第1章 調査の目的及び方法等

1 調査の目的

本格的な高齢社会を目前に控え、高齢者が可能な限り住み慣れた地域社会で生活し、社会とのかかわりを持ち続けていくためには、その基盤となる住宅及び生活環境を高齢者の暮らしやすいものとすることが重要である。

そのためには、住宅を高齢者の身体機能の低下や高齢期の多様な居住形態に対応した構造、設備とするとともに、住み慣れた地域において、高齢者が必要とする様々な社会機能や安心して不自由なく外出、買物などができる環境の整備が必要である。

このような観点から、本調査においては、高齢者の住宅と生活環境に関する意識等を把握し、今後の関係施策の推進に資することを目的としている。

2 調査対象者、調査事項及び調査方法等

(1)調査対象者

全国の60歳以上の男女

(2)調査方法

調査員による面接聴取法

(3)調査事項

ア 調査対象者の基本属性に関する事項

イ 住宅に関する事項

ウ 生活環境に関する事項

(4)調査実施期間

平成17年12月8日~平成18年1月9日

(5)標本抽出法

層化2段無作為抽出法

(6)標本数及び有効回収数

標本数 3,000人  
有効回収数(率) 1,886人(62.9%)  
調査不能数(率) 1,114人(37.1%)  
不能内訳 転居 47(1.6%)
長期不在 94(3.1%)
一時不在 253(8.4%)
住所不明 32(1.1%)
拒否 593(19.8%)
その他 95(3.2%)

(7) 調査委託機関

社団法人中央調査社

3 調査の協力者

この調査は、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付少子・高齢化対策第2担当が実施した。また、実施に際しては次の学識経験者の協力を得た。

園田 眞理子 (明治大学理工学部建築学科助教授)
狩野 徹 (岩手県立大学社会福祉学部福祉臨床学科教授)
田中 直人 (摂南大学工学部建築学科教授)
中村 文彦 (横浜国立大学大学院教授)
蓑輪 裕子 (聖徳大学短期大学部総合文化学科助教授)

4 調査対象者の基本属性

(1)性別・年齢階級別構成(F1・2)

  性別 年齢階級別
総数 60~64歳 65~69歳 70~74歳 75~79歳 80~84歳 85歳以上
平成17年 1,886 845 1,041 482 433 417 292 167 95
100 44.8 55.2 25.6 23.0 22.1 15.5 8.9 5.0
平成13年 2,226 1,017 1,209 535 670 523 322 124 52
100 45.7 54.3 24.0 30.1 23.5 14.5 5.6 2.3
平成7年 2,292 1,040 1,252 650 602 488 336 216
100 45.4 54.6 28.4 26.3 21.3 14.7 9.4

注)平成7年の選択肢は「80歳以上」。

(2)同居人数(F3)

  総数 ひとり 2人 3人 4人 5人 6人 7人以上 無回答
平成17年 1,886 218 791 353 177 128 139 79 1
100.0 11.6 41.9 18.7 9.4 6.8 7.4 4.2 0.1
平成13年 2,226 212 878 403 214 185 195 139 0
100.0 9.5 39.4 18.1 9.6 8.3 8.8 6.2 -
平成7年 2,292 160 743 376 241 241 295 225 11
100.0 7.0 32.4 16.4 10.5 10.5 12.9 9.8 0.5

(3)家族形態(F3+F3─SQ1)

  総数 単身世帯 夫婦二人
世帯
本人と子の世帯 本人と子と
孫の世帯
その他 無回答
平成17年 1,886 218 680 497 348 142 1
100.0 11.6 36.1 26.4 18.5 7.5 0.1
平成13年 2,226 212 779 558 580 97 0
100.0 9.5 35.0 25.1 26.1 4.4 -
平成7年 2,292 160 671 494 728 239 0
100.0 7.0 29.3 21.6 31.8 10.4 -
注)
各形態の集計方法は以下のとおり。
選択肢(F3─SQ1):(1)「配偶者(夫又は妻)」、(2)「あなた又は配偶者の親」、(3)「子」、(4)「子の配偶者」、(5)「孫」、(6)「兄弟姉妹」、(7)「その他の親族」、(8)「親族以外の者」
単身世帯=「F3で1人」と答えた者
夫婦二人世帯=「F3─SQ1で(1)のみ」にマークした者
本人と子の世帯=「F3─SQ1で(3)のみ」、「F3─SQ1で(1)、(3)のみ」、「F3─SQ1で(4)のみ」、「F3─SQ1で(1)、(4)のみ」、「F3─SQ1で(1)、(3)、(4)のみ」にマークした者
本人と子と孫の世帯=「F3─SQ1で(3)、(5)のみ」、「F3SQ─1で(1)、(3)、(5)のみ」、「F3SQ─1で(4)、(5)のみ」、「F3SQ─1で(1)、(4)、(5)のみ」「F3─SQ1で(1)、(3)、(4)、(5)のみ」にマークした者
その他=上記以外の者

(4)同居者との住宅形態(F3─SQ2)

  総数 一戸建てやマンション・アパート
などの一つの住居で
一緒に生活している
一つの家屋の中で
住居を区分して生活している
(いわゆる二世帯住宅など)
同じ敷地内の
別棟に居住している
無回答
平成17年 1,667 1,448 110 55 14
100.0 89.3 6.6 3.3 0.8
平成7年 2,132 1,844 151 73 64
100.0 86.5 7.1 3.4 3.0

(5)健康状態(F4─1)

  総数 良好 普通 不良 無回答
(計) 良い まあ良い (計) あまり良く
ない
良くない
平成17年 1,886 1,046 563 483 520 317 262 55 3
100.0 55.5 29.9 25.6 27.6 16.8 13.9 2.9 0.2
平成13年 2,226 1,147 683 464 593 484 401 83 2
100.0 51.5 30.7 20.8 26.6 21.7 18.0 3.7 0.1
平成7年 2,292 1,241 699 542 587 464 384 80 0
100.0 54.1 30.5 23.6 25.6 20.2 16.8 3.5 -

(6)身体の状況(F4─2)(複数回答)

  総数 手に
不自由さを感じる
足に
不自由さを感じる
目に
不自由さを感じる
耳に
不自由さを感じる
特に不自由さは
感じない
無回答
平成17年 1,886 102 333 225 171 1,268 12
111.9 5.4 17.7 11.9 9.1 67.2 0.6

(7)外出や歩行の状況(F5─1)

  総数 交通機関などを
利用して一人で
外出できる
隣近所へなら
一人で外出できる
屋内は一人で歩けるが
外出には介助がいる
屋内はつえ・歩行器
を用いたり
介助があれば歩ける
屋内で
車いすを使う
1日中ベッドの
上で過ごす
無回答
平成17年 1,886 1,640 150 49 22 8 9 8
100.0 87.0 8.0 2.6 1.2 0.4 0.5 0.4

(8)入浴介助の状況(F5─2)

  総数 何も使わず一人で
入ることができる
多少の不自由はあるが、
何も使わず一人で
入ることができる
手すりがあれば
一人で入ることが
できる
バスボード(入浴台)
などがあれば一人で
入ることができる
介助が必要 入浴は不可能 無回答
平成17年 1,886 1,771 51 17 6 29 5 7
100.0 93.9 2.7 0.9 0.3 1.5 0.3 0.4

(9)職業(F6)

  総数 有職 無職
(計) 自営業者・家族従業者 被用者
(計) 農林漁業 商工・サービス、自由業 (計) 常勤の被用者 非常勤の被用者
平成17年 1,886 598 332 85 247 266 146 120 1,288
100.0 31.7 17.6 4.5 13.1 14.1 7.7 6.4 68.3
平成13年 2,226 690 453 211 242 237 133 104 1,536
100.0 31.0 20.4 9.5 10.9 10.6 6.0 4.7 69.0
平成7年 2,292 859 609 291 318 250 141 109 1,433
100.0 37.5 26.6 12.7 13.9 10.9 6.2 4.8 62.5

(10)都市規模

  総数 大都市 中都市 小都市 町村
平成17年 1,886 332 715 449 390
100.0 17.6 37.9 23.8 20.7
平成13年 2,226 383 760 453 630
100.0 17.2 34.1 20.4 28.3
平成7年 2,292 362 758 490 682
100.0 15.8 33.1 21.4 29.8
「大都市」:
東京都区部と指定都市
「中都市」:
人口10万人以上の市(大都市を除く)
「小都市」:
人口10万人未満の市

(11)立地特性

  総数 住宅の多い地区 商店その他の
事業所の多い地区
工場の多い地区 農山漁村地区 その他
平成17年 1,886 1,392 174 16 295 9
100.0 73.8 9.2 0.8 15.6 0.5
平成13年 2,226 1,528 174 16 504 4
100.0 68.6 7.8 0.7 22.6 0.2