望蘭会
~子どもから高齢者までの健康づくり、生きがいづくりに貢献~

団体名 ぼうらんかい
望蘭会
地域 埼玉県さいたま市
構成員 14名(65歳以上の者の占める割合:79%)
活動概要 レクリエーション講座を受講した有志で、昭和54年から障害児(者)対象にレクリエーション体育講座、高齢者を対象に健康体操教室、地域の親と子の体操教室を4か所の公民館で実施している。
表章の事例区分 福祉、保健
キーワード レクリエーション体育/親と子の体操教室/健康体操教室/ウォークラリー/ふれあい教室/遊びの伝承

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

障害者の方々とクラフトづくりの光景

レクリエーション活動を活性化させよう

 昭和52年に浦和市教育委員会主催によるレクリエーション講座終了後、受講した有志でレクリエーションの普及に努めようと自主的な研修会を開き、昭和53年1月にレクリエーション活動を活性化させる指導を行う「望蘭会」を立ち上げました。活動内容は、ゲートボールの普及と地域での指導、グループ作りの手伝いや実技指導、高齢者のレクリエーション活動への協力、県老人クラブ連合会の行事等への参加です。
 昭和54年に教育委員会主催による「障害者レクリエーション体育講座」が始まり、望蘭会が指導スタッフとして協力することになりました。

活動内容や現在の活動状況

「母と子の対象教室」で七夕祭りを楽しむ光景


デイサービスでの健康体操

さまざまな経験を通して成長を支援する

 障害児(者)へのサポート活動は、地域の小学校の「仲良し学級(障害児)」の「障害者レクリエーション体育講座」の運営という形で行っています。地元の公民館を会場に月2回(平成24年度からスタッフの高齢化により月1回へと変更となっています)、球技、ダンス、クラフト、クリスマス会などを通じて体を動かし、季節を楽しんでもらうことを目的としています。スタッフ4名から5名が指導にあたり、楽しい2時間を過ごしています。80歳台から10歳台までの障害児(者)とその付添い家族とヘルパーさんたちが、毎回参加される好評な活動となっています。
 昭和59年から開講した未就学児とその母親を対象とした「親と子の体操教室」は、月2回、4か所の公民館で開催し、親と子の絆を深める一助にもなっています。これらの体操教室から「健康体操教室」が誕生し、福祉施設でも指導が行われるようになりました。平成6年からデイサービス施設では月3回、ショートステイ施設では月1回実施しており、レクリエーションで健康維持と生涯現役を目指そうと高く評価されています。平成7年からは市の体育館を会場に「健康体操教室」を月4回開催し、生きがいづくりや健康づくりを目的に、現在も継続しています。
 また、望蘭会メンバー全員が研修スタッフとして所属しているさいたま市ウォークラリー協会主催のウォークラリー大会では、企画から大会当日のサポートボランティアまで、毎回100名を超える親子や高齢者の参加グループを支えています。このウォークラリー大会は高齢者グループが全参加者の7割から8割を占める高齢者に評判の高いウォークラリーで、よき世代間交流の場にもなっています。

ポイント、工夫している点

参加者の体力向上をめざして

 35年間継続している「障害者レクリエーション体育講座」は、当時小学生であった子どもも、現在ほとんどが作業所施設で仕事に就き、社会参加ができています。また、年齢が異なっても仲間との交流の場、付添家族同士のコミュニケーションの場となっています。また、参加者は、知的にも、体力的にも向上に励んでおり、運動能力改善に顕著な結果が見られます。参加者の半数は開設当初から継続しており、保護者の方々もスタッフも成長を見守ることを楽しみしています。

課題と今後の展開

楽しさ、優しさ、素直さ、喜びと希望を共有できることを大切に

 開設当初のメンバーも半数となり、14名の会員の平均年齢は69.6歳となりました。しかし、必要とあれば研修会に積極的に参加することを大切にしています。一人ひとりは微力でも、経験と知識を結集して、まだまだ活動の場が与えられていることに感謝しつつ、仲間とのコミュニケーション、行事打ち合わせ、ミニ研修、近況報告など月2回の定例会では精力的に働いています。
 幼児や小学生からは沢山のパワーを、障害者の方々からは優しさと素直さ、そして希望を、高齢者の方々からは共に遊ぶ楽しさや喜びを共有できることに励まされながら、今日もどこかで誰かが活動を続けられるよう、チームワークを大切に歩んでいこうとしています。