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第11回総合科学技術会議議事要旨

 


(開催要領)

1.開催日時:2001年10月30日(火)17:30〜18:30

2.場所:総理官邸大客間

3.出席議員

 議長 小泉 純一郎 内閣総理大臣
 議員 福田 康夫 内閣官房長官
尾身 幸次 科学技術政策担当大臣
片山 虎之助 総務大臣
塩川 正十郎 財務大臣
遠山 敦子 文部科学大臣
平沼 赳夫 経済産業大臣
吉川 弘之 日本学術会議会長
石井 紫郎  
井村 裕夫  
黒田 玲子  
桑原 洋  
志村 尚子  
白川 英樹  
前田 勝之助  
     
(臨時)    
 議員 坂口 力  厚生労働大臣 (代理 桝屋 敬悟  厚生労働副大臣)
武部 勤 農林水産大臣
川口 順子 環境大臣
中谷 元 防衛庁長官

(議事次第)

1.開会

2.議事

(1)最近の科学技術の動向について(月例科学技術報告)
(2)平成14年度予算編成に向けた対応について
(3)産学官連携の推進について
(4)宇宙開発利用専門調査会の設置について
(5)その他

3.閉会




(配付資料)

資料1 最近の科学技術の動向について(月例科学技術報告)(PDF)
資料2−1 平成14年度科学技術関係予算の編成及び主要施策推進体制の整備に向けた対応について(案)(PDF)
資料2−2 平成14年度科学技術関係予算の概算要求について(PDF)
資料2−3 国立大学等施設整備について(PDF)
資料3−1 「産学官連携の推進」に関する検討について(PDF)
資料3−2 産学官連携サミットについて(PDF)
資料4 宇宙開発利用専門調査会の設置等について(案)(PDF)
資料5 第10回総合科学技術会議議事録(案)(PDF)




(会議概要)

1.議事概要

(1)最近の科学技術の動向について(月例科学技術報告)
  

 白川議員から、野依良治氏の2001年ノーベル化学賞の受賞について、資料1(PDF)に基づき説明。



(2)平成14年度予算編成に向けた対応について
 

 井村議員から、平成14年度科学技術関係予算の編成及び主要施策推進体制の整備に向けた対応について、 資料2−1(PDF)に基づき説明。あわせて構造改革特別要求の調整結果も含めて 科学技術関係予算の平成14年度概算要求の全体像について、資料2−2(PDF)資料2−3(PDF)に基づき説明。
 平成14年度の予算編成に向けた対応については、資料2−1(PDF)に基づき、 尾身議員と有識者議員が中心となって、必要に応じて財政当局との連携を図りつつ、関係閣僚の協力を得て、対応していくこととなった。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。


 

(遠山議員)

 我が省は、政府の決定した「骨太の方針」の重要7分野のうち「科学技術の振興」と「人材育成、教育」の2分野の中核を担っている。
 来年度の概算要求については、科学技術振興費については5%の増要求が認められたものの、文部科学省予算の3割を占め研究開発施策の 中核を担う特殊法人予算について大幅削減を求められ構造改革特別要求が認められなかったこと、及び大学の施設整備費が含まれる公共投資 関係費が前年度同額要求であったこと、といった制約の中で工夫を凝らした予算編成に努めたところ。
 今後、我が省としても、国立大学等施設整備についてPFIの活用も図り、力を注いでいく所存であるとともに、年末の予算編成に向けて、 科学技術関係経費の確保に努める所存であり、総合科学技術会議のリーダーシップとご支援をお願いする。


(中谷議員)

 科学技術は、国民生活、経済活動を持続的に発展させる原動力であって、その振興は未来への先行投資。防衛庁としても 総合科学技術会議の示す方向に積極的に協力するように指示しているので、頑張っていただきたい。


(川口議員)

 モロッコで地球温暖化問題の会合が始まり、環境省としても、この分野での科学的な知見を積み重ねていくことが重要。 温暖化政策の科学的な面からの支援として、温暖化による影響の総合的な把握、それに対する適応戦略の検討、循環型社会の 構築として、個別リサイクル法に対応した廃棄物の排出抑制・リサイクル・再利用に関する研究を推進したい。総合科学技術会議、 関係省庁と連携して実施したい。


(井村議員)

 川口議員のお話については、総合科学技術会議の重点分野推進戦略専門調査会環境プロジェクトでも、重点課題として、 地球温暖化とそのモデリング、循環型社会の構築を取り上げており、今後各省間の連携体制をつくり上げてできるだけ効率的に進めていきたい。



(3)産学官連携の推進について
 

 前田議員から、科学技術システム改革専門調査会産学官連携プロジェクトの検討状況について説明。(資料3−1(PDF)
 吉川議員から、第1回産学官連携サミット及び地域産学官連携サミットについて説明。(資料3−2(PDF)
 産学官連携の推進に関する基本的考え方及び具体的方策については、11月19日の産学官連携サミットまでの間に中間まとめを行うこととした。
 本議題に関する議員の意見は以下の通り。


 

(遠山議員)

 文部科学省としても、産学官連携は大変重要と認識しており、企業との共同研究の拡充、技術移転機関(TLO)による成果の特許化等 様々な取組を行ってきたところ。さらに、6月に作った大学を起点とする日本経済活性化のための構造改革プランでも、重点項目の一つに 位置づけている。私の手応えとしては、大学側の姿勢も最近大きく変わってきており、我が省はその変化をリードしていると自覚している。
 国立大学の法人化については、本年度内に結論を得るべく我が省の責任として検討しているところであり、ご意見については参考として 承りたいと思うが、二重行政にならないよう注意が必要。


(片山議員)

 地域産学官連携サミットについては、もっと地域色を出すべき。国と九州大学、九州経済産業局だけではなく、実際に地域経済に関わりの 深い地方公共団体等を主催や共催に入れて、地域らしいことを考えてもらうことが必要。
 また、全て拠点都市で行っているが、もう少し小さいところで実施することも検討していただきたい。


(吉川議員)

 私も九州には出席したが、計画段階から、参加者等を含め県とも連絡を密にとったつもり。地方の方々が中心にお集まりになり、大変多く のご発言があり、地方色豊かなものとなったと思う。


(平沼議員)

 産学官連携の強化は、低迷している我が国経済の自律的回復のために不可欠。私からも大学発のベンチャー1000社というプランを出し ており、鋭意取り組んでいるところ。最近、大学において産業界との連携に積極的に取り組む動きが出てきているのは非常によいこと。
 産学官連携プロジェクトは、当省と文部科学省が共同事務局をさせていただいているが、中間まとめには具体的な取組事項が明確に示され ており、今後の施策の一層の具体化及び着実な実現に向けて、総合科学技術会議にリーダーシップを発揮していただきたい。
 また、産学官連携は各地域も巻き込んだ全国的なレベルで進めることが必要。産学官連携サミットの開催等により今後一層機運が盛り上がっ ていくことを期待したい。



(4)宇宙開発利用専門調査会の設置について
 

 桑原議員から、資料4(PDF)に基づき説明。原案どおり決定し、桑原議員を専門調査会長に選任した。



2.議長(内閣総理大臣)しめくくり発言

  

 平成14年度予算編成については、省庁縦割りを排したメリハリのある予算編成に向け、今後とも格段のご協力をお願いしたい。
尾身大臣が非常に熱心に進めている第一回産学官連携サミットは、産業界と大学と官が交流する絶好の機会であるので、これを 実りあるものとし今後とも継続的に発展できるようお願いしたい。
 宇宙開発は、先日のH2Aロケットの打ち上げ成功は新たな出発点であり、今後とも産業化まで見据えた具体的なビジョンを示していただきたい。
 さらにいいニュースとして、野依先生が白川先生に続いてノーベル賞を受賞されたが、若者に対しても、日本に対しても、自信と希望を 与えたと思う。科学技術に対して国民の目を引きつけたという点についてもすばらしいことであり、今後とも日本の発展にとっての科学技術の 重要性を認識しながら頑張っていきたいと思うので、格段のご指導、ご鞭撻をお願いしたい。

 

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