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平成18年度 総合科学技術会議(本会議)
第57回総合科学技術会議議事要旨
(開催要領)
1.開催日時:2006年7月26日(水)17:03〜18:04
2.場所:総理官邸4階大会議室
3.出席議員
議長
小泉 純一郎
内閣総理大臣
議員
安倍 晋三
内閣官房長官
同
松田 岩夫
科学技術政策担当大臣
同
竹中 平蔵
総務大臣(代理 菅 義偉 総務副大臣)
同
谷垣 禎一
財務大臣
同
小坂 憲次
文部科学大臣
同
二階 俊博
経済産業大臣(代理 西野 あきら 経済産業副大臣)
同
阿部 博之
同
薬師寺 泰蔵
同
柘植 綾夫
同
本庶 佑
同
黒田 玲子
同
庄山 悦彦
同
原山 優子
同
黒川 清
(臨時)
同
杉浦 正健
法務大臣
同
猪口 邦子
少子化・男女共同参画担当大臣
(議事次第)
1.開会
2.議事
(1)
科学技術の振興のための制度改革について(中間報告)
(2)
公的研究費の不正使用等の防止に関する取組の状況について
(3)
優先順位付け等の改革について
(4)
国家基幹技術の評価について
(5)
最近の科学技術の動向
3.閉会
(配付資料)
資料1−1
科学技術の振興のための制度改革について(中間報告)(PDF)
資料1−2
科学技術の振興及び成果の社会への還元に向けた制度改革について(中間報告)(PDF)
資料2−1
公的研究費の不正使用等の防止に関する取組の状況について(PDF)
資料2−2
公的研究費の不正使用等の防止に関する取組の状況について(PDF)
資料2−3
公的研究費の不正使用等の防止に関する取組の状況について(PDF)
資料3−1
優先順位付け等の改革について(PDF)
資料3−2
優先順位付け等の改革について(PDF)
資料4−1
国家基幹技術の評価結果(案)の概要(PDF:448KB)
資料4−2
国家基幹技術の評価結果(案)(PDF)
資料5
最近の科学技術の動向 −循環型社会を実現するバイオディーゼル燃料技術−(PDF:390KB)
資料6
第56回総合科学技術会議議事録(案)(PDF)
* 議事概要中の資料はPDFファイルです。
(会議概要)
1.議事概要
(1)科学技術の振興のための制度改革について(中間報告)
基本政策推進専門調査会において検討を進めてきた6つの制度改革課題に係る中間報告について、
資料1―1(PDF)
に基づき、薬師寺議員から説明し、意見交換を行った。本議題における各議員の意見は以下のとおり。
【原山議員】
イノベーションが持続的に起こる環境は、というのが命題である。その中で、やはり既に環境が整っているアメリカにおいてもさらなるアクションをとっているし、ヨーロッパもしかり。
日本に目を向けると、まだやらなくてはいけないことは山積みである。その幾つかが今、説明したもの。その中には人材の流動性、女性研究者、外国人研究者の課題が取り込まれているが、私自身女性研究者であり、また長い間、外国におり、そこでは外国人研究者という立場であった。そのことに関し、少し今日はお話をさせていただきたい。
まず出産とか育児ということにたっぷり時間をかけたため、結局スタート地点が大分狂ってしまった。その後に大学に戻ってきたので、アカデミックなキャリアパスということを考えると、途中下車してローカル線に乗ってきたというのが私である。そうすると、やはり直行便の新幹線に乗った人ははるかかなたに行っている。そこで私はどうしたらよいのかいつも疑問を持っていた。
しかし、スイスの大学というある程度環境が整ったところにあったため、それほど劣等感を感じることなく今日までやってきたというのが現実である。
それを可能にしたのは何かということを自分で考えてみると、もちろん託児所や大学のプログラムがフレキシブルだったということも非常に恩恵を被ったが、それにも増して大きな支えになったのは、異なる背景を持つ人間に対する許容度であった。それは何かというと、異なることをやる人、異なる背景を持った人をアクセプトする社会というものがあったからである。スイスの社会というのは特異なものだというふうに言うかも知れないが、スイスも努力をしてそうなった。子どもは小学校のときから異文化教育というものを受けているし、異なる人をアクセプトするためにはどうしたらよいかという教育をしっかりやっている。それに対して教員教育も行っている。
そういう背景があったからこそであり、これからの日本の課題は、もちろん女性とか外国人も視野に置いた上での手当ても必要だが、社会全体として異なるものを受け入れる社会をつくっていくことではないかと思う。
【黒川議員】
いろいろな問題があり、確かに制度上の問題もあるが、今までの日本は外国人を入れていない。一つの価値観でいこう、雇用も年功序列で1つのところから動かないのがよいのだという制度だったのであり、当然社会制度がそのような制度になっており、日本の人はそれがよいと思っていたわけであり、今の世の中になかなか合わないことがたくさんある。
一方でアメリカは移民の国なので、メジャーリーグを見ていてもそうだが、やりたい人はいつでも来るようにとその「場所」を提供しているが、日本の社会保障制度はそういう意味では難しいと思う。
私もアメリカに15年いたのでわかるが、私は年金をアメリカで払った分についてもらっているが、日本ではほとんどもらっていない。日本ではそういう人にはものすごく大変な生活が待っているという気がする。もちろん退職金もほとんどもらっていない。東大も定年前に辞めたが、そうすると自己都合なのでわずかな退職金も3割ほど引かれる。つまり、動かない方が得だというふうにしているのが日本の今までの制度である。したがって、私のような者は大損をするということである。
治験、臨床研究もそうだが、確かに患者さんの声があるので、私は委員長をさせてもらったが、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツで新しく承認されたものはできるだけ早く取り入れるということでメーカーにもどんどんアプローチする制度を入れた。 その他、治験もそうだが、「できないできない」というのは制度上だけではなく、実際にやる大学の先生たちのマインドが縦割りであることもある。自分たちだけでやろうとするからうまくいかないわけで、今度オールジャパンでシナリオをつくるNIHでやっている制度のような「戦略的アウトカム研究」というのを我々はつくっており、これをやっていくとどこに問題があるかということがわかってくる。これには時間がかかるが、問題がどこかということを一番知っている人たちが直していくというのは非常に大切であり、わからない人が制度をいじってもなかなかうまくいかない。サクセスの例を出すことが大事だと思う。
そういう意味では、今、原山先生がおっしゃった多様な価値観が重要である。今度『ニューズウィーク』が特集するということで、世界の大学では学部をいかに開放するかということで取材を受けたが、今度は英語版が出るということです。世界では学部をできるだけ国際化するということが非常に大切である。将来の日本に貢献する人、日本を目指して大学に行こうという人を増やすことが非常に大切と思っており、前から述べているように「大学の大相撲化」という話を是非やってもらいたいのでよろしくお願いしたい。
【阿部議員】
恐縮だが、東北大学の材料科学の大学院について例を申し上げたい。
ここは日本の大学院にしては外国人の研究者がかなり多いところ。なぜそうなっているかというと引用論文数。要するに世界中の人が魅力的に思う論文の世界の大学のランキングのナンバーワンを数年間にわたり維持している大学であり、様々な国から相当優秀な人が来ている。
これは、実は教育に非常によい影響を及ぼしており、これも2、3申し上げるだけだが、例えば修士論文を含めて学位論文は全て英語でプレゼンテーションをする。日本人の学生も全てである。また、最近は日本語を話さない外国人の研究者のところに直接指導を受けたいと手を挙げる日本人の学生がぞろぞろ出てきている。私が申し上げたいのは、政府が規制改革を行うのは非常に重要だが、現場もそれを先取りし、あるいは連動して様々なことをやってもらうと効果が非常に高くなるのではないかということであり、そのような例示として申し上げたわけである。
【柘植議員】
最後のページの今後の取組について一言申し上げる。
今回の中間報告では、科学技術の振興に向けた制度改革に重点を置いているが、今後は成果の社会への還元に向けた制度改革にも注力すべきと考る。まさに科学的、技術的な価値を社会的、経済的な価値に具現化するというイノベーション創出能力の強化になるわけだが、ひいては経済成長戦略大綱の目標実現に結び付く出口改革とも言えると思う。
実は、私は総理が出席されたサンクトペテルブルグのサミットで報告された「イノベーションを生み出す社会のための教育」をテーマにしたG8の大学人、産業人のリーダーによる事前作業会に参画してきた。その折に感銘を受けたことは、参加した各国の大学人のリーダーの皆さんが産業人と同じ立場で「イノベーションを生み出す社会づくり」に向けた今回のテーマである「教育と研究とイノベーションの3要素の統合」、統合という言葉を使っているものの私は少し危険かと思う、結合ぐらいがよいのではないかと思うが、「教育と研究とイノベーションの3要素の統合」の重要性を訴えていた。
日本の教育界、アカデミアの場合は、この点まだまだ温度差があると私は思う。科学技術振興の成果の社会への還元の強化策を考える際には、G8各国の制度改革のベンチマーキングの重要性を改めて感じる。彼らの改革に遅れを取らぬよう、そして日本の強みを生かした教育と研究とイノベーションの、私は結合と言いたいが、その制度改革にも注力すべきと考える。
【本庶議員】
岸本議員が急にお辞めになり、その後任になりました本庶です。
前職は岸本議員の下で分野別のライフサイエンスを担当していた。また、JSPS、学術振興会では科学研究費のシステム改革を担当していた。そのような点から2つ発言させていただきたい。
3番目の治験の問題は非常に大きな問題である。実際に新薬が外国で承認されたのに日本で承認されないという問題も非常に大きいが、もっと大きな問題は我が国で世界で初めての薬というものがどんどん開発されるというシステムをつくっていくということである。ライフサイエンス分野ではそういう基礎研究から臨床へいく橋渡しのところを是非強化していきたいと考えており、今後もこの問題は積極的に文科省、厚労省の施策を活用しながら進めていくべきと考えている。
それから研究費の問題だが、繰越明許はやはり非常に重要な問題であり、お金をいかに有効に使っていくか。財務大臣にお願いしたいが、いわゆる単年度主義というものが研究には基本的には合わない。土木工事だとそこでやめるということになるが、研究をやっているとここで一旦中止して次の研究費がくるまで寝ているというわけにはいかない。この問題を解決していただくことが研究費の不明朗な使用の防止にも役立つわけであり、是非今後ともこの問題に積極的に取り組んでいきたい。
【黒田議員】
世界の研究者が、この研究をするには日本のあの研究室に行かなければいけないというような世界的な拠点がないといけない。そのためにいろいろな問題を解決していかなければならないと思う。科学の世界で日本の常識は世界の非常識だったり、世界の常識は日本の非常識だったりということでは困るので、今いろいろと解決しているところ。
1つは、フロンティアの研究というのは展開が予測できないものであり、すべて計画どおりに行くのなら最先端の研究ではない。つまり、単年度に筋書きどおりいかないのが研究であるという研究の性格をわかっていただきたい。
それから女性研究者についてであるが、実は昔からたくさん提言は出されている。平成12年度の学術会議あるいは国立大学協会、あるいは第2期の基本計画においても女性研究者の環境改善、在宅での研究活動支援、出産後の研究活動復帰を促進する方法など第3期と同じようなことが書かれている。あるいは、男女共同参画会議や科学技術・学術審議会の人材委員会などでもいろいろな提言が出ている。確かに全く動かなかったわけではなく、第2期の科学技術基本計画中には学術振興会が出産・育児に関してはいろいろ努力されている。託児所なども広がってきているというもののまだまだであるため、第3期科学技術基本計画に女性研究者の数値目標を書いたということもあり、これを契機に一層進めてもらいたいと思う。
もう一つだけ付け加えさせていただくと、制度改革だけでは解決しないのではないかと思う。統計を御紹介すると、6歳未満の子どもがおり、どちらも仕事を持っている御夫婦で、昭和61年に夫が8時間仕事をし、育児、家事に割く時間は3.6分と3分。それに対して妻は、仕事は5.2時間、家事が3.4時間、育児が1.2時間である。
平成13年にどれだけ変わったか愕然とする。平成13年には、夫は仕事に9.2時間、家事6分、育児10分。妻は仕事4.4時間、家事3.3時間、育児1.5時間と、男女共同参画白書に出ている。フルタイムの仕事を持った妻のいる家庭は少し数字は違うと思うが、夫の家事・育児に関わる時間が信じ難いくらい短く、かつ平成13年と昭和61年とほとんど変わっていない。
つまり、制度改革だけではなく、やはり皆の意識改革がなければ、託児所をつくるとか、科研費の運用を変えただけでは解決しないのではないか。これは考えてみると女性研究者だけに当てはまることではなくて、制度も改革するが、私たちの意識も改革しなければ科学技術の振興及び成果の社会への還元に向けてということはなかなかうまくいかないのではないかと思う。私たちも一生懸命努力したいと思っているので御支援をよろしくお願いしたい。
【庄山議員】
今日の中間報告の6つのテーマは産業界にとっても重要なことであり、内部での議論では研究者の移動の際の年金や退職金、あるいは女性研究者の活躍に向けた勤務制度等について意見を述べさせていただいている。
また、先ほども話があったが、治験を含む臨床研究にいては、新薬ばかりでなく医療機器の審査にも日本は大変時間がかかっているという例があり、医療機器産業の国際競争力の面からも是非迅速化をお願いしたい。
また、7月閣議で決定された国策の根本になる骨太方針や経済成長戦略大綱には、総合科学技術会議で議論したイノベーション創出総合戦略や、人材育成への取組が反映された。松田大臣のリーダーシップの下で推進してきた第3期の科学技術基本計画、あるいはイノベーション創出総合戦略が我が国の経済成長戦略ともぴったりと整合したものであり、本日の議題である優先順位付け改革をもとに、国の経済成長を担うイノベーションの実効に向けてPDCAを回していきたいと思う。
また、それだけに将来の我が国を支える長期的な基礎研究のテーマについても是非強化すべく、役割を忘れないようにしたい。
5月の会議で小坂文部科学大臣から科学技術白書の最新版が配布された。その中に、子どもたちの学力と大人の科学技術に対する理解度を示したグラフがある。これは国ごとにプロットされており、日本の子どもの学力は何とかトップ集団にあるが、大人の科学技術に対する理解度は調査した25か国の中で下から3番目の22位である。この理解度というのは、新しい科学的発見に関する報道に対しての感動の度合いというか、どの程度関心があるのかということを示しているものである。
このようなことから感じるのは、やはり産業界においてもいろいろな新しい開発をやっているわけであり、私たちの健康や教育、安全に貢献する様々な製品を出しているが、これらが科学技術とどのように関わっているのかということを平易に説明する努力を今後もしていきたいと思う。
【薬師寺議員】
小泉総理の下での改革路線の中で、ようやく我々も制度改革という新しい世界に入った。そういう点では、最終報告までの第一歩の中間報告であるが、非常に重要な我々共通の意思決定だと思う。
6月の終わりから毎日のようにインテンシブにヒアリングを実施したが、つくづく思うに科学技術の問題というのはあらゆる省庁に関係をしているということだ。予算だけではない。人だけではない。やはり制度も合わせて改革をしていかなければならないと思う。
【小坂議員】
中間報告を薬師寺先生から御説明いただいたが、大変適切な御指摘であり、また文部科学省の分野に関するものも数多く御指摘いただいている。それらについて、省庁の壁を超える社会全体のシステム改革にも関連するものもあるので、今後の総合科学技術会議のリーダーシップを期待しながら、私どもも共に努力をしたいと思う。
大学のシステムや研究機関のシステム改革だけではなく、社会全体と関連する、特に外国の研究者の受け入れ体制については保険制度、年金制度、入国管理までも幅広く関わるという御指摘である。私どもも痛感しており、法務省、外務省、そして先ほど御指摘をいただいた治験関係については厚生労働省と密接に連絡を取りながら対応してまいりたい。
また、先程、庄山議員から御指摘をいただいた部分については、大人になる前の段階から科学技術に対して興味を示すということであり、新聞の記事等を見てもそこに目がいくということかと思う。現在、総理の御指摘をいただき、国際科学オリンピックの参加者を幅広く各学校に通知をして募っており、また今回参加していただいた方にもメダル獲得者が増えた。そのような人たちをエンカレッジしながら、皆さんが帰ったら今度は周りの学生さんに来年は是非ともチャレンジしろという刺激を与えて欲しいということを促しており、良い影響も出てきている。このような地道な努力も合わせながら、科学技術に対する理解と興味の促進を図ってまいりたい。
また、いろいろ御指摘をいただいた拠点づくりの問題、それからイノベーションを生み出す教育、研究の結合の問題、そして学部の国際化、大相撲化と御指摘いただきましたが、まさに黒川議員の御指摘どおりであり、そのような形で努力をしていきたいと思う。
まずもって御指摘はごもっともだと感じるところがあった。
【杉浦臨時議員】
この中間報告の中には法務省関係として入管に関する事項等があるが、環境整備のため、関係省庁とも連携して様々な問題の解決を図り、我が国が必要とする外国人研究者の円滑な受け入れのために前向きに努力してまいりたいと考えている。
【猪口臨時議員】
今回の中間取りまとめにおいては、女性研究者支援について27ページから31ページと非常に大部にわたり書き込んでいただき大変感謝申し上げる。優先順位を明確に示していただいたと感じている。
この内容については全面的にありがたい内容ばかりであるが、1つお願いは事業所内託児施設についてもう少し明確に打ち出していただけるとありがたい。
30ページのところに託児施設の運営時間の延長ということが書いてあるが、大学や研究機関はまず保育施設を持った方が良い。意識改革の話で、例えば研究者が自分の子どもをバギーに乗せて研究所まで来たり、大学にまで来たりする。そのような姿を見ることが多くの人の意識改革につながるかと思う。生活の空間が一部そのようなところに入ってくるのである。
また、少子化の観点からは家族と過ごす時間を重視するという考えを打ち出しており、事業所内託児であれば、例えば昼食を子供と一緒に食べたり、お茶の時間を一緒に過ごすことができたり、1分でも多く子どもと過ごすことができる可能性があるのでお願いしたい。 私は先週、1泊で韓国を視察してきたが、中央省庁の中やその近辺に大きな規模で理想的な形で朝の7時半から夜の10時半まで運営している保育施設があった。そこで感じたのは、運営については女子大の専門家の学部に委託しており、そこで女性の研究者が他の女性の研究者を助けるという非常に好循環があるということがわかった。また、保育される子どもたちも教育学部や児童心理学などの専門家の知見を生かす形で、中央省庁に働く女性たちのための保育を受けている。
様々な取組事例があると思うが、事業所内保育を民間においても進めてもらうためにも、特に国公立の大学や研究所において率先垂範していただくような流れをつくっていただきたいと思う。
また、大学や独立行政法人においては次世代育成支援対策推進法というものがあり、どのような育児支援を事業主として実施するのか、行動計画をつくる方向であるが、このようなものを自主的に積極的に行い、また公表していただければ、意識改革と併せて実際の育児支援になると考えているのでよろしくお願いしたい。
【谷垣議員】
本庶先生からも繰越明許費について御指摘があったが、科研費については平成15年から使えることになっていたが、もともとが公共事業などを念頭に置いたものであり、繰越明許できる場合がやむを得ざる自然災害などであったため、今年から大分使い勝手を改め、申請していただくのも簡単になったはずだという報告を受けており、もしまたこういうところが使い勝手が悪いというようなことがあったらどんどん御指摘いただきたい。
今日の議題にもあるが、総合科学技術会議の元議員の不正流用問題というのは由々しき問題だが、仮に使い切れなかったというようなことが背景にあったとするのならば、やはり予算を早く配分する、それから、繰越明許をやりやすくするというようなことが不正防止につながってくるのかと思う。それと重複排除等、いろいろと指摘されていることはあるが、その辺りは我々も制度の改善に努めたいと思うのでよろしくお願いしたい。
【菅総務副大臣】
たまたま6月末に私はフィンランドに行ってきた。人口500万人くらいの国で、ノキアという携帯電話は世界の最大規模のシェアを持っているので、なぜそうなったかということに非常に興味があって聞いてきたが、国の財政が非常に悪いときでも基礎研究に国がずっと継続的に援助してくれたということが一番大きいという話をしていた。
また、全職員の3分の1が研究員だということである。これは、いつも各委員に御指摘いただいていることを再認識してきたわけであり、研究開発の大切さというものを実感した。
それと、今、1番から6番まで制度改革についての御報告をいただいたが、これはそれぞれの省庁に関係することであるので、やはり皆さんがリーダーシップを取らないとなかなか解決しない問題があると思う。私ども総務省関係者は全面的に協力させていただきたいと思うので、是非よろしくお願いしたい。
【西野経済産業副大臣】
今日、庄山議員、そして薬師寺議員からも御発言があったが、治験に関わる問題で、世界トップレベルの医薬品が我が国では3割が未承認であるというお話があった。
我が国初の最先端の医薬品と経産省が扱う医療機器についても、国内で利用できるのが外国と比べ3年以上遅れている場合もあり、由々しきことだと思う。今日は厚労省がおらず欠席裁判のようで申し訳ないが、これらについて、医薬品医療機器総合機構という審査する機構を私は少し改善する必要があると思う。
(2)公的研究費の不正使用等の防止に関する取組の状況について
資料2−1(PDF)
に基づき、小坂議員より文部科学省としての公的研究費の不正使用等の防止に関する取組の状況について説明し、
資料2−2(PDF)
に基づき、阿部議員より公的研究費の不正使用等の防止に係る総合科学技術会議としての対応について説明。
(3)優先順位付け等の改革について
資料3−1(PDF)
に基づき、本庶議員より優先順位付けの改革の具体的な在り方について説明。
(4)国家基幹技術の評価について
資料4−1(PDF)
に基づき、柘植議員より、「高速増殖炉サイクル技術」、「宇宙輸送システム」及び「海洋地球観測探査システム」に係る評価結果(案)について説明し、
資料4−2(PDF)
の「国家基幹技術の評価結果(案)」について原案どおり決定し、総合科学技術会議から内閣総理大臣及び関係大臣に対し意見具申することとした。
(5)最近の科学技術の動向
資料5(PDF)
に基づき、薬師寺議員より、循環型社会を実現するバイオディーゼル燃料技術について説明。
2.議長(内閣総理大臣)しめくくり発言
科学技術振興の重要性は私が言うまでもなく皆さんわかっているし、誰だって科学技術を振興していかなければならないと思っている。そういう大方の理解を得ながら、限られた予算の中でどのように世界最先端の科学技術立国にするかということだ。
今日お話の出た問題をいろいろ整理していただき、今までも小泉内閣で取り組んできたが、これからも科学技術は最優先事項として日本として取り上げていかなければならない。
先程、聞いたバイオ燃料は日本では少ない。力を入れているつもりだったが、これほど少ないとは思わなかった。EU全体の200分の1以下であり、アメリカと比べても20分の1。
ますますバイオマスは石油高騰の時代なので重要で、余地があるということだ。環境にも良いし脱石油戦略を目指していかなければならない。
これにはいろいろなものがある。菜の花、ヒマワリ、パーム油、大豆油、トウモロコシ、サトウキビ、天ぷら油まであるので積極的に進めなければならない。よろしくお願いしたい。
内閣府 科学技術政策・イノベーション担当
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