5 福祉バスの運行等による高齢者の生活支援への取組
デマンド交通(山形県・飯豊町)
平成17年から開始。町営バスは3路線あったが、利用者が減少した。また、バスが古くなり、更新の時期と重なり、交通の見直しの必要性があった。発案は役場であるが、社会福祉協議会の運営、町からの補助で運営している。タクシーの借り上げで運営している。(小回りが効く利点がある。)運行は、平日のみ。利用登録者のみ利用。現在80名が利用。運行エリアが決まっている。運行委員会と利用者からの改善点、要望を汲み入れながら運行している。玄関~目的地まで行けることが評価されている。同乗者同士の交流、情報交換等、利用者間の親睦に役立っており、利用者からの評判は良好である。
福祉バス:市内を巡回する福祉バスを無料で利用可能(茨城県・那珂市)
旧那珂町高齢者福祉センターが平成5年開設になり、利用者の送迎を中心として運行を開始。那珂市では、高齢者福祉、介護予防に力を入れており、平成12年総合保健福祉センター「ひだまり」が建設され、7コースにより運行を行い、現在14コースで市内各施設、また病院や買い物利用を目的とした専用コースなど、市民が利用しやすいようにコースを設定し、運行をしている(運行は民間会社に委託)。誰でも無料で利用可能。ホームページや市の広報誌などで紹介している。市内の各世帯に時刻表を配布。数年ごとに運行コースの見直しがある。
タクシー料金の一部助成(兵庫県・淡路市)
平成17年より開始。山間部は交通の便が非常に悪く、タクシーの利用もやむを得ない事情がある。対象者は、市民税非課税及び自動車税の減免を受けていない世帯に属する70歳以上の高齢者並びに重度身体障害者、重度精神障害手帳の所得者である。最大1名あたり年間12,000円の補助(100円単位のチケット)をしている。例えば、タクシー料金が800円なら、半額の400円を払い、残金400円はチケットで。その400円をタクシー会社が役所へ請求する。
現在約900名(該当者の約40%)が利用している。また、助成とは別に、医療機関を利用する人を対象に、外出支援サービス事業も行っている。これは課税者、非課税者は関係ない。車椅子をのせて医療機関まで運行する。費用は往復500円~1,500円(市内1,000円、市外1,500円)。現在、上記2つのサービスを両方利用する者もいる。また、タクシー料金一部助成は所得の関係で利用できない人も、外出支援サービスを利用している者もいる。
みなべコミュニティバス・配食サービス事業(和歌山県・みなべ町)
(みなべコミュニティバス)
平成16年に、南部町と南川部村の合併により、町民交流を高めようという話し合いがあり、路線バスの一部廃止にともない、代替えとしてコミュニティバスの開始を検討委員会を作って、負担のないシステムで試験的に行った。試験的に行った結果、25名乗りのバスをデマンド式で行ったが、利用者が少なく、25名乗り→9名乗りに変更した。第二期として、利用の目的などをアンケートをとり、第三期として、平成18年9月、月100%を見込めて、タクシー業者と話して、平成19年度に計上している。平成19年4月から、全町3ルートで、デマンド式で、延長運行を行う。誰でも利用可能で、1回の乗車賃は、300円(民間バスは1区間870円)。子どもは半額となる。住民の評価は、利用されている方は、満足度が高く、他の住民も高齢者の利用のためならと肯定的な考え方が多い。高齢者はこれを利用して、温泉(当町に2ヶ所)や医者、買物などに利用している。
(配食サービス事業)
一人住まいの高齢者に週5日、昼食のみを1食300円で配食。エリアによっては、昼食、夕食と1日2回の配食(現在は数名程度)、他に民間の配食センターの利用もある。
福祉バスの設置(広島県・竹原市)
平成12年10月から発足。経費の3分の2は国からの生活外出支援事業の補助金により対応。通行経路は、路線バスが通らない地域にも配慮することとした。利用対象者はおおむね65歳以上の高齢者で一般の交通機関を利用することが困難な者、40歳以上で介護認定を受けたもの、身体障害者手帳等を所有しているものとし、利用の際は手帳の提示を求めている。循環型とし、病院やショッピングセンターへの利用が多い。1回の運行で30人程度の利用者がいる。またバスが通行困難な地域には地元からの要望により、タクシーにて対応している。利用料金は1回100円。介護者は1名までは無料となっている。現在住民から経路の見直しや運行回数、停留所の増加等の要望がある。