佐波の里山サポートネット
~荒廃した里山を再生するボランティア活動~

団体名 さばのさとやまさぽーとねっと
佐波の里山サポートネット
地域 山口県防府市
構成員 20名(65歳以上の者の占める割合:100%)
活動概要 市内の三谷森林公園近くの山林を中心に、月1回程度整備作業を行っている。また、子どもも大人も安心して自然を楽しめるよう、遊歩道の整備、植樹などを進めている。
表章の事例区分 生活環境改善
キーワード 下草刈り/間伐/植樹/遊歩道整備

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

作業日に集合した会員

里山に人が安心して入れるようにしよう

 里山も竹林も個人所有が多く、地権者の高齢化や山林や竹林関係の産物の低価格が進み、手入れもされない状態になっています。竹林は繁殖力が強く、放置しておくと山林を荒廃化させ、日が入るのを妨げ樹木を枯らしてしまうこともあります。
 「利用可能な竹林に戻し、民家近くの山林を人の入れる里山に復活させ、子どもたちも遊びに出かけることができるようにしよう。」、「自分たちの力を少しでも人間と共生する場に戻すことに使えたら、更には自然環境の保護の面から意味のある活動になる。」と、同じ企業を退職した者の中から有志が集まって、平成20年7月24日に会を結成しました。

活動内容や現在の活動状況

枯れた木の根の掘り起こし作業


樹木医から「きずなの森」の樹木について学ぶ光景

人間と山林が共生できるふれあいを楽しもう

 荒廃した市内の三谷森林公園近くの山林を中心に、旧山陽道や天神山登山道、右田ヶ岳登山道などの整備を月1回程度、平成18年から防府ロータリークラブ及び防府竹林ボランティアと協働しながら、3~4名で下草刈りから始めました。現在では20名の会員となりました。
 毎月第3月曜日、午前9時から午後3時までを活動日と定めています。参加はあくまでも自分の体調に合わせて無理をせず、自己決定で参加するようにしています。
 作業内容は、笹竹、小樹木の伐採、除去、一般間伐、除草、枯れ木整備、花木植樹、小道整備などです。子どもやお年寄りが新緑や紅葉、秋には栗やキノコの収穫など自然とのふれあいを楽しめる場となることを目指し、定期的な活動を続けています。平成21年に「里山再生実験林」と命名して始めた整備作業は、平成23年に「佐波の里山きずなの森」に改称するまで整備は進められました。防府竹林ボランティアの皆さんの協力で竹林の整備と保全方法を学び、下草刈りに使用するチェンソーの操作技術、遊歩道に敷き詰めるためにチップを作るチッパー機の操作技術などを習得しながら整備を進めました。
 花木植樹は、ソメイヨシノ、山桜、イロハモミジ、コブシなどを企業や団体、会員からの寄付及び市からの無料配布などで進めています。
 平成25年4月28日に、防府ロータリークラブとの協働で整備してきた里山「佐波の里山きずなの森」について、お披露目というような華々しいものではなく「こんなところができたのでみなさんいつおいでになっても結構ですよ」という案内の下に集う会が開催されました。

ポイント、工夫している点

関連諸団体との協働を大切に

 整備を進めるのに必要な財源確保には、役員会で協議し、山口きらめき財団、山口県森林づくり活動支援事業補助金などを受けながら進めています。会員は、手弁当でボランティア保険代として年間会費1,000円としています。
 関連団体との連携も大切にし、「佐波川水源の森」、防府太平山の「ふれあいの森」での植樹協力を行っています。平成21年から平成23年まで防府ロータリークラブ、防府あすなろRCC、住友信託銀行山口防府支店、防府竹林ボランティア、地元田の口自治会との協働作業日も設けながら整備を進めました。その後も協同作業は続いています。竹林・里山のみならず川や海などを含めた自然環境と人との共生をテーマとして活動の輪が広がり、住みよく、楽しい環境に再生する啓蒙活動としても行われています。

課題と今後の展開

自然とふれあい、学びの場となる整備を目指して

 会員の平均年齢が70歳となり、体力を必要とする活動でもあるので、若い人材の募集と会員の増加を図ることが課題です。今後は整備した里山を活用して自然とのふれあい、学びの場となるようにさらに整備を進めていこうとしています。そして、子どもの遊び場を作る計画を立てています。