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第65回総合科学技術会議議事要旨


(開催要領)

1.開催日時:2007年3月30日(木)15:30〜16:10

2.場所:総理官邸4階大会議室

3.出席議員

 議長 安倍 晋三 内閣総理大臣
 議員 高市 早苗 科学技術政策担当大臣(イノベーション担当大臣)
 同 菅  義偉 総務大臣(代理 田村 憲久 総務副大臣)
 同 伊吹 文明 文部科学大臣
 同 甘利  明 経済産業大臣 (代理 渡辺 博道 経済産業副大臣)
 同 相澤 益男  
 同 薬師寺 泰蔵  
 同 本庶 佑  
 同 奥村 直樹  
 同 庄山 悦彦  
 同 原山 優子  
 同 郷  通子  
 同 金澤 一郎  

(議事次第)

1.開会

2.議事

(1) 諮問第6号「ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針の改正について」に対する答申等について
(2) 科学技術振興調整費について
(3) 科学技術によるイノベーション創出に向けて
(4) 最近の科学技術の動向

3.閉会

(配付資料)
資料1−1   ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針の改正案に対する答申(案)について(PDF)
資料1−2   諮問第6号「ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針の改正について」に対する答申(案)(PDF)
資料1−3   ヒトES細胞の樹立計画及び使用計画の確認の結果の報告について(PDF)
資料2−1   平成19年度の科学技術振興調整費の配分の基本的考え方(科学技術連携施策群の効果的・効率的な推進について)(PDF)
資料2−2   平成19年度の科学技術振興調整費の配分方針(PDF)
資料3   科学技術によるイノベーション創出に向けて(PDF)
資料4   最近の科学技術の動向 −プラスチックが切り拓く未来−(PDF)
資料5   第64回総合科学技術会議議事録(案)(PDF)

* 議事概要中の資料はPDFファイルです。

(会議概要)

1.議事概要

(1)ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針の改正について

 諮問第6号「ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針の改正について」について、生命倫理専門調査会においてとりまとめた答申案を、資料1−1に基づき、薬師寺議員から説明。
 原案どおり決定し、総合科学技術会議から文部科学大臣に答申することとなった。
 伊吹大臣から、指針に基づいて行われたヒトES細胞の樹立計画、使用計画の確認について報告。

(2)科学技術振興調整費について

 高市大臣より昨年12月に決定した「平成19年度の科学技術振興調整費の配分の基本的考え方」のうち、科学技術連携施策群の公募課題等について、資料2−1のとおり決定し、新規課題の公募要領について、高市大臣と有識者議員が確認を行うとともに、資料2−2のとおり「平成19年度の科学技術振興調整費の配分方針」を決定した旨報告。

(3)科学技術によるイノベーション創出に向けて

 有識者議員が検討した科学技術によるイノベーション創出に向けた基本的考え方について、資料3に基づき相澤議員より報告。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。



【薬師寺議員】
 UCバークレイで行われた高等教育に関する国際会議に行き、そこで2点勉強してきた。
 1つは、大学を取り巻く環境の激変によって、国際的レベルで大学間の競争が行われているという事実。
 それから、ダイナミックな改革をしない大学から、改革をする大学の方に優秀な教授と学生が、マイグレーション(移動)が行われている。それが非常に印象的だった。
 我が国だけではなく、公立大学は民間資金を取らなければいけないと考えている。
 中国は、北京大学などは学部の学生は全国から集まるため優秀だが、MAとかPhDは非常にできが悪い。そうすると、アジアとかアメリカから優秀な大学院の学生を呼ぶ以外ない。日本の大学も頑張らないと、優秀な学生はみんな中国に行ってしまう。
 中国の場合には、大学の先生が大学を辞めて、民間の会社をつくることが多く、人材の空洞化が行われていくため、優秀な先生を集めなければいけないという問題がある。
日本も国際的なレベルで改革をしながら、教える人と学生をきちんと集め、空洞化が起こらないように、しっかりとした改革をする必要があると思う。


【本庶議員】
 第1番目に書いてある若手研究者、意欲的・挑戦的な研究について補強させていただく。
 イノベーションの推進のためには人材養成が不可欠。
 ただ、ここで重要なことは、若手というのは単に物理的年齢のことだけではなく、60歳であろうと16歳であろうと、人の胸の中には驚きに引かれる心があり、幼子のような未知への探究心がある。
 まさに、これこそ研究者の新しい分野開拓への挑戦的な試みというものの真髄であり、そういうことをサポートしていくということが大きな要因ではないか。
 2番目のところに掲げてあるように、大学活動の基盤を担う運営費交付金で必要な大学はきっちりと支え、その上で出てきたイノベーションの芽を競争的資金で育てるという、このような組み合わせが非常に重要ではないかと思っている。


【奥村議員】
 2点、申し上げたい。
 1点目は、公的調達に関わる問題。
 イノベーションの成否は、最後は商品化、製品化に至るところで決まってくるが、新しい技術はマーケットがないという問題もある。
 したがって、最先端の優れた技術を公的調達に活用していくという取組を拡充させていくことが、新しい市場を形成し、民間のイノベーションも刺激すると考えている。
 例えば安全に資する科学技術や先端的な機器開発などに加えて、自治体や医療関連でのICTの応用展開を更に加速し、国民にその価値を認識してもらうというのは1つの例。
 2点目は、大学の国際競争力向上と日本人学生の育成の観点からである。
 具体的には、日本の国立大学の教授、助教授の外国人の比率を更に上げるべきではないかと思う。文科省の資料によると、国立大学の教育、研究の中核を担っている教授、助教授の占める割合は、2%台という極めて低いレベルにとどまっている。
 障害があれば、国としてもサポートをして、多くの外国人の教授の方に来てもらうような環境を整備すべきではないかと思う。科学技術の競争は、ボーダーレスで起こっており、いかに優秀な先生、学生を集めるかということは、我が国の競争力向上に極めて重要な問題だと考えている。
 外国の先生方がくれば、その下で研究する日本人の数多くの大学院生に対する影響あるいは刺激を受けることになるため、国際化教育を効率的に行えるという観点もあるのではないかと考えている。
 

【伊吹議員】
 提言のあった研究人材育成、環境整備は大切なことだと思うので、我が省もできるだけの協力をしたい。
 運営費交付金とか施設の設備費、競争的資金、プロジェクト経費、その他予算は確保しなければならないため、年末には総理の御決断をいただいて、全員で協力してやっていきたいと思う。
 若干調整を要する点が提言の中に幾つかあると思うのは、大学への交付金について大学教育の在り方から見てどうするのかということ。
 また、大学入試の内外無差別で英語をということは、大学の判断に任せないといけないことであるが、そういう方向を促していくということはいいと思う。
 外国人教授の採用を2倍に引き上げるということも、支援はするが、大学法人になっていたり、私学である限りは、おのおのの大学が決めることだと思う。国内においても、京都大学が大阪大学の医学部の教授を引き抜いたとかと大きな記事になっている時代であるため、大学間の自主的判断にゆだねられることだと思う。そういう動きを加速していくような支援は申し上げたいと思う。


【田村総務副大臣】
 ICT分野がイノベーション創出の重要な担い手であるということは前からも申し上げていると思うが、ICTがイノベーションのまさに下支えをしている分野であるということもたしかであると思う。
 そういう意味で、ICT分野の研究開発は更に強化していかなければならないと思っているが、2点申し上げたいことがある。
 1点は先ほどから話が出ている人材育成の問題。
 これは、ICT分野も顕著であり、50万人が不足していると言われているが、更に高度なICT技術者自体が35万人ぐらい足りない。これを育成していくためには、大学もそうだが、産業界にもいろいろと協力をいただいていかなければならない。これは是非とも当会議でいろいろと検討をいただきたい分野である。
 もう1点は、標準化の問題。
 標準化をどうとっていくかということは、国にとって大変大きな課題。標準化に向けて各国際機関にいろいろな人材を輩出してきたが、バブル崩壊後10年間ぐらい企業も非常に厳しい中で、主として企業から国際機関に派遣していたため、空白期間とは言わなが、かなり人数が減っているという現状。
 今、中国、韓国等は国際機関に人を送り込んでおり、ノウハウとか人脈とか、いろいろなものを吸収していって、標準化等々をしっかりとねらっているということを考えると、我が国も、もう一度国際機関に若手人材をどんどん輩出をしていくことが必要。そのためには、今までノウハウを持った先輩方がたくさんエキスパートとしているので、後輩にいろいろなノウハウを伝えていただくような場というものも設けていただくなど、人材育成を図っていく検討をしていただきたい。


【渡辺経済産業副大臣】
 甘利大臣が再三申し上げていた論点について、研究開発独法に対する制約の問題や異分野融合の促進、制度改革や、国際標準化などの出口政策の強化が盛り込まれている。これらを大いに進めていただきたいと思う。
 このほかにも、奥村議員からも発言があったように、国の研究開発や新技術の率先調達に係る契約については、価格を重視する競争入札になじまないといった問題もあると思う。是非、このような問題も取り上げていただきたいと思う。
 また、このペーパーで取り上げられているその他の点を含めて、現在、産業構造審議会において、イノベーションを具体的に促進する方策や環境・エネルギー技術の強みを活かしたイノベーションの在り方について検討しているところ。4月末にも方向性がまとまると思うので、その成果もイノベーション25に反映させていきたいと思う。

(4)最近の科学技術の動向

 「最近の科学技術の動向 −プラスチックが切り拓く未来−」について、資料5に基づき、相澤議員より説明。

2.「安倍議長(内閣総理大臣)しめくくり発言」

 今後のイノベーション25を具体的に進めていく上において、どのような改革を進めていくべきかということについて提言、方向付けをいただいたと思う。
 新たな取組をしていく上においては、思い切った改革を進めていかなければいけない。人材を育てていく上において、また世界との競争に打ち勝っていく中において、世界から人材が集まる大学、大学院にしていくための改革は極めて重要であろう。
 今までの年功序列的、徒弟制度的な仕組みを思い切って変えていかなければならない。やはり、人材を育てていくと同時に、また世界から集めていくこにとよって、イノベーションの分野においても大きな成果が出てくると信じている。
 いつもデモンストレーションには大変驚かされるが、かつては鉄が産業の米と言われていたわけだが、今やいろいろな多様なプラスチックもこのような発展を見ている。しかもナノ技術というのが日本人は得意だと改めて思ったが、こうした分野においても新たな進歩を目指していくためにも、人材の育成は重要であろうと思うので、今後とも皆様に審議をいただくようによろしくお願いしたい。

内閣府  科学技術政策・イノベーション担当
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