として、成果が要求されるものへの投資とシーズ投資がある。今までの国家施策はシーズマネーであり、すぐに成果が得られるわけではないためどうしても総花的になる。もし、重点投資をするのであれば各府省のマトリックスと別に、ロードマップの作成が必要。マトリックスの分野とロードマップの時系列が合わさって重点分野が決まる。それを明確にしないで決めようとすると叩き合いが始まるだけ。
金がないから抑えているというより提案が出てこない。例えば、今までなかったようなバイオ、ナノに係る製造以外、国は金を出さないと宣言したときに何が困るかが明確でないと動かない。我々もどうしたらよいかわかっていないのではないか。今回はこれでいいと思うが、予算が提案され議論し選択するタイミングに間に合うよう産官学の分担を含めてブレークダウンしさらに議論を進めるべき。そうでないと300億円は少ない。ただ、切ってどうしようもないというわけでもない。
テーマの選定はむずかしい。ロードマップも必要であるが、ベーシックなものも必要。成果が明確であり、なおかつ飛躍的な技術となるとなかなか両方に合格するものはでなくなる。
萌芽的なものはここで評価するので、成果が必須とならないようにする。
ロードマップとベーシックなものの2本立てが必要。工業製品ではフィールドワークのステップがないとものにならない。
資料4−2で新規領域開拓はある程度数がでていると思う。革新プロセス、IT高度利用、環境負荷最小については、産業界からテーマの要望を出していただけないか。
是非出していただきたい。
環境負荷最小について具体的テーマを出したつもりだが。例えば、地方分散型のエネルギーシステム。植物がCO2を吸収し放出するメカニズムの中にエネルギー発生源を組み込めば、エネルギー問題と食糧問題の両方に対応でき、途上国で必要な技術となってくる。このようなテーマもあるのではないか。大学、企業で研究を行った例はあり、それらをシステムで結ぶことが出ればたいへん有効になる。
6.平成14年度における重点領域優先順位の考え方について
資料5に基づき、事務局より説明。
資料5の1ページ目のA,B,Cのランクは、皆様のアンケート結果に基づいてまとめたもの。
時間も限られており、これでよいと思う。
産官学の連携で、どのような趣旨で扱うか等の推進する上の問題はあるものの、大くくりの課題として合意が得られたと考えてよいか。
平成15年以降を含めて、思想的にどのように肉付していくかを固めていくかが重要。
B以下はCでよい。
「循環型社会形成に適応した生産システム」については、環境分野に期待したいが環境プロジェクトで扱っていない。環境省でのヒアリングで製造技術でと言われた経緯がある。
製造技術とe-Japan構想との関係はどうなっているか。
e-Japan構想の現在の状況は、製造分野は明快に捉えていない。インターネット社会、IPv6、e政府を主に捉えていて、科学技術の面からサポートすべき点はあまり多くない。したがって、ここできちんと捉える必要がある。
明日、本日検討させていただいたことを報告させていただく。内容についてはプロジェクトリーダに一任いただきたい。本日のご意見を尊重させていただきたい。
(異議なし)
第1回の議事要旨についてはホームページで公開させていただきたい。
第2回の議事要旨について、確認いただき加筆、訂正を18日までに事務局までご連絡いただきたい。
明日、第4回重点分野推進戦略専門調査会があり、その議論を受けて第5回重点分野推進戦略専門調査会(6/22予定)の前に議論の必要があればもう一度お集まりいただく可能性もある。別途ご連絡いたしたい。
マクロには、6月下旬の第7回本会議にて、平成14年度における科学技術の重点化の考え方について審議される予定であり、議論いただいた内容は6月末までにまとめられる。
本プロジェクトでは、官民の役割分担等の課題がありましたので、進め方についてはリーダと相談したい。
長時間に渡る議論を感謝いたします。
以上