囲碁ボール 普及指導グループ
~簡単なルールで楽しめる囲碁ボールの普及活動~

団体名 いごぼーる ふきゅうしどうぐるーぷ
囲碁ボール 普及指導グループ
地域 兵庫県丹波市
構成員 25名(65歳以上の者の占める割合:92%)
活動概要 兵庫県丹波市で考案された囲碁ボールは、人工芝マットの上でスティックを使って行う五目並べのようなもので、誰もが簡単にできる競技である。親子のふれあいや心の体操、健康づくりができるスポーツとして最適と考え、普及活動や指導を行っている。
表章の事例区分 健康、スポーツ
キーワード 囲碁ボール/地域おこし/スポーツ振興/身体の健康/心の健康

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

のじぎく兵庫国体での大会の様子

「地域おこし」と「スポーツ振興」を目的に

 兵庫県丹波市柏原町は、その昔、囲碁の好きな殿様同士が、村人の領地争いを碁の勝敗によって決めたという故事があります。その故事にちなんで「囲碁のまち柏原」をアピールするまちおこしとして、平成4年4月に「地域おこし」と「スポーツ振興」を目的に囲碁ボールが考案されました。その指導と普及の役割を担ったのが「囲碁ボール 普及指導グループ」です。平成18年に兵庫県を会場に開催された「のじぎく兵庫国体」においてデモンストレーション競技として実施されたのを契機に、全国普及に向けた活動となりました。

活動内容や現在の活動状況

子どもたちがプレーに夢中の様子


囲碁ボール大会の光景

簡単なルールで世代を超えて楽しめるスポーツ

 囲碁ボールは、子どもから高齢者まで、誰でも楽しめるニュースポーツです。幅2m、奥行き5mの人工芝マットで、直径7cmのプラスチック製ボール白黒各10個を木製のスティックで打って、縦、横、斜めのどれかに5個並べる(五目並べ)ことを競い合うスポーツです。わかりやすいゲームであるとともに、考えながら打つ奥の深いゲームでもあります。競技方法は、シングルス(1対1)、ダブルス(2対2)、トリプルス(3対3)が基本的な対戦方法ですが、その他参加人数に応じた変則的な競技もできます。
 普及指導グループは、20年の指導経験を有するグループです。囲碁ゲームを考案した当初からのメンバーで、自主的に構成されています。平成24年11月には、第53回全国スポーツ推進委員研究協議会長崎大会で、全国からの参加者3,000名の前で囲碁ボールを発表しました。また、平成25年3月に鳥取県大山町で講習会と体験会を開催しました。さらに、囲碁つながりで神奈川県平塚市とも交流を図り、普及活動を行っています。
 囲碁ボール普及協会が地元の柏原町にあり、毎年定期的に地元住民を中心に県内からの参加者も含め、囲碁ボール大会が開かれています。

ポイント、工夫している点

心の健康を大切に

 囲碁ボールには次の3つの特徴があることにポイントを絞って普及指導に当たっています。
 第1にルールが簡単であることです。子どもから高齢者、障害がある人まで、だれでもプレーすることができるため、世代間交流として、親子のふれあいとして、頭の体操として、身体の健康のみならず心の健康(明るく楽しい)として普及しようとしています。
 第2に一発逆転の楽しみがあることです。途中まで負けていても、最後の一球で大逆転できることもあります。反対に、相手チームの逆転プレーにより負けることもあります。最後までプレーに手を抜けない面白さがあります。
 第3にプレーをしている人はもちろんのこと、周りで観戦している人も面白さを味わうことができます。
 平成7年の阪神淡路大震災後、心のケアの一環として、囲碁ボールの用具を神戸市長田町に寄贈し、ゲーム指導を行いました。また、東日本大震災後にもボランティア活動として、気仙沼市と南三陸町へ囲碁ボールの用具を寄贈しゲーム指導を行いました。場所を選ばず、少人数で、短時間にプレーを楽しめると好評でした。

課題と今後の展開

全国へ向けて情報の発信

 囲碁ボール自体が、まだまだ全国的に知名度が低いのが課題です。NHKテレビや民放テレビでも紹介されましたが、何よりも体験することを重視し、「いつでも」「どこでも」依頼があれば講習会や体験会に出向いてゲーム指導を実施するようにしています。今後の展開として、高齢者向けに老人クラブや福祉施設への普及活動を行おうとしています。また、全国普及に向けて、1年に1回は兵庫県外で講習会及びスポーツ交流をしようとしています。