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第32回総合科学技術会議議事要旨

 


(開催要領)

1.開催日時:2003年11月25日(火)17:48〜18:37

2.場所:総理官邸4階大会議室

3.出席議員

   議長 小泉 純一郎 内閣総理大臣
   議員 福田 康夫 内閣官房長官
 同
茂木 敏充 科学技術政策担当大臣
 同
麻生 太郎 総務大臣
 同
谷垣 禎一 財務大臣
 同
河村 建夫 文部科学大臣
 同
中川 昭一 経済産業大臣
 同
黒川 清 日本学術会議会長
 同
阿部 博之  
 同
井村 裕夫  
 同
大山 昌伸  
 同
松本 和子  
 同
薬師寺泰蔵  
  (臨時)    
   議員 坂口 力 厚生労働大臣(代理 森 英介 厚生労働副大臣)
 同
亀井 善之 農林水産大臣
 同
小池百合子 環境大臣(代理 加藤 修一 環境副大臣)
 同
石破 茂 防衛庁長官(代理 浜田 靖一 防衛庁副長官)



(議事次第)

1.開会

2.議事

(1)国家的に重要な研究開発の評価等について
(2)平成16年度科学技術関係予算の編成に向けて
(3)新たな段階へ進展するナノテクノロジー(最近の科学技術の動向)
(4)その他

3.閉会



(配付資料)

(配付資料)
資料1−1−1 大規模新規研究開発の評価(案)[概要](PDF)
資料1−1−2 総合科学技術会議が実施する国家的に重要な研究開発の評価
「ゲノムネットワーク研究」について(案(PDF))
資料1−1−3 総合科学技術会議が実施する国家的に重要な研究開発の評価
「南極地域観測事業」について(案)(PDF)
資料1−1−4 総合科学技術会議が実施する国家的に重要な研究開発の評価
「アルマ計画」について(案)(PDF)
資料1−1−5 総合科学技術会議が実施する国家的に重要な研究開発の評価
「先端計測分析技術・機器開発事業」について(案)(PDF)
資料1−1−6 総合科学技術会議が実施する国家的に重要な研究開発の評価
「第3次対がん10か年総合戦略に基づく研究開発」」について(案)(PDF)
資料1−2−1 継続中の重要研究開発の精査[概要](PDF)
資料1−2−2 継続中の重要研究開発の精査(PDF)
資料2−1 平成16年度科学技術関係予算の編成に向けて(意見)(PDF)
資料2−2 平成16年度概算要求における科学技術関係施策の優先順位付け等のポイント(PDF)
資料2−3 平成16年度概算要求における科学技術関係施策の優先順位付け等について(報告)(PDF)
資料2−4 平成16年度概算要求における科学技術関係施策の優先順位付けについて(PDF)
資料2−5 平成16年度概算要求における科学技術関係独立行政法人等の
主要業務に対する見解について(PDF)
資料3 新たな段階へ進展するナノテクノロジー(PDF)
資料4−1 平成15年度科学技術振興調整費による緊急研究開発等の指定について(PDF)
資料4−2 平成16年度科学技術振興調整費について(報告)(PDF)
資料5 第3回産学官連携サミットの結果報告について(PDF)
資料6 第31回総合科学技術会議議事録(案)(PDF)



(会議概要)

1.議事概要

(1)国家的に重要な研究開発の評価等について

 「大規模新規研究開発の評価」を資料1−1−1(PDF)、「継続中の研究開発の精査」を資料1−2−1(PDF)に基づき、大山議員から説明。
資料1−1−2から資料1−1−6については、原案通り決定し、総合科学技術会議から小泉総理及び関係大臣に対して意見具申した。
 関係大臣に対しては、本意見具申に沿って、推進体制の改善や予算配分に反映していただくよう依頼した。
 また、今後とも評価専門調査会において、その実施状況をフォローアップしていくこととした。



(2)平成16年度科学技術関係予算の編成に向けて

 「平成16年度科学技術関係予算の編成に向けて」を資料2−1(PDF)、「平成16年度概算要求における科学技術関係施策の優先順位付け等について」を資料2−2(PDF)に基づき、井村議員から説明。
 資料2−1の「(案)平成16年度科学技術関係予算の編成に向けて(意見)」については、原案通り決定し、総合科学技術会議から小泉総理及び関係大臣に対して意見具申した。
 また、今後、平成16年度の予算編成に際して、所要の科学技術関係予算の確保を図り、各施策が適切に実施されるよう、財務大臣を始めとする関係大臣に御配慮いただくよう依頼した。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。


【麻生議員】
 1点目は、せっかくの優先順位付けであり、予算に反映されないと意欲がわき立たないので、是非その点に御配慮いただきたい。
 2点目は、重点4分野と言いながら、去年1年間の伸び率は37.3%から38.7%へと、わずか1.4 %しか伸びていないという事実も認識いただきたい。
 3点目は、国立大学法人がスタートするが、国立大学は99から、89へと少なくなった。その国立大学法人の運営費交付金が、大蔵省の従来の手法として一律一割削減とか、このような話にならないようにしてもらわないといけないと思うので、新規のプロジェクト等々に是非配慮願いたい。
 4点目は、治安、安心、安全について、警察官の充実を含めて非常に大きな要素である。
 その中で、消防は、苫小牧の石油施設の火災、三重県のごみ処理施設のガス爆発への対応など、安心にとって重要である。
 従来はホースでばっと消火していたが、時代が変わってきて、空気と水と二流体同時噴射すると、大体消火に寄与しない無駄な水量は10分の1となり効率が上がる、焼けている建物以外に水の影響が少ない等々の技術の革新もなされており、こういったものを含め、社会基盤の安全、安心について御配慮いただきたい。


【谷垣議員】
 御説明の意見具申の中に、メリハリのある科学技術関係予算とある。
 私どもも全くそう考えており、総合科学技術会議とよく連携して、SABCを踏まえて予算編成をしたい。
 1番目に、評価に基づく資源配分の効率化とか、適正化という問題ですが、中間・事後評価を適正に行い、場合によってはそれに基づいてプロジェクトの見直しや、不要になったものは撤退するなどのメリハリもお願いしたい。
 2番目は、ビッグプロジェクトについても随分議論していただいているが、後年度負担が重くなるので、厳選することも御配慮いただきたい。
 3番目は、科学研究費補助金などに関する不正経理問題があり、大変不信感をもたれている。
 また、ビッグプロジェクトに関する国民に対するPR、そういうようなものも含めて、研究者コミュニティーでも、説明責任の御配慮を特にお願いしたいと思っている。
 それから、独立行政法人、国立大学法人に関しては、自由度を高めて、その分効率化をするという看板を降ろすわけにはいかないが、独立行政法人の枠を超えて見るとか、一律に何%削減ということは避けていきたいと思っている。


【加藤環境副大臣】
 環境省においては、環境保全と経済発展の同時達成に向けた取り組みを推進しており、その基盤として、科学技術が果たすべき役割は非常に大きいと考える。
 優先順位付けの点では、対象となった環境省及び独立行政法人の国立環境研究所の取り組みについて、その意義と重要性を御理解いただいたと考えている。
 また、科学技術基本計画において、環境分野が重点分野の1つと位置づけられているが、平成16年度の予算編成においても、環境分野の科学技術関係予算が、政府全体としても十分確保されることが必要だと考えており、改めて御理解と御配慮をお願いしたい。


【亀井議員】
 農林水産省としても、競争的研究資金の拡充に努めている。
 また、先般10月1日に独法の農業技術研究機構と、生研機構が統合し、新たな独立行政法人が運営費交付金の中から競争的研究資金を配分することになった。
 競争的研究資金については、独法であるがゆえに、予算上の制約が課されられることのないよう、特段の配慮をお願いしたい。
 SABCについては、一部厳しい評価をいただいているが、御指摘の留意事項については、16年度予算の概算要求を見直し、効率的に国民生活の向上に役立つ研究開発を進めてまいりたい。
 なお、今、お配りした紫色のジュースは、農林水産省の九州沖縄農業研究センターが開発した、紫色のサツマイモのアヤムラサキである。
 これを飲み物にしたものであり、肝機能の改善や血圧低下の効果があるアントシアニンが多量に含まれている。
 また、九州地方を中心に健康飲料水や、ムラサキイモスナックとして加工販売されている。
 農林水産業の分野でも、ゲノム研究等、先端的な研究だけでなく、このように現場に密着した研究が行われており、これら研究を通じて、地域の農業や食品産業の振興に貢献していきたい。


【中川議員】
 メリハリのある予算で集中的、選択的にという中で、短期的な景気回復、雇用といった問題への対処と同時に、中長期的な課題への対応の2つが求められていると思う。
 特に我が省で今、一生懸命作業しているのは、知的財産権の保護という観点から、インセンティブを与えると同時にきちっと保護をし、メリットも御本人だけではなく大学や所有者がうまく活用できるようにするには、どういうふうにやっていったらいいのかという点であり、また御指導いただきたい。


【井村議員】
 優先順位付けに関連して、特に新規の大型のプロジェクトについては、まず各省で評価をしていただき、その上で我々が評価した。
 各省の評価は一般的に専門家が集まって評価をしている傾向があるが、我々は専門家以外の方、特にジャーナリストとか、企業の人にも入ってもらい、広い視点から評価した。
 したがって、例えばがんについても、各省の評価における専門家の意見は基礎研究と応用研究を均等にやるべきだというものだったが、我々の評価では、第3期に入るので応用研究、特に国民のがんを減らすための研究に力を入れるべきだとしている。
 したがって、若干意見の対立が出ていると思っている。
 それから、メリハリを付けることは極めて重要である。
 ただし、B、Cについて、これは内容が悪かった、点が悪かったと受け取られがちであるが、そうではなくてこれは優先順位付けであり、計画に更に検討をする必要があるものにB、Cを付けているので、検討が十分なされたときには、その点を御配慮いただきたい。
 安心・安全については、大変重要な課題であり、消防の予算についてもみさせてもらったが、総合科学技術会議が毎年、配分方針を示している科学技術振興調整費において、これから、安心・安全をテーマに公募をして、研究を進めてもらおうと考えている。


【薬師寺議員】
 総務大臣が言われた安心・安全の問題は、環境分野でも、総務省から水素ステーション、バイオマスの安全に関する研究が、またエネルギーの分野でも経産省から、水素エネルギーに関する安全研究がでてきており、御指摘の点は十分留意して高い優先順位とした。

【小泉議長(内閣総理大臣)】
 「第3次対がん10か年総合戦略に基づく研究開発」となっているが、第1次はどの点まで進んで、第2次はどの点まで進んで、今後、第3次はどの点まで進もうとしているのか。


【井村議員】
 第1次は、がんの研究の最初の段階であり、がんを起こすがん遺伝子とか、あるいはがんにならないようにする、がん抑制遺伝子が発見された時期であり、かなり基礎研究に重点をおいていたと思う。
 第2次は、診断・治療等にも力が注がれ、例えばスパイラルCTといってCTを回転し、それにより細かい肺がんを見つける技術が日本で開発された。
 そういう面もあるが、しかしまだ基礎研究も中心的であったと思う。
 第3次は、日本人のがんの発生率とがんによる死亡率を、大幅に下げるという目標がある。
 がんにならないようにするのがまず大事であり、予防の研究をする。
 もう一つは、診断・治療について、更に新しい方法を開発し、がんになってもがんで死なないようにすることが目標であると思う。


【小泉議長(内閣総理大臣)】
 世界の水準からいくと、どの程度なのか。


【井村議員】
 研究面ではアメリカは非常に進んでいると思う。ただ、臨床的にがんの診断・治療レベルは、日本も相当高いと考える。


【河村議員】
 小柴先生が問題にされた、ニュートリノの大強度陽子加速器の問題だが、Cの結果を踏まえ、科学技術・学術審議会の下で中間評価を実施している。
 その結果を、文科省としては御理解いただくように努力をしていきたいので、総合科学技術会議においても十分尊重していただきたい。


【井村議員】
 私どもも、再検討の経過を聞いており、最終結論が出たら判断をしたい。


【小泉議長(内閣総理大臣)】
 Cの判定をされて怒ったところは結構あるのか。


【井村議員】
 ある程度ある。
 どなたも余りうれしくはない。
 今回特に大強度加速器は大変大きな問題になり、今、文部科学省で再検討している。
 これは20年間総額約6000億の巨大プロジェクトであり、1期と2期に分けた計画であったが、1期が少し予算の都合で遅れ、性能も低下している。2期に入っていたニュートリノ発射装置を1期に前倒しとなったが、国際諮問委員会の考え方と違うところもあるので、全体計画をもう一度見直していただき、ニュートリノだけでなく、いろんな研究ができるようになっているので、バランスを考えていただきたい。


【茂木議員】
 低い評価には、いろんな意見が出るが、今回なぜこういう結果になったかという説明をできるだけ行い、また各省庁から事実関係について誤りがないか確認も行った。
 結果として去年以上に絞り込まれた検討ができたと思う。
 また、財務大臣からの、ビッグプロジェクトの後年度負担の問題、説明責任の問題については、大変重要だと思っており、今後も留意したい。
 それから、経済産業大臣から、短期と中長期の組み合せの話については、資料2−1で井村議員から説明した、2の(1)の「研究者の自由な発想に基づく研究の推進」が中長期で、2ページ目の「研究開発の推進による我が国経済の活性化」が事業に近い短期という組み合わせであり、これが重要と考えている。




(3)新たな段階へ進展するナノテクノロジー(最近の科学技術の動向)

 「新たな段階へ進展するナノテクノロジー」を資料3(PDF)に基づき、阿部議員から説明。
 また、ナノテクノロジーの先端的な研究開発の成果として、小型燃料電池を搭載したパソコン、超小型の電子顕微鏡、光触媒でコーティングしたガラスの実物を提示した。





(4)その他

 「平成15年度科学技術振興調整費の緊急研究開発等の指定」を資料4−1(PDF)、「平成16年度科学技術振興調整費」を資料4−2(PDF)に基づき、阿部議員から説明。
 「平成16年度の科学技術振興調整費」については、次回の総合科学技術会議において、配分の基本的考え方をとりまとめることとした。
 また、「ITER計画の状況」について、以下の発言があった。

【河村議員】
 ITER計画は、昨年5月の閣議了解もあったが、国家的に重要な研究開発であり、六ヶ所村をサイト候補地として提案している。国、地元青森、経済界、学会が一体となり推進している。特に、六ヶ所村サイト誘致については、総理を筆頭に関係大臣も御協力いただき、さまざまな機会で関係国に対して六ヶ所村の優位性を訴え、我が国への誘致に支援を要請してきた。
 明後日にも、EUで候補地が一本化の方向になってきており、年内にサイト、費用分担など、重要事項を決定の予定であり、協議も大詰の状況である。今後とも、ITER誘致に向けて万全の体制で交渉に当たり、その実現に最大限努力をしていき、総理を始め関係諸大臣にも一層の御協力を賜りたい。

【茂木議員】
 ITERの計画は、総合科学技術会議としても、国際協調の下に積極的に実施すべき最重点課題と位置づけている。
 年内のサイト決定に向けた交渉は、大きな山場を向かえつつあり、我が国への誘致に向け、関係大臣と連携・協力し、引き続き努力してまいりたい。



3.議長(内閣総理大臣)しめくくり発言

 SABCの順位付けは、予算にメリハリを付けることにおいても大変大事であり、よろしくお願いしたい。
 また、ナノテクノロジー、これは今、事業化、産業化、経済活性化の面でも、国民の利便性にも資するものであり、より一層積極的にお願いしたい。

内閣府  科学技術政策・イノベーション担当
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