よこはまホタル村
~20年の歳月をかけて日本一のホタルの里づくり~

団体名 よこはまほたるむら
よこはまホタル村
地域 青森県上北郡横浜町
構成員 60名(65歳以上の者の占める割合:67%)
活動概要 横浜町ホタルの会と吹越老人クラブが「よこはまホタル村」を立村し、ホタルが増殖生殖する豊かな自然環境を保護してきた。子どもたちとイベントを通して世代間交流を行い、地域おこしにもつながっている。
表章の事例区分 生活環境改善
キーワード ホタル/環境保全/世代間交流/地域おこし

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

「ホタル&湧水まつり」の流しそうめん

日本一のホタルの里づくりを目指そう

 横浜町は、自然豊かな環境に恵まれ、ゲンジボタル、タガメ、カブトムシ、ハグロトンボ、オオツノトンボ、ヤマキチョウ、キリギリスなど、北限の昆虫の生息地としても知られています。平成元年に設立した「横浜町ホタルの会」が、湧水に恵まれ、ホタルの増殖生殖に適している吹越地区の吹越老人クラブに呼びかけて、賛同の有志で北限のゲンジボタルにこだわった「日本一のホタルの里づくり」を目指そうと「よこはまホタル村」を平成5年5月30日に立村しました。
 「よこはまホタル村」は、自然環境保全のシンボルとして、ホタルの保護増殖や環境保全活動を行うとともに、ホタル村村民の親睦を図るとともに広く環境保全や、さまざまな活動に取り組み、そのアイディアと実践の努力が積み重ねられ今日に至っています。

活動内容や現在の活動状況

世代間交流の一環で田植えの体験


ホタル村ビニールハウスでスイカの収穫

青森県より天然記念物の指定

 開村と同時に、専門家の指導のもとに休耕田を利用したホタルの屋外飼育場の整備、人工飼育、続いて屋内飼育場の整備、幼虫を放流する河川の環境整備など年間を通した活動が展開されてきました。これらの活動は、村民だけではなく、地域の子ども会や老人クラブと共催する世代間交流の形でホタルの住める環境づくりをテーマに進められてきました。中でも、小中学生とその父母の参加を得て、「河川や道路の浄化運動推進共同宣言」を行い、町あげての取り組みも行われました。
 一周年を迎えた平成6年には、童謡「ホタル来い」の記念碑を建立しました。平成7年には、青森県内に生息するホタルの保護増殖や環境保全活動、情報交換と会員の親睦も図ることを目的に、よこはまホタル村の呼びかけで「青森県ホタルの会」を結成して現在5団体が加入しました。今でも目的を達成するための活動が続けられています。
 平成8年5月には、ホタルの保護活動の成果が認められ、青森県内初めての「横浜町ゲンジボタルとその生息地」として、青森県から天然記念物に指定されました。
 そして平成15年には、開村10周年を記念して「あおもりホタルサミット」を「よこはまホタル村」で開催し、ホタル談義、サミット宣言、情報交換の貴重な場の提供を行いました。
 活動の輪は青森県内のみにとどまらず広がりを見せ、東京都小金井市の野川ホタル村、横浜市ホタルの会、横浜市三ツ沢小学校と隔年ごとの交流も行われています。

ポイント、工夫している点

多彩な催しで地域おこし

 県外からも多くの人たちが参加する行事として、そして、子どもから高齢者までが楽しめる行事として「ホタル&湧水まつり」があります。3日間の日程で、ホタルにまつわるミニ講和、もちつき踊り、ホタルに関する○×クイズ、流しソーメン、湧水で淹れるお茶会と湧水コーヒー、屋内飼育場の見学と観蛍会、青空市場の開設など盛り沢山の催しが展開されます。
 世代間交流は、小学校児童と老人クラブ会員などが田植えをしたり、屋内飼育場で小学生がホタル守り隊事業として人工飼育に取り組んだり、ホタル村ビニールハウスで子ども会野菜種まき作業体験をしたりと多彩な事業が展開されています。地域内外の小学校を訪問して、ホタル村の実践活動を紹介して交流を図り、ホタルが幼虫から飛び立つまでの気温や水温、そして飛翔数などを調べるホタル探検隊を子ども会に派遣する事業が続けられています。

課題と今後の展開

国の天然記念物の指定に向けて

 連携パートナーである小学校が平成28年に廃校になる予定であることや、実働部隊の老人クラブ員の高齢化が進み各種活動がスピードダウンしていることが課題にあげられています。
 今後の活動計画に次の5つの基本方針を掲げています。<1>ホタルとカワニナの生息地を調査して人工飼育を成功させる、<2>町には花鳥木魚があるように「昆虫」に「ゲンジホタル」を制定するように働きかける、<3>国の天然記念物の指定を受けるように働きかける、<4>ホタルとボウフウによる環境保全推進事業を実施する、<5>ホタル保護基金を推進させる、です。これらの方針とともに、各種活動の継続と発展を表明しています。