きさらぎ会
~観る人を心から感動させ、楽しませる演芸集団~
団体名 | きさらぎかい きさらぎ会 |
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地域 | 福井県大飯郡高浜町 |
構成員 | 18名(65歳以上の者の占める割合:94%) |
活動概要 | 農協女性部により結成されたグループで、地域行事(文化祭や敬老会)やデイサービスセンター、介護施設からの要請に唄や舞踊、寸劇などを披露し、地域の方々に楽しんでもらうことを目標に活動している。 |
表章の事例区分 | 趣味 |
キーワード | 唄/舞踊/寸劇/地域行事/施設訪問 |
(注)構成員等は、平成25年4月1日時点
活動のきっかけ
鳴り止まない拍手と感謝の言葉に励まされて
今から30数年前(昭和55年頃)に、農業協同組合女性部として、地区の敬老会などの行事で唄や舞踊、寸劇などを披露していました。
ある時、披露を終えた後で、高齢者の方々の惜しみない拍手や明るい笑顔に感動を覚え、幕が下りてもなお続く「ありがとう」の叫び声にメンバーは心動かされ、「続けよう、こんなに皆が喜んでくださるのなら」と練習を積み、公演する活動は本格化していきました。
平成14年秋から農業協同組合を離れ、「きさらぎ会」として独立して活動を始めることになりました。
活動内容や現在の活動状況
出演することが生きる原動力に
結成した当初は、「地域の方に喜んで貰えるのなら」と始めていましたが、出演する回数を重ねるごとに、活動がメンバー一人ひとりの喜びや生きる原動力になってきました。
以前は、出演する機会は、秋の行事(敬老会や文化祭)に集中していました。しかし、現在では、年間を通して地区の行事やデイサービスセンターや介護施設などからの要望にできるだけ応えるようにしています。夏には地域の若者と一緒にイベントへ参加し、地元に伝わる盆踊りや高浜音頭などを披露し、海水浴客の歓迎ムードを盛り上げ、秋には3年に一度の頻度で交通安全協会による安全指導の大会に参加し、スローガンを掲げ、特別に寸劇を企画して文化会館の大ホールで交通安全活動を訴えることにしています。寸劇を中心とする出演は、年間3回から4回となっています。
練習は、週に2回地区の生活改善センターで行っています。高齢者の方が昔の生活を思い出せるように、伝統的な田植踊りを組み入れた田植え作業の様子や田畑の農作業に勤しむ農家の農耕生活の様子を寸劇のストーリーにしています。特に、働きを終えた牛が売られていく悲しさを演じる場面では、観客の涙を誘う光景を見ることもあります。寸劇の合間に唄や踊りを組み入れて40分以内の構成としています。踊りは日舞の先生の指導を受けながら練習し、舞台背景の制作に絵心のある先生の指導を受けながら仕上げています。「素人でもこれだけできるのか」との称賛の声を励みに、出演を続けています。
ポイント、工夫している点
出演内容の企画のもとに練習に励む
出演依頼があると代表から全会員に呼びかけて、出演の可否を決定します。時には会員以外にも応援を求めることもあります。公演は福井県内ならば要請に応じるようにしています。30数年間継続した会の評判が県内におよび、嬉しい悲鳴を上げながら練習に励んでいます。寸劇のストーリーは、毎回セリフや登場人物に変化を持たせ、観客を飽きさせない工夫を凝らしています。小道具や衣装、舞台背景などを運搬するのに協力者を必要としますが、幸い30数年の活動の実績により快く協力者が現れるようになりました。
課題と今後の展開
自分たちのできる範囲で人生の恩返し
直面している課題は経費の確保です。会員の会費で年間行事の費用を賄うことが難しくなっています。唯一の経費削減の助けは、衣装の制作を個人負担で賄っていることです。
区長会、老人会、社会福祉協議会、文化活動委員会などからの依頼があればできる限り応えようとしています。デイサービス、介護施設などの訪問も積極的に活動していく予定にしています。「地域でともに生活し、年を重ねてきた高齢者の方々に、自分たちのできる範囲で恩返ししていくつもり」ということを、会員は共通に認識しています。