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第28回総合科学技術会議議事要旨

 


(開催要領)

1.開催日時:2003年5月27日(火)17:30〜18:30

2.場所:総理官邸4階大会議室

3.出席議員

   議長 小泉 純一郎 内閣総理大臣
   議員 福田 康夫 内閣官房長官
 同
細田 博之 科学技術政策担当大臣
 同
片山 虎之助 総務大臣
 同
塩川 正十郎 財務大臣
 同
遠山 敦子 文部科学大臣
 同
平沼 赳夫 経済産業大臣
 同
阿部 博之  
 同
井村 裕夫  
 同
大山 昌伸  
 同
松本 和子  
 同
薬師寺泰蔵  
 同
吉野浩行  
  (臨時)    
   議員 坂口 力 厚生労働大臣(代理 木村 義雄 厚生労働副大臣)
 同
亀井 善之 農林水産大臣
 同
石破 茂 防衛庁長官(代理 赤城 徳彦 防衛庁副長官)
 同
竹中 平蔵 経済財政政策担当大臣(代理 根本 匠 経済財政政策担当副大臣)



(議事次第)

1.開会

2.議事

(1)重症急性呼吸器症候群(SARS)の診断及び検査手法等に関する緊急調査研究について(報告)
(2)平成14年度科学技術の振興に関する年次報告(案)について
(3)科学技術基本計画(平成13〜17年度)に基づく科学技術政策の進捗状況(案)について
(4)「平成16年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針(案)」について
(5)研究開発型ベンチャーの創出と育成について
(6)情報通信研究開発の推進について
(7)その他

3.閉会



(配付資料)

資料1 平成15年度科学技術振興調整費による緊急研究開発等の指定について(PDF)
資料2−1 平成14年度科学技術の振興に関する年次報告(案)について
資料2−1 平成14年度科学技術の振興に関する年次報告(案)
資料3−1 平成14年度 科学技術基本計画(H13年度〜H17年度)に基づく科学技術政策の進捗状況(案)【概要】(PDF)
資料3−2 平成14年度 科学技術基本計画(H13〜H17年度)に基づく科学技術政策の進捗状況(案)(PDF)
資料4−1 平成16年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針(案)【概要】(PDF)
資料4−2 平成16年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針(案)(PDF)
資料5−1 研究開発型ベンチャーの創出と育成について(案)【概要】(PDF)
資料5−2 研究開発型ベンチャーの創出と育成について(案)(PDF)
資料6−1 情報通信研究開発の推進について(案)【概要】(PDF)
資料6−2 情報通信研究開発の推進について(案)(PDF)
資料6−3 (参考資料)ITシステムの急速な進化の例(PDF)
資料7 第27回総合科学技術会議議事録(案)(PDF)



(会議概要)

1.議事概要

(1)重症急性呼吸器症候群(SARS)の診断及び検査手法等に関する緊急調査研究について(報告)

 重症急性呼吸器症候群(SARS)の緊急調査研究について、資料1(PDF)に基づき、井村議員から説明。今後、厚生労働大臣を始め、関係大臣においては、SARSの問題を一刻も早く解決するために、本研究を始め、諸般の対策を早急に進めていくこととした。



(2)平成14年度科学技術の振興に関する年次報告(案)について

 「平成14年度科学技術の振興に関する年次報告(案)について」を、資料2−1、資料2−2に基づき、遠山文部科学大臣から説明。
 「平成14年度科学技術の振興に関する年次報告(案)」については、総合科学技術会議として、原案通りで了承することとした。

(3)科学技術基本計画(平成13〜17年度)に基づく科学技術政策の進捗状況(案)について

 「科学技術基本計画(平成13〜17年度)に基づく科学技術政策の進捗状況(案)について」を、資料3−1(PDF)3−2(PDF)に基づき、井村議員より説明。総合科学技術会議として、原案通りとりまとめることとし、関係大臣においては、今後の科学技術政策に生かしていただくこととした。


(4)「平成16年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針(案)」について

 「平成16年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針(案)」について、資料4−1(PDF)資料4−2(PDF)に基づき、阿部議員から説明。本日の御意見を踏まえ、専門調査会等も活用して、6月の総合科学技術会議で取りまとめることとした。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。

【遠山議員】
 前回、私から説明した文部科学省の重点事項がおおむね盛り込まれている。科学技術関係人材の養成・確保について、特に強化することを明記していただいたことを高く評価したい。本日は、5つに絞ってコメントする。
 第1は基礎研究であるが、基礎研究の推進のためには競争的資金の拡充は不可欠である。総合科学技術会議のイニシアチブにより、関係予算全体の拡充を図る中で、倍増目標達成に向け、御尽力をお願いしたい。また、基礎研究の中でもビッグサイエンスについては、独創的な基礎研究を推進する上で重要ある。基礎研究全体の中での位置付けについては、科学技術・学術審議会で議論したいと考えている。
 第2は原子力、宇宙などの国の存立基盤となる研究開発で、プロジェクトの徹底的な見直し、重点化を図りながら着実に進めることが重要である。特に宇宙関係は、最近6回のロケット打ち上げが成功し、国民も大変その自信を持つことができた。これらの技術の広がり・向上が果たす役割というのは大変重要であり、御理解をお願いしたい。
 第3は、科学技術の高度化に伴い生じる負の側面あるいはテロリズムなどの新たな脅威といった社会の諸問題に対応するために、安心・安全な社会の構築に資する技術の開発が必要である。また、世界最高の研究成果を生み出すためには、最先端の分析、計測技術機器などの開発が不可欠である。これらの課題については、産学官連携の下に研究開発を進めていくことが重要であり、経済活性化にも大いに貢献すると考える。なお、安全・安心の分野の科学技術については、省内の懇談会で政策課題など鋭意議論している。具体的な内容については、概算要求までに整理したいと考えており、特段の御配慮をお願いいたします。
 第4は、人材の養成であるが、科学技術・学術審議会の人材委員会の第2次提言が6月中にもまとめられる予定である。我が省では、この提言を踏まえた「科学技術人材養成総合プログラム(仮称)」を、平成16年度概算要求の最重要事項の一つとして取り組んでいきたいと考えている。
 最後に大学改革であるが、国公私立を通じた世界的な研究拠点形成は、大変有効である。また、大学改革は広い視点からの議論が必要であり、我が省の責任において大学改革の作業を進めてまいりたい。目下、国立大学法人法案は衆議院を通過して、参議院において議論が始まっているところである。本方針の取りまとめについては、大学の教育研究特性を踏まえ、大学の自立的な活動が尊重されるようにしていただきたい。
 我が省としては、科学技術関係予算の6割以上を担っており、科学技術創造立国の実現に向けて、ふさわしい予算を質、量の両面から確保したい。総合科学技術会議においては、その優先順位づけのみならず、関係予算全体の拡充に向け、総合司令塔としての役割を十分に果たしていただきたい。


【平沼議員】
 1点目は、前回の第27回の総合科学技術会議でも具体的に説明したが、本年から開始されているこの経済活性化プロジェクトは、具体的な目標を掲げ、国民が今持っている日本経済に対する将来不安を払拭して、産業競争力の再強化を目指すものであり、資源配分方針には研究が本格化する16年度に一層拡充することを盛り込み、経済再生に向けた強いメッセージを出すことが必要である。例えば、がん患者の5年生存率を20ポイント回復とか、今、問題になっているシックハウスなどを、いつまでに新しい材料をつくってやめるとか、具体的な目標を掲げることが活性化につながる。
 2点目は、基本計画のフォローアップにも関係するが、官民合わせた基礎研究投資は2兆2,000億円である。このうち大学は5割であり、企業が3割を占めている。江崎玲於奈博士や田中耕一氏が、企業内での研究成果によってノーベル賞を受賞したように、産業界の研究者も重要な基礎研究の担い手である。大学と企業がともに切磋琢磨をして、基礎研究を推進する環境を実現するシステムが必要で、そうした改革に取り組むと大きな効果が出てくると考えており、提言させていただきたい。
 3点目は、政府の研究開発予算が重点化されているかを判断するに当たり、全体で3.6兆円、そのうち約1兆円を占める大学の研究費がどのような分野に使われているかを分析するのは非常に大切である。総合科学技術会議の責務は、我が国全体の科学技術予算の聖域なき重点化を図ることにある。大学の予算も含めて戦略的な資源配分を行うべきである。
 それに付随して、例えば、基礎研究は大事であるが、無目的に漫然とするのでは国の基礎体力にはならない。旧ソ連はノーベル賞受賞者を11名出しているが、これが経済活性化に必ずしも結び付いていない。戦略性のある目的の下に、基礎研究を進める視点が大切である。


【亀井議員】
 前回、平成16年度の農林水産研究開発の重点化構想の一端を述べたが、ゲノム研究成果の実用化、バイオマスの総合利用、機能性食品等を始めとして、今般の資源配分方針案に漏れなく盛り込んでいただき、ありがとうございます。
 私は、地域経済の活性化に向けて、農林水産・食品産業の果たす役割は非常に重要であると認識している。
 農林水産省としては、共同研究による産学官連携のためのコーディネートの強化やTLOの整備を通じた技術移転の促進など、農林水産・食品産業の現場ニーズを重視した研究の展開により、地域経済の基幹を担う付加価値の高い産業の創出に向けた取り組みを力強く推進していきたい。
 総合科学技術会議としても、資源配分や評価・優先順位づけの局面で、現場重視・地域産業の振興といった視点を加味し、科学技術創造立国にふさわしい予算等の確保に向けてリーダーシップを発揮していくべきである。


【木村厚生労働副大臣】
 1点目は、ライフサイエンス分野ですが、最近発生しているSARSなどの国の枠を超えて発生する新興感染症などへの対応をより強化するための研究、対策を進めることが重要である。SARSだけで終わりではなく、SARSが第1弾だとしたら第2弾、第3弾のロケットがあるだろう。つまり、ここ数年でSARS以外の新たな新興感染症がまた出てくるおそれが十分にあり、新興感染症への対応をより一層強化することが大変重要である。
 第2点は、安心で安全で活力ある長寿社会を実現するために、がんや循環器疾患等の生活習慣病に対する予防診断治療技術の開発を、引き続き進めることが重要である。
 以上2点、特に重点を絞ってよろしくお願い申し上げたい。

【片山議員】
 15年度は、資源配分で情報通信等、最高度の御配慮をいただきありがとうございました。情報通信については、新IT戦略つくるため、全般の見直しをしている。特にインフラは整備されたが、利活用をもっともっと行う、あるいは産業化にどうつなげるかが大きなウェートを占める。その意味で、ユビキタスネットワーク、日本型新IT国家などについて、資源配分を更によろしくお願いいたしたい。
 それから、昨日地震がありましたが、防災関係もよろしくお願いしたい。


【塩川議員】
 私どもは科学技術の関係の予算の査定は、この本会議の総合科学技術会議のリーダーシップの下に進めるように言っている。総合科学技術会議で強力なリーダーシップを発揮し、選択と集中をしっかりやっていただきたい。
 もう一つは、「plan」「do」「see」の「plan」と「see」について、総合科学技術会議できちんと進めていただきたい。私たちも、この会議から申入れがあった4分野を中心として、来年もその予算に当たり、同じ気持ちで取り組んでいきたい。

【阿部議員】
 財務大臣を始め、心強い御意見ありがとうございました。特に平沼大臣からお話のうち、企業に優れた研究があること、基礎的な部分も含めて総合科学技術会議のプロジェクトチームでも御意見をいただいており、細田大臣と私どもで、どういうやり方がよいか議論をしている。

【細田議員】
 十分に倍増すると言っても、少ししか延びていないものをどうするかなど、今後、十分調整をしなければならない。



(5)研究開発型ベンチャーの創出と育成について

 「研究開発型ベンチャーの創出と育成について」を、資料5−1(PDF)資料5−1(PDF)に基づき、大山議員から説明。「研究開発型ベンチャーの創出と育成について(案)」については、原案通り決定し、総合科学技術会議から小泉総理及び関係大臣に対して意見具申することとした。また、関係大臣においては、本意見具申に沿って対応することとした。



(6)情報通信研究開発の推進について

 「情報通信研究開発の推進について」を、資料6−1(PDF)資料6−2(PDF)に基づき、大山議員から説明。「情報通信研究開発の推進について(案)」は、原案通り決定し、総合科学技術会議から小泉総理及び関係大臣に対して意見具申することとした。また、関係大臣においては、本意見具申に沿って対応することとした。



【細田議員】
 IT戦略本部で今、「元気、安心、感動、便利」と言っているが、これは一般国民にわかりやすく、IT社会の効果を上げていくために掲げている。しかし、本当に基礎の21世紀の将来に向かっての研究は、ソフトウェアもハードも含めてプロが方針を決めないと諸外国に遅れてしまう。この研究開発分野を専門的に深掘りするのが総合科学技術会議の担当分野であり、内容的にはIT戦略本部のe-Japan 戦略IIにも盛り込まれていると考えていただきたい。



              (腕時計型携帯電話の説明)



【小泉議長(内閣総理大臣)】
 これは電話とは思わないですね。腕時計です。今は世界で日本だけですか。



【大山議員】
 そうです。



              (腕時計型携帯電話による通話開始)



【小泉議長(内閣総理大臣)】
 本当によく聞こえます。これはヒット商品になりそうですね。これは楽しみです。それに、これならば忘れない。最近は携帯電話を忘れる人が多いから。



【大山議員】
 情報通信分野では今、御案内申し上げたようなシステムを次々に実現するために、利用者の立場に立って研究開発を進めて行きたい。



【細田議員】
 これはインターネットでメールも受けられます。



【小泉議長(内閣総理大臣)】
 これは若い人にうけますよ。しゃれている。



(7)その他
【細田議員】
ITER計画について、先日、小泉総理がブッシュ大統領に対し、直接我が国への誘致を要請されたところでありますが、遠山大臣から一言お願い申し上げます。



【遠山議員】
 ITER計画については、総合科学技術会議でも議論いただき、その方向で進めているが、現在各国政府の間で実務的に協定案の詰めを行っている。6月中にも各局間でサイトの決定に向けて資金配分の案などを協議していく予定であり、大変重要な作業になると思う。
 日本としては、六ヶ所村をサイト候補地として協議に臨んでいる。今後の進め方については、関係府省に相談することもあると思うが、その際は協力をお願いしたい。



【細田議員】
 ITER計画の政府間協議については、総合科学技術会議の方針に基づき、関係府省で協力して取り組みを行っていきたい。



2.議長(内閣総理大臣)しめくくり発言

 SARSについては、国民も不安に思っており、この問題に対しては関係大臣に全力を挙げて取り組んでいただきたい。
 平成16年度の科学技術に関する資源配分の方針については、めりはりのある案を作成していただき感謝している。これから、予算編成に向け、一層頑張っていただきたい。
 ベンチャー企業は平成9年度では100、今や530を超えるほど急速に発展している。戦略的に育て上げるという発想で、関係大臣も大学研究機関一体で取り組んでいただきたい。
 IT技術は、まさに最先端である。ITに使われるのではなくて、これを使って豊かな生活を実現するという観点から知恵を絞って欲しい。
 ITER計画については、先般アメリカを訪問した際、ブッシュ大統領にも私は我が国への誘致の協力を要請しました。関係大臣も、引き続き国内誘致に向けて努力をしていただきたい。

内閣府  科学技術政策・イノベーション担当
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