これかた会護法太鼓
~郷土芸能として後世に継承される和太鼓を目指した活動~

団体名 これかたかいごほうだいこ
これかた会護法太鼓
地域 愛媛県宇和島市
構成員 17名(65歳以上の者の占める割合:100%)
活動概要 10日に1回の練習により、敬老会や金婚祝賀式などの地域イベントに出演している。太鼓を叩きながらユーモラスな踊りを取り入れ、元気高齢者の明るさと楽しさを発信し、自立した活動を目指している。
表章の事例区分 趣味
キーワード 和太鼓/郷土芸能伝承

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

これかた会護法太鼓のメンバーの皆さん

和太鼓の寄贈を受けて独自の演奏を楽しむ

 和太鼓ブームを背景に、自分たちでも和太鼓を演奏してみたいという軽い気持ちから鶴島老人クラブ有志8名で練習を始めました。そして、平成17年11月に開催された宇和島市老人クラブ連合会主催の高齢者スポーツ大会において日頃の練習の成果を発表する機会を得ました。演奏のレベルはひどいものであったと反省するのでしたが、出演者にとっては楽しく充実したものであり、この経験を踏まえて、活動を継続していこうとメンバーの意志を確認し合いました。

活動内容や現在の活動状況

外国船寄港時の歓迎パレードで演奏している光景


和太鼓に合わせてユーモラスな踊りを披露

見る人も演奏する人も共にハッピー

 平成18年に地元の児島家から和太鼓が寄付されることになりました。寄贈された太鼓は、平銅太鼓1張、胴長太鼓4張、締メ太鼓4張でした。地元公民館を拠点に、地域の太鼓演奏指導者に指導を依頼し、10日に1回程度の練習を楽しみながら演奏のレベルアップを図っています。会員数も17人に増え、最高年齢96歳、平均年齢80歳と全国でも数少ない高齢者による和太鼓集団といえます。「楽しく・明るく・元気よく」をモットーに、明るい街づくりの一役を担おうとしています。こうした活動は、「いきいきとした元気高齢者の創造」を掲げる地域の目標とも合致しています。
 市内を中心に地区主催の敬老会、市主催の金婚祝賀式、外国船寄港時の歓迎パレード、文化祭、地域の祭りなどで年間12回ほど演奏しています。
 衣装は会員の手縫いで、着けているお面(七福神)は旅行先で買い求めたものです。太鼓を叩きながらの移動や踊りはユーモラスで、会員の明るくいきいきと和太鼓をたたく表情から、会員全員がこの活動を心から楽しんでいる様子が伝わってきて、観衆をハッピーな気持ちにさせてくれます。

ポイント、工夫している点

自主・自立を目指した運営

 月1,000円の会費と出演謝礼金などで会を運営しています。出演機会を確保するために代表者が中心となり、市や地域行事の主催者へ出演の働きかけをしています。会の名称の由来でもある郷土の偉人「児島惟謙(これかた)」の功績を語り継ぎ、郷土への誇りを大切に、現在も定期的に太鼓演奏の指導者に指導を仰ぎ、練習に励んでいます。自主的かつ自立した活動を継続しています。

課題と今後の展開

新しいまちづくりを目指して

 平均年齢は80歳と高いけれども、これまでどおり市の催しや地域の行事、児童との交流など積極的に実施していこうとしています。会員の募集は老人クラブや知人などへの声かけによって行っています。
 新しい街づくりの活動として、幼児や小・中学生との交流などにも積極的に参加しようと計画が立てられています。こうした地域に密着した活動により、後継者の育成にもつなげていこうとしています。

地域の祭りで披露している光景

 〔これかた会護法太鼓のいわれ〕
 明治24年に発生した大津事件の際に宇和島出身で司法権の独立に貢献し、「護法の神」と高く評価された大審院長・児島惟謙(これかた)氏の生誕170周年を記念して、平成18年に児島家から、和太鼓が寄贈されることになりました。その太鼓を護法太鼓と命名し、鶴島老人クラブのメンバーを中心に惟謙氏の名前を頂き太鼓集団「これかた会」を結成したのです。