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第70回総合科学技術会議議事要旨


(開催要領)

1.開催日時:2007年10月29日(月)18:25〜19:00

2.場所:総理官邸4階大会議室

3.出席議員

 議長 福田 康夫 内閣総理大臣
 議員 町村 信孝 内閣官房長官
 同 岸田 文雄 科学技術政策担当大臣
 同 増田 寛也 総務大臣
 同 額賀福志郎 財務大臣
 同 渡海紀三朗 文部科学大臣
 同 甘利  明 経済産業大臣
 同 相澤 益男  
 同 薬師寺泰蔵  
 同 本庶 佑  
 同 奥村 直樹  
 同 庄山 悦彦  
 同 原山 優子  
 同 郷  通子  
 同 金澤 一郎  
(臨時)    
議員
若林 正俊 農林水産大臣

(議事次第)

1.開会

2.議事

(1) 平成20年度概算要求における科学技術関係施策の優先度判定等について
(2) 研究開発独立行政法人の在り方について
(3) 最近の科学技術の動向「環境・エネルギー・食料問題の解決に貢献するゲノム育種」

3.閉会


(配付資料)
資料1−1   平成20年度概算要求における科学技術関係施策の優先度判定等について(PDF:366KB)
資料1−2   平成20年度概算要求における科学技術関係施策の優先度判定等について(PDF)
(1)(317KB)(2)(354KB)(3)(367KB)(4)(5)
資料2−1   研究開発独立行政法人の在り方について(PDF)
資料2−2   研究開発独立行政法人の在り方について(PDF)
 参考資料    渡海 紀三朗 議員提出資料(PDF)
 参考資料    甘利議員提出資料(PDF)
 参考資料    若林臨時議員提出資料(PDF)
資料3   最近の科学技術の動向「環境・エネルギー・食料問題の解決に貢献するゲノム育種」(PDF)
(1)(317KB)
(2)(497KB)(3)
資料4   第68回総合科学技術会議議事録(案)(PDF)

* 議事概要中の資料はPDFファイルです。


(会議概要)

1.議事概要

福田議長(内閣総理大臣)御挨拶

【福田議長(内閣総理大臣)】
 3年半ぶりにこの会議に出席させていただいた。よろしく御指導を賜りたいと思っている。
 日本の将来を考えた場合、経済成長をどうしても欠かすことができないというのが私の基本的な考え方。同時に、行政的な改革などもしていかなければいけない。経済成長と行政改革を車の両輪としてこれから進めていきたい。経済成長の根幹は技術開発であり、これが日本の生命線だと思っているので、成長の原動力である科学技術の発展に向けて、戦略分野への集中的な投資、人材育成の充実などをこれから積極的に取り組んでいただきたい。
 政府としては、科学技術分野における予算面でも、他のところを削ってもこの分は削らないというようなことで、むしろ増やしてきた。これからも増えるかどうかは分からないが、増やしてきたという実績もあるので、皆様方の双肩に日本の運命が託されていることを改めて認識していただくようお願いしたい。
 皆様方にお知恵をお出しいただくことで、科学技術によって日本の将来が明るくなるという思いを持って、どうかよろしくお願いしたい。

 

(1)平成20年度概算要求における科学技術関係施策の優先度判定等について

 「平成20年度概算要求における科学技術関係施策の優先度判定等について」について資料1−1に基づき、本庶議員から説明。

(2)研究開発独立行政法人の在り方について

 「研究開発独立行政法人の在り方について」について資料2−1に基づき、薬師寺議員から説明。
 本議題に関する議員の意見は以下のとおり。


【渡海議員】
 SABCについては、今年からやり方を変えていただき、また短い間にまとめていただき、お礼を申し上げたい。
 トータルの科学技術予算が心配なところだが、総理から今非常に力強い、他を削ってでもという、お話もいただき、我々も頑張っていくので、よろしくお願いしたい。
 独法についてだが、今お話があったので、独法の在り方について、あえてこれ以上申し上げないが、党にも非常に熱心に取り組んでいただいている。私もこの職につく前は、何度も総合科学技術会議の方にも申し上げたが、運営費交付金の一律削減は、成長戦略になじまない場合もあるので、よくお考えいただきたいと思うし、また人材、この人件費についても、特に大きなプロジェクトを抱えたりしたら、一律のキャップというのは、現状にそぐわない形になる。この辺のところも先生方からもしっかりとご主張をいただきたい。
 あとは、民間資金も導入してやっていくインセンティブが与えられるような会計のシステムとか、中期目標を積み立てるとか、そういったシステムをつくり上げていくということを先生方にも考えていただいて、御提案をいただきたい。これだけお願いをさせていただく。


【甘利議員】
 今月初めに京都で開かれた科学技術のダボス会議とも言えるSTSフォーラムに参加をし、その中で科学技術は3つが重要と講演をした。その3つとは、バランスのとれた発展、市民の受容、国境と分野を越えた協力、であるが、そのためには政治の強いリーダーシップによる科学技術のマネジメントが不可欠であることを強調した。
 総理のもとに設置されている総合科学技術会議は、我が国における科学技術政策のマネジメントのチャレンジであると認識をしており、研究開発独法の在り方についても、有識者議員の方々の提言を踏まえて、政治のリーダーシップで対応していくべきだと考えている。
 具体的に言うと、科学技術政策の中核的な担い手である研究開発独法に対しても、人件費が5年間で5%削減されているわけだが、研究開発を行う研究開発独法にとっては、人件費は研究開発そのものであるから、こういう縛りをかけることは、研究開発を減らすことにほかならない。
 また、中期計画期間をまたぐ事業の研究費が繰り越せない等々、様々な制約が一律に課せられている。
 研究開発独法においては、その特殊性を踏まえて、業績や評価に応じて戦略的かつ弾力的な運用を可能としていくことが、我が国が国際競争に打ち勝っていくためには不可欠であり、今回の報告に沿って改善が進められることが重要だと考えている。


【若林臨時議員】
 我が国の農林水産業をめぐる情勢を踏まえ、農林水産分野の研究開発は生産性の向上と持続的な発展、食の安全と消費者の信頼の確保、また地球規模の食料・環境問題の解決を重点目標としている。
 他方、我が国の農林水産分野の研究開発については、製造業に比べてその投資額が小さい。また、研究開発独立行政法人がその中で非常に大きい比重を占めている。このため、農林水産省所管の研究開発独立行政法人は、国の政策方向、方針に則して、食料自給力の強化や食の安全確保といった農林水産業の現場に直結する研究開発、世界をリードするイネゲノムの研究を初めとする先端技術の研究開発、飢餓の撲滅や砂漠化の防止、地球温暖化対策などについての国際協力や科学技術外交の推進に重点的に取り組んでいるところ。
 今後とも、これらの研究独立行政法人が研究開発力を向上させていくためには、適正な規模の組織体制のもとで、効率的な運営をすること、組織戦略を明確にすること、人材育成とそこで士気の高揚といったことが重要なポイントであると考えているので、御理解をいただきたい。


【相澤議員】
 今回の有識者ペーパーは、我が国の科学技術推進体制の中核を担う大学等と研究開発独法及び民間企業、それぞれの位置づけ及び役割を明確にするとともに、国全体の最も効率的かつ効果的な体制づくりを視野に、特に国の政策課題の解決をミッションとする研究独法の在り方を提示させていただいた。
 ここで改めて強調しておきたいことは、研究独法の活動に対して、いかに国家戦略を明確に反映させるかである。この前提を明確にした上で、各研究独法の自律性、機動性を最大限に生かし、政策課題の解決に向かっての研究開発機能を十全に発現することこそ、喫緊の課題と言える。
 各府省においては、複数の研究独法を所轄し、主務大臣はそれぞれの独法について中期目標を設定している。
 ここで2つの重要なポイントを指摘させていただきたい。
 1つは、政策課題に対応した中期目標が所轄研究独法全体を視野に策定されているかどうか。研究独法間の縦割りが政策課題の解決に障害となっていないか。融合、連携等のシステム改革が必要ではないかといったことである。また、各独法のミッションを明確にした上で、府省を越えた連携、大学等との連携も必要になってくると思う。
 もう一つは、各研究独法の中期目標は政策課題に対応した成果目標として明示されているかどうか。達成される成果として目標が明示されることが国民の理解を得る上でも、また各独法の評価をする上でも極めて重要である。
 以上の2点についての中期目標の設定プロセスが政策課題を提示する総合科学技術会議として大いにかかわるところであり、特に強調させていただいた。

(3)最近の科学技術の動向

 「環境・エネルギー・食料問題の解決に貢献するゲノム育種」について、資料3に基づき、本庶議員より説明。
 本議題に関する議員の発言は以下のとおり。


【若林臨時議員】
 大変進んだ技術の成果が得られており、有用な遺伝子の機能解明が進められている。これらの成果はイネゲノムだが、イネだけではなく、コムギやトウモロコシにも利用可能である。また、ユーカリの話もあった。
 このような成果を活用して、収量を飛躍的に増加させたり、また地球温暖化に伴う高温障害や乾燥、塩害に強い作物を開発したりして、地球規模の食料・環境・エネルギー問題などへ貢献をしていきたいと考えている。

 

2.福田議長(内閣総理大臣)しめくくり発言


【福田議長(内閣総理大臣)】
 資源の乏しい我が国においては、科学技術の発展が経済成長の原動力である。科学技術予算については、限られた予算で最大限の効果を発揮することが重要。本日、説明のあった優先度判定を参考にしながら、国民生活の向上や国際競争力の強化に真に役立つものに重点的に配分していく必要があると考えている。
 それから、独立行政法人についてだが、科学技術の推進体制に関しては、独立行政法人の在り方に限らず、大学や民間の位置づけなど、国全体として最も効率的かつ効果的な体制を構築するにはどうしたらいいか、今後とも幅広く検討いただきたい。
 いずれにしても、研究開発を担う独立行政法人については、その活動が貴重な国民の税金によって賄われているということを意識し、国民から求められる役割を厳正に見きわめ、それにふさわしい体制を整備するように知恵を絞っていただきたい。
内閣府  科学技術政策・イノベーション担当
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