平成7年度 高齢者の経済生活に関する意識調査の結果について 概要版

調査の概要

1 調査目的

 平成7年度高齢者対策総合調査として、主として就業・所得分野に関連して、「高齢者の経済生活に関する意識調査」を実施し、高齢期において自立し、安定した生活を送るために重要な要素の一つである、高齢者の所得や資産について、全国の60歳以上の男女を対象に、収入・支出、就労、資産(金融・不動産)、資産の譲与・管理等について調査を行いました。

2 調査方法等

(1)調査対象者

全国の60歳以上の男女

(2)調査方法

調査員による面接聴取法により実施

(3)調査事項
  • 収入・支出に関する事項

  • 就労に関する事項

  • 資産(金融・不動産)に関する事項

  • 資産の譲与・管理に関する事項

(4)調査実施期間

平成7年11月29日~12月11日

(5)標本抽出法

層化二段無作為抽出法

(6)標本数及び有効回収数(率)
  • 標本数 3,000人

  • 有効回収数(率) 2,162人(72.1%)

3 有効回答者の性別等

・ 性別男44.0%女56.0%
・ 年齢 60~64歳 27.1%65~69歳 28.4%
70~74歳 21.0%75~79歳 15.2%
80歳以上 8.4%
・ 世帯構成 本人と子と孫 33.0%夫婦二人 30.4%
本人と子 22.1%単身 8.6%
その他 5.9%
・ 居住地 大都市(東京都区部及び政令指定都市)16.7%
中都市(人口10万人以上の市)32.4%
小都市(人口10万人未満の市)20.7%
町村30.2%
・ 平均収入額
 (税込み月額)
10万円未満16.5%
10~20万円未満23.5%
20~30万円未満23.5%
30~40万円未満11.1%
40~60万円未満 8.4%
60~80万円未満 3.0%
80万円以上 2.8%
・ 貯蓄額 100万円未満14.0%
100~300万円未満12.4%
300~500万円未満 7.9%
500~700万円未満 6.0%
700~1000万円未満 6.2%
1000~2000万円未満 8.8%
2000~3000万円未満 4.0%
3000~5000万円未満 2.1%
5000万円以上 2.4%
わからない36.2%

調査結果の概要

  1. 現在の経済的な暮らし向き
    -現在の家計状況については「心配なく暮らしている」が4人に3人(74.7%)-

  2. 収入のある仕事の有無
    -現在収入のある仕事をしているは37.0%-

  3. 収入のある仕事をしている最大の理由
    -収入のある仕事をしている理由は「生活費のため」が約半数(47.7%)-

  4. 収入のある仕事をしていない最大の理由
    -収入のある仕事をしていない理由は、健康・体力が約半数(46.3%)-

  5. 今後、収入を得られる仕事につく意向
    -「今後も収入を得られる仕事につくことはない」が大半(85.3%)-

  6. 年金による生活費
    -将来、就業による収入が得られなくなった場合、「年金で生活費を何とかまかなえると思う」が35.3%-

  7. 生活費不足の最も主要な対応方法
    -年金では生活費が足りない場合の対応で最も多いのは「子供に助けてもらう」(36.6%)-

  8. 就業による収入が得られなくなった場合の貯蓄の取り扱い
    -将来、就業による収入が得られなくなった場合には「貯蓄を取り崩していると思う」が過半数(55.5%)-

  9. 高齢期の貯蓄取り崩しについて
    -高齢期の貯蓄は「病気や介護など、万一の場合以外には取り崩すべきではない」が過半数(50.5%)-

  10. 老後の備え
    -現在の貯蓄額は、老後の備えとして「足りない」が過半数(52.5%)-

  11. 子供からの世話
    -万一からだが不自由となって、日常の生活が難しくなった場合「子供の世話を受ける」が過半数(63.3%)-

  12. 不動産譲与の考え方
    -親の不動産は「子供に継がせるべきである」が過半数(64.7%)-

  13. 老後の世話と不動産譲与
    -不動産を子供に譲る場合「老後の世話をしてくれたかどうかに関係なく譲る」が約半数(49.6%)-

  14. リバース・モーゲージについて
    -リバース・モーゲージを「利用したい」が4.0%、「関心はある」が15.0%-

  15. 財産管理上の不安
    -財産の管理に不安を抱くことが「ある」が7.4%-

  16. 財産管理を委ねる相手
    -財産の管理に不安が生じた場合「子供や他の親族に財産管理を委ねる」が約半数(53.4%)-

  17. 財産管理制度の利用
    -財産の管理を支援する制度について「利用したい」が8.6%-