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第59回総合科学技術会議議事要旨



(開催要領)

1.開催日時:2006年9月22日(金)10:21〜10:40

2.場所:総理官邸4階大会議室

3.出席議員

 議長 小泉 純一郎 内閣総理大臣
 議員 安倍 晋三 内閣官房長官
 同
松田 岩夫 科学技術政策担当大臣
 同
竹中 平蔵 総務大臣
 同
谷垣 禎一 財務大臣
 同
小坂 憲次 文部科学大臣
 同
二階 俊博 経済産業大臣
 同
阿部 博之  
 同
薬師寺 泰蔵  
 同
柘植 綾夫  
 同
本庶 佑  
 同
黒田 玲子  
 同
庄山 悦彦  
 同
原山 優子  


(議事次第)

1.開会

2.議事
(1)小泉内閣の科学技術創造立国への歩み
(2)その他

3.閉会

(配付資料)
資料1   小泉内閣の科学技術創造立国への歩み(PDF)
資料2−1   平成19年度科学技術関係予算概算要求の概要(PDF)
資料2−2   平成19年度の科学技術振興調整費の概算要求方針について(PDF)
資料3   第57回総合科学技術会議議事録(案)(PDF)


* 議事概要中の資料はPDFファイルです。

(会議概要)

1.議事概要

(1)小泉内閣の科学技術創造立国への歩み

 平成13年4月26日に発足した小泉内閣のこの5年間の科学技術創造立国に向けた歩みについて、資料1に基づき阿部議員から説明し、意見交換を行った。本議題における各議員の発言・意見は以下のとおり。


【阿部議員】
 記憶に新しいところでは、第3期科学技術基本計画という大方針を決めていただいた。
また、厳しい財政事情であっても、科学技術は「明日への投資」として重点投資をすると総理が明言されたこともあり、25兆円が明記された。財政難の中で、我が国の未来への道を政府自らが明らかにしたことは大変意義がある。
しかしながら、こういった財政事情の中、当然ではあるが、選択と集中によってメリハリづけをして予算編成をしていくということとし、それが定着してきた。
改革の成果については、基礎研究はかなり推進したと見ている。ノーベル賞の例が資料に書かれているが、毎年10月の初めからノーベル賞の発表があり、吉報を待っている。イノベーションの創出については、初めは発明とか発見から出発し、いろいろな苦難な道を経て、数千億円から数兆円という市場規模のものが幾つか出てきたところ。概ね25年、30年程度かかっている。優れた基礎研究が前提であるが、この間、政府が適切な時期に支援をしたこと、ある時期から強力な産学連携が進められたことが、この成果に結び付いている。
このような例を第3期、第4期で倍増、倍々増していくことができれば、後追い改良型を基調とする日本の産業構造に大きいインパクトを与える。そのようなことからイノベーション創出総合戦略を決定していただいた。多面的な戦略が必要。
その他、国際協力や地域科学技術でも新しい展開があったが、何よりも国立大学の法人化に代表される構造改革が進んだ。構造改革は引き続き進めていかなければいけない大きい課題である。 知的財産戦略は小泉総理の大号令の下、全く新しい時代に入ったといっても過言ではない。今、進みつつある。
人材育成はすべての基盤であるが、さまざまな課題があり、それが明らかになってきたと言える。 「主な成果例」として書かれているのは、集中投資をした政府研究開発投資の成果例であり、極一部ではある。例えば重粒子線を使い、従来、手術が極めて困難な部位にできたがんを治療することができたなどがその一例。
「環境と経済を両立」、「国際競争力強化と経済の持続的発展を実現」、「高齢化社会における健康、安全・安心な国家を実現」と資料にあるが、いずれも科学技術の発展が不可欠であり、同時に科学技術政策の方向をこのように明確にして、それによって実現をしていくというプロセスが構築できたのも、小泉内閣の大きい成果の一つ。
今後は小泉内閣時代の成果を更に発展させ、改革を更に進め、また、科学技術を国民に更にわかりやすいものにしていくとともに、国民とともに考える、これが私どもの今後の役割と考えている。 5年5か月の間、日本はこのように非常に大きく変わった。このリーダーシップを取っていただいた小泉総理に敬意を表して報告を終わらせていただきたい。


【薬師寺議員】
 科学技術は科学者だけの効率化のためのものではない。社会、国、諸外国へ貢献するのが科学技術。そのような流れで、小泉政権の下で安全に資する科学技術を立ち上げることができた。これは社会に対する貢献ということで大きなもの。
地方の大学と地方公共団体が連携した、地方の知の拠点を立ち上げることができた。やはり強い地域をつくるために、今後、大学の再編も必要。
モノから人への重点移動もできた。今後大量に退職するエンジニアが諸外国に貢献するとか、高専とか職業高校の中間のエンジニアの育成もこれから重要になると考える。本当に感謝している。


【柘植議員】
 感謝と、これからの課題と決意を申し上げたい。小泉総理を始めとした閣僚が科学技術立国の国づくりについて、毎月時間を割いていただいたことに大変感謝している。
我々が意識している以上に、国民や世界に対し、総理自らが議長をしている総合科学技術会議の存在と波及効果は、はかり知れないほど大きい。
一方、これからの課題は、第3期基本計画を真に国づくりに具現化していくことであり、まさに科学技術イノベーションの実現。この点はまだまだ国民の視点から見えにくい状況の下、説明と実行責任を果たしていかなければならない。
経済成長戦略大綱と連動した5年、10年スパンの科学技術イノベーションの実現と、10年〜20年の視点でのイノベーションの源づくりの両面から、私も微力ながら力を尽くしたい。


【本庶議員】
 先日メルマガを拝見し、総理は自信と誇りに満ちた日本社会をつくりたいという使命感でスタートされたということを拝見した。その小泉改革の中心の一つに科学技術を位置づけていただき本当に感謝している。
御承知のように我が国は、戦前は軍事力、戦後が経済力と次々に国際的に第一級のものになったが、現在、次の目標を明確にしていく必要がある。それが国民に自信と誇りを与える。
私はここに文化力、総理もそういう言葉を使うが、是非これを位置づけていただきたい。学術と芸術からなる文化力、特に学術は経済力、政治力の根源のみならず、国民に自信と誇りを持たせ得る非常に重要なものであり、私どももこの目標の実現に微力を尽くしたい。


【黒田議員】
 まず5年5か月、小泉内閣で科学技術の振興に大変御尽力いただいたことに感謝。
いろいろな改革が進んできたが、まだ端緒についたばかりだと思う。初等・中等教育、大学・大学院教育なども世界のトップレベルから見ると、やはり後れをとっているような気がする。
海外に行っても、どうしても日本に行かないと研究ができないというような拠点にはなかなかなっていないのではないかということを痛感している。
5年間で随分改革が進んだが、その5年間に世界の科学技術あるいは研究、教育に関する事情も大きく変わってきた。それは研究そのものもそうだがアジアが台頭してきている。
これからは日本国内だけに目をやるのではなく、世界の動向や10年、20年先を視野に入れて、小泉内閣で始まった新しい潮流を確実なものにしていただきたいし、私も微力ながら努力させていただきたい。


【庄山議員】
 今朝ほど、松田大臣、小坂大臣も出られ、日本科学オリンピック設立準備会合があった。これは総合科学技術会議で総理がきちんとやれと種をまいていただいたお陰。これからも実をならすという格好で、産業界としても取り組んでいきたい。
 2点目は、先ほどの資料1にもあったが、いわゆる垂直磁気記録の例を見ると、これは27年間の苦労の結果ものになったというもの。産学から始まったが、途中でやめそうになったとき、新しいイノベーションが生まれるということから、国のファンドがそこから先へ息づかせ、何とか「死の谷」を乗り越え、ようやくものになった。
 恐らく近々にはほとんどのハードディスクが垂直磁気記録の形になると思っている。そうなると今の何倍、うまくいけば10倍程度、1つのディスクで何百も映画が入るというものができるようになる。科学技術にはある程度時間がかかるものもあるということを十分に御理解いただき、取り組んでいただきたい。
 3点目はイノベーター日本ということで、是非ITやものづくりなどの科学技術を大事にしていくという意味において、次期政府にも小泉内閣で行ったことを引き続きお願いしたい。


【原山議員】
 この5年間、科学技術政策が日本の大きな顔になったことが大きな成果だと思う。また、科学技術だけではなく、今後は経済効果という経済と科学技術との橋渡しが大きな柱になる。
その中でもその原動力となるところは、やはり大学だと思う。その大学の法人化が今までの足かせを取り除いたという点で大きな改革。
これを今度はいかに活用していくか、大学自体がいかにマネージしていくかが大きな問題となるが、それとともに拠点形成の中でも、もう一つ考えて欲しいのはその前の段階、高校から大学への橋渡しも含めて高校というものをもう少しパワーアップしなくてはいけないと認識している。その点も踏まえた上で、今後、科学技術政策の中で貢献できればと思う。


【小坂議員】
 庄山議員からお話のあったとおり、今朝、子どもたちの科学オリンピックへの参加を強化し、またトータルに体制を整えるということで、日本科学オリンピック委員会を発足させるための設立準備会合を開催した。これらを始めとし、国民の中に幅広く科学、理数を愛するとか、育てる心を育んでいくことが一番肝要である。
また、御議論の中で、高校生だけではなく、大学、大学院のレベルが果たしてこれでいいのかという大きな指摘もあった。教育面で科学技術に相当ウエートを置いていかなければならないことを痛感している。



(2)その他

 松田議員より資料2−1に基づき平成19年度科学技術関係予算の概算要求の状況について、資料2−2に基づき平成19年度の科学技術振興調整費の概算要求方針について報告するとともに、日本科学オリンピック委員会の設立準備会合を開催したことについて報告。 




2.議長(内閣総理大臣)しめくくり発言



【小泉議長(内閣総理大臣)】
 この5年間、ありがとうございました。私も就任以来、環境保護と経済発展の両立を図る、そのかぎを握るのは科学技術だと思ってきました。お蔭様で皆様方の御指導の下に、科学技術の重要性を多くの国民も識者も認識してきているので、世界最先端の科学技術立国を築くためにも、皆さんの御協力をいただきたいと思います。
 単に環境と経済発展の両立だけではなくて、この科学技術は健康増進のためにも安全確保の面にも未来のためにも、極めて重要であると思いますので、この5年間の御努力に謝意を表わすとともに、今後も先生方の御指導をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。


内閣府  科学技術政策・イノベーション担当
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