くつろぎハウス「いこい亭」
~気軽に立ち寄れる「みんなの縁側」を目指して~

団体名 くつろぎはうす「いこいてい」
くつろぎハウス「いこい亭」
地域 神奈川県横浜市
構成員 35名(65歳以上の者の占める割合:100%)
活動概要 近隣付き合いが希薄になりがちな都会の高齢者の生活を改善するため、地域商店街の蕎麦店「長寿庵」の協力を得て、定休日を高齢者の憩の場として提供。工夫を凝らしたイベントを企画し、自立した活動を行っている。
表章の事例区分 支え合い活動
キーワード 高齢者の居場所づくり/世代間交流

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

よもやま話に花がさき、いつもにぎやかな店内

「みんなの縁側をつくろう!」

 横浜市地域福祉保健計画の一環として、「地域にあったらいいなと思うものはありますか?」という保健師から老人クラブ連合会への問いかけがきっかけとなりました。近隣同士の付き合いが薄くなっている昨今、「高齢者が昔の縁側のように気軽に声を掛け合い、立ち寄ることができる居場所を作ろう」という志のもと、地区老人クラブ連合会が主体となって呼びかけ、また地域の商店街の蕎麦店「長寿庵」の協力を得て、蕎麦店の定休日の水曜日を週一回の活動日として、平成18年に活動を開始しました。

活動内容や現在の活動状況

薬局職員を講師に招き、エコキャンドル作り


下野谷小学校の児童とトランプ遊びを楽しむ利用者たち

蕎麦店「長寿庵」の定休日を利用して活動

 鶴見本町通商店街にある蕎麦店「長寿庵」で、蕎麦店の定休日である水曜日を活動日としています。活動日には、いつもの蕎麦店ののれんを「いこい亭」と書かれたのれんに掛け替え、「無料休憩所 どなたでもご自由にお入りください」と書かれた看板が掲げられます。午前11時から午後3時までの4時間、出入り自由で居心地のよい縁側のような空間づくりをし、参加者はお茶を飲んでおしゃべりを楽しんだり、会場に用意してある色鉛筆を使ってぬり絵などに取り組んだりしています。定例の活動の中で、月に2回、隔週で店内の一画にて健康麻雀を行うことになっており、企画への参加を楽しみにしている高齢者もいます。
 また、年に数回程度、イベントを企画し開催しています。これらのイベントの企画開催は、老人クラブ三大運動(健康・友愛・奉仕)の一つとして推進されている友愛活動の推進チームメンバーにより、サポートされています。イベントの一つとして行われているミニ講習会では、保健師を招いて夏バテ対策や風邪予防対策や風邪予防の方法を再確認する内容の話を聞いたり、また薬局の薬剤師さんにお願いして、お薬の飲み方などの話をしていただいたり、防犯についての話を聞く会など高齢者の実生活に役立ち、耳を傾けたくなる講話を盛り込んでいます。そのほか、薬局の職員を講師にエコキャンドルづくりに取り組むなどの手芸講座も定期的に開催しており、創作に意欲的に取り組む機会を設けています。
 夏休みには地域の小学校の児童とトランプ遊びなどをしたり、「打ち水大作戦」と称して商店街を回り、暫しの涼を感じたり、七夕に願いを込めて短冊を書き飾ったりと、世代間交流を楽しみ、季節を感じることのできる夏の活動は人気のイベントとなっています。

ポイント、工夫している点

商店街と密に交流、バザーなども行い自己運営が可能に

 商店街で年に1、2回開催される行事に積極的に参加し、商店街と交流を大切にしています。行事の一画で開催するフリーマーケットでは、いこい亭の常連参加者や老人クラブ友愛活動員が中心となって、自宅などで使われない頂き物などを持ち寄って出店し、その販売収益を自己活動資金に充てています。そのおかげで「いこい亭」立ち上げ当初は横浜市地域福祉保健計画事業として助成を受けていましたが、現在では区社会福祉協議会から「ふれあい助成金」を受けています。また、「いこい亭」の活動への参加は基本的に無料ですが、継続活動のために、「いこい亭」活動日には募金箱を設置しており、「志(こころざし)」として、お茶代を10円でも50円でも入れてもらうことにしており、長く活動を続けていくために無理のない範囲で協力し資金面での自立ができるよう、工夫をしています。

課題と今後の展開

気軽に立ち寄れる「地域の縁側」として継続的に活動

 「いこい亭」立ち上げ当初の目的である「立ち寄り安いみんなの縁側のような場所づくり」を継続して行っていく方針です。参加者それぞれが無理なくできることを行いながら、「いこい亭」での活動に参加することで、孤独感を少しでも解消し、地域商店街や参加者同士の交流を通じて、高齢者個々人の「生きがい」づくりのヒントとなるような活動を展開して行きたいと考えています。実生活に即した講習も継続的に行い、高齢者を地域で見守る役目と「仲間づくり」、「生きがいづくり」として、今後も地域との交流を大切にしていきたいと考えています。