NPO法人たすけあい遠州
~絶えず地域に目を向けて支援の手をさしのべる居場所~
団体名 | えぬぴーおーほうじん たすけあいえんしゅう NPO法人たすけあい遠州 |
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地域 | 静岡県袋井市 |
構成員 | 120名(65歳以上の者の占める割合:71%) |
活動概要 | 働く女性支援やたすけあいの仲間づくりを目的に、団体を設立。困った時はおたがいさまで、夕食の宅配や有償のたすけあい活動を始めた。介護保険開始後は有償活動を時間通貨(周)に換えてたすけあい活動を続けている。誰もが自由に出入りできる居場所を開いて、ランチも提供している。 |
表章の事例区分 | 支え合い活動 |
キーワード | 居場所/会食/高齢者を中心に日常のたすけあい活動 |
(注)構成員等は、平成25年4月1日時点
活動のきっかけ
働く女性を応援しよう
「働く女性を応援しながら、困った時に助け合える仲間を作ろう。各々の時間と知恵を出し合いながら、必要なことを必要なだけ支援する活動をしよう。」と賛同者34名で、平成7年に「ふれあい袋井」を立ち上げました。平成9年に「たすけあい遠州」と名称を変更し、平成12年に特定非営利活法人の認証を受けて「NPO法人たすけあい遠州」という現在の名称となりました。
居場所「もうひとつの家」は、平成11年、初代として住宅街にある2階建て住宅、2代目は旧東海道袋井宿西陣跡地の家、3代目は田んぼの中の300坪の敷地に平屋2棟、4代目は、平成21年に「駅前シャッターを上げて!」の声に応え、袋井市駅前通りでシャッターが下りたままの間口3.4m×奥行9mの空き店舗へ移転し、現在に至っています。
活動内容や現在の活動状況
配食から会食へ
最初に取り組んだのは、子育てをしながら仕事を頑張っている女性や親を看ながら働いている女性たちに夕食を届ける活動でした。高齢者からの要望も増えてきたので、2年後、小さな家を借りて厨房をつくり、営業許可を取り、「ごっつぉうハウス」と名付けました。地元の農家と野菜でつながり、精神障害者の社会復帰作業所の人たちは、この家の庭を使って「縁側ショップ」も始めました。
そんな時、「留守にする家を借りてほしい」という声がかかり、その家を「自分の家以外に、いつ来てもいい、いつ帰ってもいい、もうひとつの家」にしました。それが初代の「もうひとつの家」です。現在の「もうひとつの家」は駅前で、入口には「ひと休みしたい方、電車やバスをお待ちの方、待ち合わせの方、トイレを使いたい方 どうぞ」という張り紙がしてあります。毎週火曜日から土曜日、午前9時から午後5時まで、高齢者や世代間交流を行いたい人、200円~のランチを楽しみに来る人、袋井駅を利用する人、ふと立ち寄る人などの出会いの場となっています。
また、金曜日を中心にスタッフがそれぞれ「気になる人」をさりげなく訪問し、傾聴する「きんみみ」という活動も実施されています。
ポイント、工夫している点
時間通貨「周」を活用し、仲間の助け合い
子育ての応援、高齢者の支援など、日常的な課題に対応する有償のたすけあい活動は、介護保険がはじまるまで続けました。が、軽易な活動への感謝は「周」に「ありがとう」を添えて渡すだけということになりました。気軽に依頼し、気軽にたすけあえる「周」は仲間をつなぐ役割をこなします。
課題と今後の展開
絶えず地域の課題に目を向けて
目の前の小さな課題を女性たちの思いで解決できる場面もあれば、男性の応援が必要な場面に出会うこともあります。高齢者の「働く世代の応援」として活動を継続していこうとしています。
公的サービス制度が整備されたり、他団体などが同じ内容の活動を始めたりすると、その活動はそちらに任せることにしています。絶えず地域の中の課題に目を向け、その解決に向けて多面的に検討し、会員の意見を大切に実践することとしています。