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第16回総合科学技術会議議事要旨

 


(開催要領)

1.開催日時:2002年3月28日(木)16:45〜17:35

2.場所:総理官邸大食堂

3.出席議員

  議長 小泉 純一郎 内閣総理大臣
  議員 尾身 幸次 科学技術政策担当大臣
塩川 正十郎 財務大臣
遠山 敦子 文部科学大臣
平沼 赳夫 経済産業大臣
吉川 弘之 日本学術会議会長
石井 紫郎  
井村 裕夫  
黒田 玲子  
桑原 洋  
白川 英樹  
松本 和子  
吉野 浩行  
 (臨時)    
  議員 坂口 力  厚生労働大臣 (代理 宮路 和明 厚生労働副大臣)
武部 勤 農林水産大臣
大木 浩 環境大臣
竹中 平蔵 経済財政政策担当大臣



(議事次第)

1.開会

2.議事

(1)科学技術を中心とした経済の活性化方策について
(2)国立大学の改革について
(3)競争的資金制度の改革について
(4)最近の科学技術の動向について(宇宙開発利用の動向等)
(5)その他

3.閉会



(配付資料)

資料1 科学技術を中心とした経済の活性化方策について(PDF)
資料2−1 新しい「国立大学法人」制度の概要(PDF)
資料2−2 新しい「国立大学法人」像について(PDF)
資料3 競争的資金制度改革プロジェクトについて(PDF)
資料4−1 宇宙開発利用の動向(月例科学技術報告)(PDF)
資料4−2 ヒトES細胞の樹立計画について(月例科学技術報告)
資料5 宇宙3機関の統合について(PDF)
資料6 第15回総合科学技術会議議事録(案)(PDF)



(会議概要)

1.議事概要

(1)科学技術を中心とした経済の活性化方策について

 科学技術を中心とした経済の活性化方策について、資料1(PDF)に基づき、桑原議員から説明。
 科学技術による経済の活性化については、経済財政諮問会議とも十分な連携をはかりつつ引き続き検討を進めていくこととした。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。

(平沼議員)
 イノベーションは、経済成長の原動力であり、経済の活性化のために、非常に重要。特に、現下の厳しい経済状況に鑑み、産業競争力強化に直結する、戦略的なプロジェクトの実施が非常に重要と認識している。経済産業省としては、@「技術的な課題の克服により競争力を強化できること」、A「実証・試作段階にあり、市場化までの道筋が明確であること」、B「将来大きな市場を創出する可能性が期待できるもの」、C「産業界も資金を負担して、官民一体となって取り組めるもの」、の4つの条件を満たす技術開発プロジェクトの検討を行っており、次回の本会議で検討結果を報告したい。各府省とも、同様の検討をやっていると思うので、全府省的にプロジェクトを検討し、総合科学技術会議でとりまとめてはどうか。

(塩川議員)
 総合科学技術会議を中心にして、ものすごい研究開発が進んでいるという印象を国民が持ってきているので、この成果を産業、企業体に結びつけていかなければならない。この点がまだ不十分だと思う。このためには、終戦後の日本経済を復興するために行った傾斜生産方式の考え方を参考として、重点的に予算、税制等の支援を集中していったらどうかと思う。これによって、国民にも方向性が明らかになる。

(遠山議員)
 産業競争力の強化を図る上で、科学技術の振興は大きな柱であるということは、私も同じ考えである。文部科学省としては、大学等を核とする産学官連携の推進、研究成果の特許化の促進、地域科学技術の振興等を積極的に進めていく所存。
 経済活性化に資するためには、後追いではなく、社会的、経済的な課題に対応して、重点的かつ戦略的に世界の一番手を目指した国家的なプロジェクトに取り組むことが必要。その推進に当たっては、産業界はもちろんのこと、競争力のある新たな研究領域に迅速に取り組める専門家の力と機動性が重要であり、こうした観点からは、科学技術関係の特殊法人、独立行政法人等が果たす役割は大変重要である。更に、その基盤となる基礎研究の中核として、あるいは将来を担う人材育成の拠点として、大学は極めて重要。文部科学省としても、これらの機関をしっかりとサポートしていきたい。
 同時に、産業界としても、官学における多様な研究の動きを十分にフォローしていただき、研究成果の特許化を含めた研究シーズの企業化に向けて努力していただきたい。

(宮路議員代理)
 今後ますます膨らむ医療費の抑制や、新しい医薬品開発による病気の治療という観点からも、製薬企業の育成が非常に大切である。現在、国内で最近承認されている薬のうち、国産の医薬品は2、3割しかなく、残りは国外で開発されている。さらに、我が国の企業も、治験の4割はアメリカを始めとする海外先行又は海外のみで実施しており、いわゆる「治験の空洞化」が大きな問題になっている。
 治験をしっかりと行っていく体制は、製薬メーカーのみならず、大学病院、国立病院、民間の医療機関等まで含めた、産学官が一緒に取り組んで初めて整備されてくるものであり、関係省庁、大学、民間などのご協力をいただいて、治験の空洞化をなくしていきたい。
 厚生労働省としても、全国の治験活性化3か年計画を近々作成し、関係者の協力をお願いしたいと考えている。

(大木議員)
 環境省としても、産学官の協力が非常に大事だと感じている。
 環境問題については、大体の企業に環境担当役員が配置されており、環境について勉強する体制はよくできていると思う。また、大学でも「環境」という名称の新たな学部が認められており、体制も整ってきている。また、「環境」という予算項目を見るとものすごい数があり、あえて言えば「環境」に悪のりしているのではと思うほどだが、今後はある程度選別し、集中していくことが必要であり、尾身大臣にご指導をいただきたい。

(竹中議員)
 「科学技術振興」と「構造改革」は、切っても切れないということを非常に強く感じている。今、経済財政諮問会議で、6月末を目途に産業経済活性化の戦略を議論しているが、「科学技術」の果たす役割は極めて重要であり、非常に戦略性が高いと思う。
 実は、今、経済財政諮問会議の民間4議員の呼びかけで「ブランド・ニッポン」というプロジェクトを考えている。アメリカ経済が悪いときに、「メイド・イン・アメリカ」という形で、MITを中心に、国民運動的に生産性を高めるキャンペーンが行われたが、そういうものを日本でも是非やるべきである。この総合科学技術会議においても是非このプロジェクトの実施に、積極的に参加していただき、ご協力をお願いしたい。

(桑原議員)
 「ブランド・ニッポン」については、私どもとしても、速やかに対応したい。
 短期に経済効果を求めるものについては、企業と連携してきちっと進めていかないとむだが出る。経済産業省とも連携して、産学の連携をしっかり捉えていきたい。

(塩川議員)
 私は、研究開発に沢山予算を使った方がよいと思うが、一方でその研究成果を産業としっかり結びつけ、将来実りあるものにしてもらわなければならない。このためには、産学で一体となって研究を進めることが必要。

(桑原議員)
 基礎研究との二本立てが大事。

(井村議員)
 皆様のご意見に賛成であり、特に経済財政諮問会議とは、協力して調査を進めていきたいと思う。
 特に、大学の研究に実用化に近いシーズがあれば、それを発掘して実用化に結びつけていくことは非常に重要であり、積極的に取り組んでいきたい。
 また、治験については、日本は非常に遅れており、新しい薬の臨床応用、発売までの研究に加え、発売後の研究、薬以外の機器、遺伝子、細胞等の臨床応用についても、日本ではまだ一定のルールがないために、極めて進みにくい状況。したがって、この問題を是非総合科学技術会議で取り上げて、きちっとしたルールづくりをしていく必要があると考える。



(2)国立大学の改革について

 国立大学の改革について、資料2−1(PDF)に基づき、遠山議員から説明。
 国立大学の改革については、総合科学技術会議としても、科学技術振興の観点から議論を深め、その内容について文部科学省とも適宜相談するとともに、意見を伝えることとした。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。

(塩川議員)
 教職員の身分を非公務員型にすると決定したことは、大変感謝する。是非、給料を上げ、いい人を呼んで下さい。



(3)競争的資金制度の改革について

 競争的資金制度の改革について、資料3(PDF)に基づき、井村議員から説明。
 「競争的資金制度」の改革については、6月中の中間とりまとめに向けて調査・検討を進めることとした。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。

(遠山議員)
 競争的資金については、文部科学省では、制度の目的・役割の明確化、研究評価の充実、間接経費の拡充、当省所管の特殊法人において研究経歴のある者などによる高いレベルの責任体制の構築など、改革を図ってきている。
 一方で、研究者の自由な発想による基礎研究を推進する観点からは、研究の多様性を保障することが必要であるので、競争的資金の改革に当たっては、次の点に十分配慮していく必要がある。
 1つ目は、大学においては基盤的な研究資金と競争的資金との二本立ての仕組み、いわゆるデュアルサポートシステムを堅持する必要があること。2つ目は、総合科学技術会議による全体調整に際して、ボトムアップ型の研究費については、研究者コミュニティーの自立性を保障することが大事であること。3つ目に、人文社会科学から自然科学まで、多様な研究分野や研究ニーズに応じた競争的資金の多様性を確保すること。
 文部科学省としては、このような認識に立って、本来の優れた研究が推進されるよう十分支援してまいりたい。
 今、日本の大学は相当変化してきており、アメリカに行かれた研究者が、かつての日本の大学の講座制等の問題を提起されたとしても、これを前提として議論しないようにお願いしたい。

(井村議員)
 競争的資金のおよそ2分の1が文部科学省の科学研究費補助金であり、これが最も大きな部分を占めている。科学研究費補助金については、科学技術会議の時代から議論をしており、既にかなりの程度の改革がなされていると思うが、この度は、日本の競争的資金全体を俯瞰して、どの部分に、より効率化するための改革が必要なのかということを議論していきたい。



(4)最近の科学技術の動向について(宇宙開発利用の動向等)

 桑原議員から、「宇宙開発利用の動向」について、資料4−1(PDF)に基づき説明。これに関連して、遠山議員から、「宇宙3機関の統合」について、資料5(PDF)に基づき説明。
 また、井村議員から、「ヒトES細胞の樹立計画」について、資料4−2(PDF)に基づき説明。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。

(遠山議員)
 京都大学の再生医科学研究所において、今後順調に研究が進めば、日本で初めてヒトES細胞の樹立が行われることになる。文部科学省としては、研究も大切であるが、生命倫理問題とも関連するので、十分に配慮しながら研究を進めるよう、再生医科学研究所にもよく周知したいと考えている。



2.議長(内閣総理大臣)しめくくり発言

 科学技術を中心とした経済の活性化方策、国立大学の改革、競争的資金制度の改革は、いずれも重要問題であるので、今後とも積極的な、しっかりとした検討をお願いしたい。また、環境と経済の問題についても科学技術が大きな鍵であるので、今後もよろしくお願いしたい。
内閣府  科学技術政策・イノベーション担当
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