桑名歴史案内人の会
~学んだ知識で観光振興と地域の活性化に貢献~

団体名 くわなれきしあんないにんのかい
桑名歴史案内人の会
地域 三重県桑名市
構成員 55名(65歳以上の者の占める割合:78%)
活動概要 観光振興と地域の活性化、会員相互の知識を高めることを目的に結成された。市の観光協会と連携して地域住民や観光客に市内の史跡や観光スポットの案内を実施している。また、地域イベントへの講師派遣も行っている。
表章の事例区分 地域行事、自治会
キーワード 観光ボランテイア/地域活性化

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

黄色いユニフォームを着て活躍中の案内人

観光振興と地域の活性化を目指して

 「桑名歴史案内人の会」は、平成7年から9年に桑名市が募集した観光ボランティア養成講座の修了生により平成10年4月1日に発足しました。地域住民はもとより桑名を訪れる観光客に名所旧跡の案内を行うことで観光振興と地域活性化に貢献し、併せて、会員相互の知識を高め合うことを目的に、自主ボランティアとして結成されました。
 桑名市内には、伊勢湾へと流れる長良川、揖斐川、木曽川が流れており、「水と緑と歴史が育む豊かな快適交流文化都市」を掲げる市にふさわしい観光名所が点在しています。

活動内容や現在の活動状況

明治期の洋館と池泉回遊式庭園
からなる六華苑案内


七里の渡し跡~長良川~木曽川の遊覧案内

多彩な観光コースで活躍する案内人

 観光案内を希望する場合、1週間前までに電話やファックスで申し込むと、桑名市内であればどこへでも無料(交通費実費は負担)で史跡案内やコース選択のアドバイスを受けることができます。
 桑名市内には旧跡の観光名所として、東海道42番目の桑名宿にある七里の渡し跡と伊勢路への玄関口に位置する最初の鳥居「伊勢国一の鳥居」や東海道道筋、市内20か所の神社仏閣、博物館、石取祭りを紹介する石取会館、桑名城跡地の九華公園、明治期に交通の要所として栄え、船宿の経営から米穀業を行ったり田畑を開墾して山林を植林したりして大実業家となった諸戸清六氏が建築した洋館、和館、蔵などの建造物と「池泉回遊式」日本庭園などからなる六華苑など数多くの場所が保存されています。
 国重要文化財の六華苑には、案内人が常駐しており、入苑者を案内しています。桑名から熱田までの七里の渡し、長良川や木曽川の水郷を遊覧しながら行う遊覧案内も行っています。その他、市内の団体やグループから定期的、または個別の要請に応え、案内人講師の派遣や高齢者を対象とした講座も行っています。「桑名歴史案内人の会」が、ウォーキングも兼ねて特別企画したコースを一般募集して案内する企画案内も年2回実施しています。モデルコースとして「東海道伊勢路への玄関を歩く」、「文人たちの足跡を訪ねて」、「風薫る山辺の道、古刹を訪ねて」、「今も残る夢のあと城下の町」、「水郷と大正ロマンの舘」などがあります。
 参加呼びかけは、行政と連携して市広報紙やチラシなどで行っています。また、観光協会や地域との連携を大切にし、地域で開催される各種イベントに参加協力し、周辺の案内を実施しています。
 平成24年度の案内実績は、申込件数は1,232件、案内人数13,822人、案内人の出動延べ人数は1,095人となっています。

ポイント、工夫している点

やりがい、生きがいをモットーに

 案内人会員への研修を大切にしています。現在55名の会員向けの知識のレベルアップを図る自主研修会を年2回行うことに加え、研修旅行も実施しています。さらに、市が会員を対象に行うフォローアップ講座にも年2回参加することとしています。機関紙も年2回発行しており、研修の成果は企画にいかされています。
 会員の平均年齢は69歳で、働いている人でも会員になることはできます。男女の比率は3:2となっています。新規会員の募集は数年間隔で市の広報紙を通して行っています。やりがい、生きがいをモットーに観光案内や研修を行っているのが特徴です。

課題と今後の展開

一人でも多くの観光客に喜んでいただけるように

 何よりも会員の高齢化が課題です。これからも観光ガイドの経験と知識を発揮して一人でも多くの観光客に「桑名の名所旧跡に来て新しい発見があってよかった」、「初めて訪れていろいろと学ぶことができた」、「ガイドに載っていない説明がよかった」、「楽しかった」などの声に励まされながら、おもてなしの心を大切に継続していきたいと考えています。