田鶴浜地方史の会
~地域の歴史を次世代へ語り継ぐ「ふるさと歴史教室」~
団体名 | たつるはまちほうしのかい 田鶴浜地方史の会 |
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地域 | 石川県七尾市 |
構成員 | 27名(65歳以上の者の占める割合:74%) |
活動概要 | 平成20年度から地元の小学校と共催し、6年生を対象に年間10回の講座「ふるさと歴史教室」を実施している。子どもたちが地元を理解することにより、地域を愛し、地域に貢献する心を育む活動に取り組んでいる。 |
表章の事例区分 | 教育、文化 |
キーワード | ふるさと歴史教室 |
(注)構成員等は、平成25年4月1日時点
活動のきっかけ
地域の歴史を埋もれさせない
昭和62年に田鶴浜町の郷土史を明らかにし、町全体に普及していこうと「田鶴浜地方史の会」が結成されました。昭和63年から平成6年まで「田鶴浜の歴史」を発刊していましたが、主な活動をしないまま年月が経過し、平成18年にこのままでは地域の歴史が埋もれてしまうことに危機感を覚え、活動を再開することにしました。
平成20年から、地域の歴史を次世代に伝えていくことが大切であると考え、七尾市教育委員会、田鶴浜小学校、田鶴浜地方史の会の三者の協働で小学生を対象とした「ふるさと歴史教室」を開催しています。
活動内容や現在の活動状況
学社連携の精神で「ふるさと歴史教室」
「学社連携」の精神を大切に、子どもたちが地域を理解し、愛し、貢献する心の育成を図るとともに、現代を力強く生き抜く力の養成を第一の目標に掲げて実施しています。
毎年6年生児童を対象に年間で10回の講座を開いています。田鶴浜地方には、約6,000年前の縄文前期遺跡をはじめ原始・古代、近・現代に至るまでの歴史・民俗・文化財などの史跡・資料・伝承などがあり、その中から講座の内容を選定しています。教室で開かれる講座と現地を訪れて開かれる講座に分かれています。講師は会員が相互に勉強を兼ねて担当することにしています。ほとんどの会員は教壇に立った経験がなく、それぞれが工夫し、苦労しながら指導を担当しています。児童にとっては、人気の高い教室となっています。その要因は、会員のバイタリティあふれる教え方にあります。次から次へと話されることばに、子どもの頭には、歴史の映像が映し出されているかのように一心に講師に見入っています。
また、ふるさと歴史教室の一環として、小学校3年生を対象に「ふるさと田鶴浜の昔のお話を聞こう」も実施しています。
ポイント、工夫している点
見て触れて歴史を身近に学ぶことができる「ふるさと歴史通り」
10回の講座の内容から出題される「ふるさと歴史検定」は、教職員や市民も受験することができます。この検定は、地域との交流の一役を買っています。
平成22年に小学校の歴史教室講義室の横廊下に「ふるさと歴史通り」が開通しました。縄文人の着用していた袈裟衣(けさぎぬ)や貫頭衣(かんとうい)、縄文土器から近代の生活道具まで展示されており、見て触れて歴史を学ぶことができるように工夫されています。
七尾市はふるさと教育の充実による「心身ともに健やかな児童の育成」をめざしていますが、田鶴浜の歴史的名所・旧跡などに児童手づくりの銘板の設置、「歴史と自然案内マップ」の作成など、田鶴浜地方史の会と連携して、ふるさとの発展や七尾市のめざす取り組みにも積極的に参加しています。
毎年総会において行事計画、活動内容を協議し、小学校のカリキュラムに組み入れる際には学校側と連携・調整しながら年間の事業を進めるようにしています。
課題と今後の展開
残されている課題を解明するための3か年計画
既に3年間の計画が立てられています。平成25年度は、平成23年度に選定した「ふるさと歴史20選の表示板の設置をしました。平成26年度は、明治・大正期に実施されていた行事「浜の左義長」を復活させようとしています。平成27年度は、田鶴浜地方の発展に尽くした人物をまとめ発表しようとしています。
〔学社連携〕
学校教育と社会教育(家庭教育を含む)が相互補完的に協力し合う関係。「開かれた学校」という教育政策の一環として、平成14年度から完全実施された完全学校週2日制の導入に伴い、体験活動を行う場合に社会教育団体との連携に十分配慮して行うこととし、取り組みは活発化しつつある。