古賀子ども塾
~地域の自然と人との関わりを大切に子どもの成長を見守る活動~

団体名 こがこどもじゅく
古賀子ども塾
地域 佐賀県杵島郡白石町
構成員 20名(65歳以上の者の占める割合:75%)
活動概要 平成15年度に「地域住民が学校と連携して、地域の子どもを見守り育む」という趣旨で活動を開始し、11年目を迎える。地域の寺を会場に座禅修行、勉強会、食事会、生活体験学習が年間8回実施されている。
表章の事例区分 支え合い活動
キーワード 禅修行/勉強会/食事会/生活体験学習

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

生活体験学習でハゼ釣りの光景

子どもの心身の成長を地域住民で支援しよう

 平成15年、「完全学校週5日制」に対応したモデル地区として、「地域住民が学校と連携して、地域の子どもを見守り育む」という趣旨で活動を始めました。
 自分たちが子どもの頃に体験したことを子どもたちに体験させたいと考え、地域の自然や人との関わりの中で、心身の成長を支える子育て支援を地域住民で行おうとしたのがきっかけでした。
 モデル事業は、1年間でしたが、地域の保護者からの「継続してもらいたい」との強い要請により、現在も継続しています。

活動内容や現在の活動状況

案山子づくりの後、畑に立てる光景


朝食を準備するサポーター

地域との結びつきを大切にした活動

 活動は年間8回実施されます。禅修行、勉強会、食事会の基本活動と生活体験学習が、1回の活動内容です。基本活動は毎回行い、生活体験学習は、8回の内4回は固定した活動を、残りの4回は話し合いの上で実施するようにしています。
 地域のお寺を会場に、午前6時30分から30分間の座禅修行を、住職の指導の下に行います。7時10分から45分間は勉強会で、紙芝居とお手玉教室や折り紙、そして講話などとなっています。この講話は年中行事の由来を主に題材としており、3月にはひな祭り用に「お内裏様とお雛様」を折り紙で作り「桃の節句」について、5月には「かぶと」を折り紙で作り「端午の節句」の話をとりあげました。そのほか、正月に餅を供える意味や門松についてなど、その季節に合った様々な題材をとりあげ、子どもたちの関心を引き付けています。また、食事に感謝することを、禅の教え「五観の偈」(ごかんのげ)から学ぶこともあります。8時10分からは、サポーターのおばあちゃんたちが準備したおにぎりとみそ汁に感謝しながら朝食をとります。9時25分から11時30分までは生活体験学習の時間となっています。例えば、地域に伝わるカラス除けの案山子を作って畑に立て、案山子についてその意味を学びます。「もちつき」体験をするときには、もちつきの前に「大根のおつゆ」を作るため、だし汁にする「ハゼ釣り」体験を行います。陶芸家の専門家による指導を受けながら陶芸体験も行います。
 地域の敬老会運動会には、ふれあい運動会として古賀子ども塾の子どもたちも参加しており、世代間交流と地域交流の一役を担っています。平成20年から、定例会とは別に、春と秋に水路周辺の除草作業を婦人会と合同で景観形成作業(花苗植え)として実施しています。

ポイント、工夫している点

11年間活動を継続した原動力は地域力

 日本の伝統行事と地域の代表的な祭りをはじめとするいろいろな行事について、その意味や内容を理解することは、自分たち日本人の在り方、あるいは日本の文化を考える試みと考えています。勉強会と生活体験学習とが連携してカリキュラム化されているところに特色があります。低学年から高学年までが一緒に考え、物を作り、行動をともにする過程で、自然に助け合いや協力の大切さを学ぶことができます。
 毎年5月に、社会体育加入者や学校行事の年間計画を確認してから、保護者へ案内状を出しています。学校教育と社会教育の連携を大切にしています。
 豊富な生活体験、社会奉仕体験、自然体験などを経験することにより「生きる力」を育むことになります。多様な交流活動や親子で参加できる活動で、子どもたちに正義感や道徳観が身に付くことを、サポーターは期待しています。11年間活動が継続された要因は、さまざまな経験の持ち主であるサポーターの地域力に負うところが大きいといえます。

課題と今後の展開

世代間交流をキーワードに

 地域老人会との世代間交流として、花壇と柵づくりを継続的に実施していこうと計画しています。伝統的な行事の由来と地域との結びつきを伝えていく活動を実施しようとしています。