きよぴー&とまと
~地域の将来を見据え、住民が気軽に立ち寄れる居場所づくり~

団体名 きよぴーあんどとまと
きよぴー&とまと
地域 東京都八王子市
構成員 108名(65歳以上の者の占める割合:79%)
活動概要 高齢者の見守りや健康維持を目的にした配食サービスに取り組んでいるボランティアグループ。空き店舗を活用した喫茶や軽食の提供、気軽に立ち寄れる情報交換の場としてのサロン活動にも取り組んでいる。
表章の事例区分 支え合い活動
キーワード 居場所(サロン)/高齢者支援/子ども支援/配食サービス/朝市

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

総菜売り場コーナーの光景と献立の一部の様子

ボランティアのコラボで活動の輪を広げる

 高齢化が進む地域の状況に応じて、地域住民の手で地域の活性化を図り、小さなことをみんなで支える活動を始めるためにボランティア団体「きよぴー」(平成8年に設立された配食サービスを行う「オレンジの会」が前身)が発足し、その後清川町商店街一画の空き店舗を利用して世代間交流と子どもたちを支援する場所としてサロン「きよぴー」を開設しました。
 平成18年3月発足した高齢者へ配食サービスを実施している八王子ボランティアネットワークの「とまと」と協力して、喫茶や軽食サロンと配食サービスを行う「きよぴー&とまと」を結成し、新たな活動をすることとなりました。「必要なことを、できる範囲で、できるときにやる」を合言葉に、半径500mに設定して地域活動を始めています。

活動内容や現在の活動状況

高齢者支援(健康体操と談話中の様子)


子ども支援(芋ほり、川遊び、和凧作り)の様子

子どもから高齢者が気軽に立ち寄れる居場所

 地域の活性化に必要な拠点(居場所)づくりを行うため、「だれもが気軽に立ち寄れ、おしゃべりしながら連帯感を培える場所」「配食サービスや喫茶、軽食を提供できる場所」「高齢者と若い世代の交流の、子どもたちの支援ができる場所」の3本柱を掲げて次のような活動を展開しています。
 配食サービス活動の主軸である惣菜の販売、配食サービス、サロン活動には、主婦を中心に約110名の会員が週1回又は月に1回の参加で運営しています。提供する惣菜や配食弁当は、安くて、うまい、安心安全な品として好評です。サロンは月・水・木・土・日にオープンし、配食サービスは月・火・木・金に実施されます。
 高齢者支援では、閉じこもりがちな高齢者の交流を深める場として、高齢者に関係のある施設見学や地域包括支援センターから講師を招いて講習会や健康体操などを実施しています。また、「思い出のレコードの集い」を開催し、音楽を聞きながらのおしゃべりで若返っています。
 子ども支援では、川遊び、芋ほり、和風凧作りなどを年に5回実施しています。野外での集団遊びを通して、大人と子どもの素直な関係や子ども同士の関係を築くこと、遊びから生じる危険への対応など子ども自身が体験して判断できる能力を養うことができます。子ども支援活動は、地域における3世代間交流のきっかけにもなっています。

ポイント、工夫している点

気軽に立ち寄れる居場所として環境を整える

 毎月最終日曜日は朝市を開き、お楽しみ会(地域男性の飲み会)も実施しています。平成25年度から「高齢者あんしん出張相談所」を開き、気軽に立ち寄れる居場所として環境を整えています。新しい企画と運営は、実行可能な人が人を集め、具体化していくようにしています。
 惣菜販売・配食サービスで財政的基盤を確立し、店舗改装と設備費用で集めた出資金の返済も終わりました。みんなが元気で活動を続けていられる活動の原動力、やる気を支えたものは、惣菜やお弁当を購入した地域住民からの感謝の声、その声を受けて味わう達成感です。一仕事終えた後の楽しい語らいが継続につながっています。

課題と今後の展開

活動を継続するための後継者の育成

 課題は継続した活動が実施できるような環境作りと世代交代、そして何よりも後継者の育成を行うことです。
 また、「きよぴー&とまと」のモットーは、地域の活性化に必要な拠点(居場所)づくりをおこなうことですが、その活動の幅を広げるため、一昨年立ち上げた地域を広く支える会「You&I(友&愛)」と協力し、食を軸とした活動を展開するとともに、地域の人々が積極的に参加しやすい会にして会の広がりと活性化を図っていくことにしています。
 そのため、現在無償で行っているボランティア活動を有償ボランティア活動に切り替えていくことが大きな課題で、継続的な活動が行われるような環境整備と世代交代、そして後継者育成が重要になっています。