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第62回総合科学技術会議議事要旨


(開催要領)

1.開催日時:2006年12月25日(月)17:00〜17:45

2.場所:総理官邸4階大会議室

3.出席議員

 議長 安倍 晋三 内閣総理大臣
 議員 塩崎 恭久 内閣官房長官
 同 高市 早苗 科学技術政策担当大臣
 同 菅  義偉 総務大臣(代理 田村 憲久 総務副大臣)
 同 尾身 幸次 財務大臣
 同 伊吹 文明 文部科学大臣
 同 甘利  明 経済産業大臣
 同 阿部 博之  
 同 薬師寺 泰蔵  
 同 柘植 綾夫  
 同 本庶 佑  
 同 黒田 玲子  
 同 庄山 悦彦  
 同 原山 優子  
 同 金澤 一郎  
  (臨時)    
議員
長勢 甚遠 法務大臣(代理 水野 法務副大臣)
 同
柳澤 伯夫 厚生労働大臣
 同
松岡 利勝 農林水産大臣(代理 山本 農林水産副大臣)


(議事次第)

1.開会

2.議事

(1) 科学技術の振興及び成果の社会への還元に向けた制度改革について
(2) 平成19年度科学技術関係予算案について
(3) 最近の科学技術の動向
(4) その他

3.閉会

(配付資料)
資料1−1   科学技術の振興及び成果の社会への還元に向けた制度改革について(概要案)(PDF)
資料1−2   科学技術の振興及び成果の社会への還元に向けた制度改革について(案)(PDF)
資料1−2(別表)   科学技術の振興及び成果の社会への還元に向けた制度改革について(案)(工程表)(PDF)
資料2−1   平成19年度科学技術関係予算案について(PDF)
資料2−2   優先順位付けを実施した科学技術関係施策の平成19年度予算案について(PDF)
資料2−3   平成19年度予算案における科学技術関係予算への優先順位付けの反映について (PDF)
資料3   最近の科学技術の動向 −太陽光発電技術が拓く未来− (PDF)
資料4−1   平成19年度の科学技術振興調整費の配分の基本的考え方(PDF)
資料4−2   世界トップレベルの研究拠点づくりについて(PDF)
資料5   第61総合科学技術会議議事録(案)(PDF)


* 議事概要中の資料はPDFファイルです。

(会議概要)

1.議事概要

(1)科学技術の振興及び成果の社会への還元に向けた制度改革について

 7月の総合科学技術会議に中間報告した科学技術の振興のための制度改革について、基本政策推進専門調査会でとりまとめた意見具申案を、資料1−1に基づき、薬師寺議員から説明した。 その後、意見交換が行われ、資料1−2の「科学技術の振興及び成果の社会への還元に向けた制度改革について(案)」については、原案どおり決定し、総合科学技術会議から内閣総理大臣及び関係大臣に対し意見具申することとした。
 本議題に関しての議員の意見は以下のとおり。


【阿部議員】
 治験について言えば、確かに大きいインパクトであるが、非常に複雑な問題で、政治的な課題もたくさんある。国を挙げて多面的に進めていく必要があるし、総合科学技術会議でも更に進めていく必要がある。
 新しい課題として、国立大学が法人化されて2年9か月、独立行政法人も早いもので数年経ったわけだが、これだけ大きい改革をして、かつ活性化をしていくと、新しい課題がどんどん出てきている。そろそろこれについてメスを入れていく絶好の機会ではないかと思うし、それによって国際競争力の加速が期待される。
 そのように本日の制度改革は言わば、スタートの第一弾であるので、第二弾、第三弾の制度改革を薬師寺議員が言われたように、これから進めていくことが喫緊である。


【柘植議員】
 我が国の科学技術イノベーション能力の強化の要は、大学、研究独法を中核とする基礎研究と産業側の応用研究、市場化開発を双方向に結合することである。いわゆる知の創造と社会経済価値の創造の結合のパイプラインのネットワークを強くするということが必要。
 現状、それぞれの段階で研究成果は論文となり、それなりにきちんと評価をしているわけだが、研究の上流は基礎。基礎と下流側の応用・実用化研究、最終的にはイノベーションが、幾つかの段階を双方向に結び、受け渡しができているか。ファンディング機関同士の相互連携がまだ弱いというのが現状。
 この知の創造活動と社会経済価値の創造活動の受け渡し機能を強化すれば、科学技術投資がイノベーション創出にもっと結び付いて、ひいては国の歳入増加にも貢献する。この点からのさらなる制度改革の注力が必要である。


【本庶議員】
 治験制度の問題とは、非常に長いこと各方面から議論されてきており、今回、専門調査会で、工程表をまとめた。これは非常に重要なことであり、11ページには、今後3年間で審査機構の人員を倍増するということをはっきり書き込んでもらった。是非これは実現をしてもらいたい。これが大きなネックになっていることは、もう各方面からから指摘されて久しい。
 もう一つは、研究費についてだが、総合科学技術会議としては、この提言にとどまらず、今、研究費WGを立ち上げており、この不正のもとを断つということは非常に重要ではないか。つまり繰越明許等々、複数年度にわたって使用できるようにするという体制がまだ不十分である。我々としては、できれば複数年度の経理ということまで踏み込んだ提言をまとめる方向で、研究費の公正、効率的な使用に関して、もう一度抜本的な提言を追って加えていきたい。
 

【黒田議員】
 2点話をしたい。まず女性研究者だが、スーパーサイエンスハイスクール指定女子校の視察と東北大学のシンポジウムで基調講演をした経験から、親の影響が大きいということ。それから、女子中高校生の科学は面白いかもという気持ちを夢に育て上げるということが大切。  また、研究者は研究現場を完全に離れることなく、育児期間中も何らかの形で研究を続けていきたいと思っている。これだけITが進んでいるので、それを利用して部分的に在宅での研究活動を続けるということが可能であるので、研究職の特殊性も配慮していただきたい。
 女性の就業率が8割というフランスの出生率が95年の1.65から2005年に1.94になったのはなぜなのか。その背景もよく考えていただきたい。
 2番目は、国民の科学技術に関する理解度が低いことへの制度改革だが、ともすると学校外の理解増進活動の推進ということに言及されるが、体験学習など学校ではできないことをできることは大変重要だが、毎日接している学校の先生、週に何時間か学ぶ学校の授業が基本。学校で生物を習わないで組換えDNA作物やヒトES細胞の樹立の議論に国民が自ら考え、判断し政策策定に参画することはできない。今回の意見具申でも理数教育の充実も今後の課題としている。
 また、理解増進活動というのは、科学のわからない国民への啓発活動とか国民に対し科学の面白さを伝えるだけでなく、科学の本質、研究の社会の中の位置づけを科学者技術者にもわかってもらうという双方向性のコミュニケーション、インタープリテーションが必要。まだまだ残った課題はたくさんあるので、是非しっかりと進めてもらいたい。ありがとうございました。


【庄山議員】
 国が現在、科学技術であるとか、あるいはイノベーション政策というものを標榜してもらっているということは、産業界にとっても非常に大きな力を与えてもらっており、感謝している。
 問題は諸外国も最近は特に大きく力を入れているので、国際競争力の点から、是非この制度改革を着実に実行して、諸外国からも認められる国になるべき。
 特に基礎研究領域においては、大学研究所の充実が図られつつあるが、外国人研究者が日本に来て、喜んで仕事をしてもらえるように本当になっているのかとなると、はなはだ疑問。これには設備だとか環境とか規制の見直しが特に大切。
 また、インターンシップの充実だが、かねてから各企業からも要請が出ているが、大学生が社会の現場を体験するということは、より幅の広い柔軟な人材が育つことを期待しており、更に強力に進めるべき。
 女性研究者については、民間の研究者に占める女性の割合は約6.5 %であり、国の平均が11.9%であることから、民間における女性の活用は、更に今後大きなテーマである。産学官連携等を通じて、民間も努力していきたい。
 国民の科学技術に対する理解増進については、子どもから大人までの科学に対する理解増進という意味においても、是非大きな国民運動として進めるべき。今後、例の科学オリンピックの充実、理科支援員配置などの新たな取組を含めて、しっかりと進めていくべき。
 また、生活者に安心・安全、利便性や快適を与えるICT分野の人材、あるいはコンテンツといった、人材の育成や研究開発について、更に国として強化していく必要があるのではないか。民間による経済成長への好循環を生み出すことによって、マーケットサイドに近いところからも国民の科学技術に対する理解増進を促進していきたい。


【原山議員】
 政府による制度改革というのは、行政改革とか年金改革、または医療改革のさまざまな分野で着手されている。しかし、今回の提言は、他のものと一線を画するものである。これは科学技術のための科学技術といった分野に閉じたものではない。
 この作業を通じて、科学技術の切り口から社会システムをイノベーティブなものに変革させるために何をすべきかという課題に取り組んだ。
 この作業の中で感じたことは、さまざまな制度が複雑に入り組んでいること。また、科学技術に特有ではない課題も多々出てきた。そういうことから、部分的に改革しようとしても、不十分である。
 どこまで踏み込んでいくかということだが、最終的には政治判断となることであり、これが今後の課題。
 また、法律改正を伴うかなり大がかりな制度改革の提案もいるが、既存のルールの枠内でもって改良できるという点も多々ある。また、何年も前から言われていることも多々ある。
 しかしながら、前例のないことに取組むことはなかなか大変なことであり、関連する組織内とか組織間でもって、既存の秩序というものを壊すことになる。それを実行する方は、多大な時間とエネルギー、または反発をくらうわけであり、どこかオーソリティーを持つところが制度改革が必要だということを声高々に言う必要がある。また、サポートすることをメッセージとして流すことが大事。
 最後に、現場において、意識改革を徹底させることが重要であり、ルールを変えるだけでなく、現場の方々がいかに認識するかといったことまでも手を入れていかなくてはいけない。


【金澤議員】
 皆さんがいわれたとおりなので、余り追加はないが、これは本当に第一弾であり、恐らく100 %皆さんが満足しているわけではないだろうから、規制という点をもう少し深く突っ込んだものを、近い将来、また手がけていきたい


【尾身議員】
 繰越明許のことだが、競争的資金は制度上、繰越明許費ということで措置されているが、特に代表的なこの科学研究費補助金については、18年度から繰越の事例をわかりやすく明示して、使い勝手の向上を図っている。研究費としての質を高めるべく、その運用の改善に財務省としても、積極的に取り組んでいるので、関係方面においても、使い勝手の向上について、いろいろと工夫をもらい、適切に対応をしてもらいたい。
 競争的資金の所管省庁においても、このことを大学とか研究機関に周知徹底をしてもらい、この繰越明許の適正な活用が図られるよう、是非取り組んでほしい。研究費の不正使用の防止においても、同時に徹底した取組をお願いする。


【甘利議員】
 治験や薬事審査の迅速化のための制度改革について、取組の方向を取りまとめていただいたが、今後はこれを一刻も早く具体的に実行に移すことが重要。
 先般、柳澤厚生労働大臣を訪ね、本改革を進めるための官民対話の実施等に向けた意見交換を行った。今後とも厚生労働省と連携して取り組んでいく。
 薬事審査に関わる審査員の増員にも関連するが、独法には一律に資金・人員面での制約が課せられている。研究開発独法に対して国からの予算が増やせないという問題や、独法が特許料収入等を得ても独自に使えない、あるいは中期目標期間終了後にすべて国に納めなければならないといったことがあると、事業収入獲得のためのインセンティブが損なわれるという問題もある。 このように研究開発独法に係る問題については、10月の本会議に報告のあった調査でも指摘されていたことであり、ここで指摘されてきたことをぜひ取り上げてもらいたい。
 そして、我が国の研究開発の成果を広く世界に出していくためには、国際標準化が極めて重要であり、先般も産業界の経営トップの方々と官民戦略会議を開催し、数値目標を含む国際標準化戦略目標を設定した。標準化は短期的な利益につながらないため、民間ベースだけではなかなか進みにくく、本会議においても、例えば研究開発段階から国際標準化への取組を促すためにSABC評価の際にその観点を組み込むなど、この分野を積極的にリードしていただきたい。


【柳澤臨時議員】
 今般、大変行き届いた制度改革の提言をいただいた。研究基盤の充実、医療分野の研究成果の還元、それぞれの分野において非常に重要なものだと受け止めている。
 研究費の早期執行については、今後とも改善をしていかなければいけない。
 非常に重点的な話であるとされている臨床研究及び治験の推進だが、研究予算の増額だけでなく、新たに治療のみならず、治験・臨床研究の中核病院等の体制整備を行っていくという段取りである。
 医薬品の承認審査の迅速化、効率化については、審査体制の充実のため、3年間で審査人員を倍増するということで、早急に対応していく。
 その他、今般の報告書では幅広くいろいろな領域で意見をもらったが、総理の所信表明で医薬が一番重要な、一丁目一番地のイノベーションの分野と言われたこともあり、特に真剣に取り組んでいきたい。
 ただ、例えば、医薬品医療機器総合機構の就業規則等において、製薬企業の出身者は、その出身企業の医薬品の審査には採用後5年間は従事させない等の制限を設けているが、これについて、いきなり規制緩和ということにはなかなかならないという感じを持っている。もちろん努力をしていくが、国会の決議があり、薬害被害者団体の関心も非常に強いため、そういったことを総合的に勘案して、できるだけこの方向での結論を出していきたい。


【水野法務副大臣】
 我が国の科学技術のさらなる発展のためには、優れた外国人研究者が長期にわたり我が国に滞在して、研究成果を生み出せるような環境の整備が不可欠であり、関係省庁とも連携をしながら、我が国が必要とする外国人の円滑な受け入れを図っていきたい。


【山本農林水産副大臣】
 農林水産省としては、農林水産分野の研究開発を加速するため、本年3月に農林水産研究における人材育成プログラムを策定し、外国人や女性をはじめ、優秀な人材の育成、確保に努めているところである。
 このため、外国人研究の在留資格に関わる手続の簡素化や、育児休業取得条件等の緩和など、提言のあった66項目のうち、外国人研究者関係11項目、及び女性研究者関係3項目については、1日も早い制度改革を期待する。

(2)平成19年度科学技術関係予算案について

 12月24日の閣議で決定された平成19年度政府予算案における科学技術関係予算の速報値の概要を、「資料2−1」に基づき、高市議員から報告。 本議題に関しての議員の意見は以下のとおり。


【尾身議員】
 科学技術振興費は、将来の日本の成長力強化のため、極めて大事であることから、全体の財政、一般会計支出マイナスの中で伸ばした、数少ないものの一つである。
 優先順位付けについて、総合科学技術会議のランク付けをかなり尊重して予算の査定をした。ついては、非常に大事な影響を持っておりますので、分野を越えたSABCを考えてもらいたい。分野別にSABCを付けると、その分野の中の比率を固定するという意味において、分野を越えた重点項目についての選択ができないという問題点があり、総合科学技術会議の全体で分野の横割りのランキングも含めて、検討してもらいたい。関係の皆様の努力に対して、感謝しており、日本の将来のために大変大事だと思っているので、よろしくお願いしたい。
 国家基幹技術として、次世代スーパーコンピュータ、X線自由電子レーザー、宇宙輸送システム、海洋地球観測探査システムなどについて、相当程度重点的に予算を配分して、将来に備えている。


【伊吹議員】
 安倍総理のイノベーションに対する強い思いもあり、政府全体としては約3兆5,000 億円の科学技術関係経費を確保できた。
 技術開発研究という特性から、成功、失敗はあり、失敗の中からよいものが出てくるということはたくさんあるため、そういう意味での費用対効果は考える必要はない。その点は非常におおらかにやればよいと思うが、不正は困る。
 残念ながら、新聞をにぎわすようなことが、私の所管している科研費の中で非常に多い。この不正防止の対策はしっかりやらなければ、研究費の公正で効率的な使用にも影響してくる。
 文部科学省としては、研究費の不正使用をチェックする仕組みをつくったが、是非、政府全体に及ぼしてもらいたい。


(4)その他

 平成18年度の科学技術振興調整費の配分の基本的考え方」について、「資料4−1」のとおり決定したことについて、高市大臣から報告した。
 また、「資料4−2」のとおり、世界トップレベルの研究拠点づくりについて有識者議員で考え方をとりまとめたことを報告した。
 さらに10月の総合科学技術会議で有識者議員から提案があった、今後の科学技術政策の重点課題について、検討状況を高市大臣から報告した。


(3)最近の科学技術の動向

 資料3に基づき、柘植議員より、太陽光発電技術が拓く未来について説明。


2.安倍議長(内閣総理大臣)しめくくり発言


【安倍議長(内閣総理大臣)】
 来年度の予算は大変厳しい歳出削減を行った。尾身財務大臣が徹底的に歳出を絞った結果であるが、その中でも教育に対する政策的な支出、歳出、あるいは少子化対策、科学技術はまさに未来への投資である。それは産業、科学技術のみならず、国民の幸せにもつながっていく分野なので、この分野については、メリハリの中でもしっかりと予算的な措置を行ったところであり、重点課題の1つと明確に位置づけをしている。当然、研究費に関わる不正に対しては、しっかりと対応してもらい、さらなる効率的な執行に努めてもらいたい。
 また、本日提言のあった新薬の承認審査の加速化、女性が活躍できる環境の整備などの制度改革は、我が国がイノベーションで生きていく上で、極めて重要である。工程表を実行することはもとより、重要な課題については、更に加速させ、最速で実現するよう取り組んでもらいたい。
 加えて、日本の科学技術システムをより強靭なものにするため、研究資金改革などのさらなる制度改革の理論にも取り組んでもらいたい。日本の20年後の未来を見据えたイノベーション25にも取り組んでいるが、そういう意味においても、太陽電池の将来の姿も見据えて、デモンストレーションをしてもらった。太陽光の発電が生み出されたのは1954年、ちょうど私が生まれた年であり、52年経って、こんなに進歩したのですから、20年後はさらなるすばらしいものを生み出しているのではないか。
 イノベーション25の検討については、総合科学技術会議においても、具体化に向けて、よろしくお願いしたい。


 最後に、今回の総合科学技術会議が最後の出席となる阿部議員、柘植議員、黒田議員から挨拶。

【阿部議員】
 2期4年間常勤議員として、第3期科学技術基本計画の作成、あるいはその推進政策などに、国の将来を決める大きい仕事に微力を尽くすことができた。大変ありがたいこと。
 振り返ってみると、小泉、安倍両総理をはじめ、歴代の科学技術政策担当大臣や関係閣僚の皆様の御指導、御支援の賜であり、心から感謝している。
 科学技術の国民理解については、総理をはじめ、先生方のリーダーシップによって大分進んだが、まだまだ限られており、各界のリーダーの危機感はいま一つ。
 これからは、総合科学技術会議の外から応援をさせてもらいたいと考えている。本当にありがとうございました。


【柘植議員】
 産業界出身の常勤議員として2年務めさせてもらった。
 私は、総理にとって、チーフ・サイエンス&テクノロジー・オフィサーとして、いわゆる各大臣が行っている国の事業経営と軸の合った科学技術経営にしたいと2年間頑張ってきた。大分その軸が合い始めたと思う。しかし、今日のシステム改革にもあったように、まだまだ課題が山積み。
 総理がリードされているイノベーション25を実現するためにも、科学技術経営のさらなる革新を進めていきたい。私も産業界の方でお手伝いをさせていただきたい。御指導どうもありがとうございました。


【黒田議員】
 6年間大変お世話になりました。私は総合科学技術会議が創設されたときに議員になりましたので、3人の総理大臣と7人の科学技術政策担当大臣におつかえした。第2期の科学技術基本計画の作成にも、第3期の科学技術基本計画作成にも参画させていただいた。  私は非常勤ですので、大学、大学院で講義をして研究指導をし、先端の研究もしてきたが、一方で、総合科学技術会議の非常勤議員として、研究教育の現場の意見、それから、私は10年以上海外で研究教育をやってきたので、その辺もこの科学技術政策に反映させたいと、どちらも手抜きをしないという思いで一生懸命頑張ってきた。
 ここでは大学の教員としては決してできなかった多くの経験をさせていただいた。自分以外の分野の研究とか政策・予算決定の仕組み、特許の問題、地域の産業など、いろんなことを学ばせていただいた。科学には国境はないが、科学者には国境があるという言葉を、ときどきかみしめながら過ごしてきたような気がする。
 現在、学問の流れ、世界の情勢は大きく変わろうとしている。依然として、アメリカの独走態勢、それにBRICsや拡大EUの台頭も目覚ましく、グローバルな視点や将来を見越したビジョンがますます重要になってきている。
 既存の技術の延長上にないイノベーションの創出のためには、その源の潤沢化が必要。そのためには、大学における基礎研究が必要。日本発の新しい学問、産業がどうしたらできるのか。文化としての科学をどう醸成するのか。環境、エネルギー、資源の枯渇などの喫緊の課題をどう解決していくのか、さまざまな問題があるが、社会制度とも複雑に絡み合っているので、これらは、省庁を越えた総合科学技術会議でなくては解決できない。これからも是非近視眼的にならずに、リーダーシップをとっていっていただくことをお願いしたい。
 本当に6年間長いことありがとうございました。

 田村総務副大臣から報告。


【田村総務副大臣】
 報告をさせていただきたい。
 今、柘植議員から御紹介のあった「きく8号」ですが、大型アンテナをちょうど、この5時から開きかけている。大体今日の24時ぐらいまでに開き切る予定なので、報告まで。


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