益城町配食ボランティア
~食生活の改善と健康増進を守り続ける配食ボランティア~

団体名 ましきまちはいしょくぼらんてぃあ
益城町配食ボランティア
地域 熊本県上益城郡益城町
構成員 31名(65歳以上の者の占める割合:71%)
活動概要 益城町の食の自立支援事業において、平成6年から配食ボランティアによる利用者宅への弁当の配達を開始した。一人暮らし高齢者などに食生活改善と健康増進を目的に、週2回、年間4,300食の配達を行っている。
表章の事例区分 福祉、保健
キーワード 配食サービス/安否確認

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

ボランティアからお弁当を受け取る利用者

安否確認を兼ねた配食サービス

 益城町の食の自立支援(配食サービス)事業は、昭和56年4月より、配食サービス事業として町が運営主体となり開始されました。
 この事業は、平成2年に益城町社会福祉協議会(以下、社協と省略)に委託されることとなりました。この事業委託を機に、社協では利用者の安否確認を目的として、ヘルパーの手から利用者の手へ直接お弁当を届けるという形での見守り活動を開始、サービスが拡大し、平成6年に社協のヘルパーとボランティアとで「益城町配食ボランティア」が発足することとなりました。

活動内容や現在の活動状況

年2回の配食ボランティア交流会


ボランティアからお弁当を受け取る利用者

ボランティア交流会で視野を広める

 配食サービスを受けられる対象者は、自分で調理ができない方又は困難な方、おおむね65歳以上の一人暮らしの高齢者又は高齢者世帯、身体障害者のみの世帯又は障害者が属する世帯でサービスが必要と認められた方となっています。
 利用者が負担する食事代は1食300円です。調理部門は、社協が委託をした専門業者により、食の安全性が確保されています。毎週火曜日と木曜日、午前11時から12時に、約10人のボランティアが、配食サービスを担当しています。
 配食サービスの目的では、「一人暮らし高齢者などに食関連サービスを行うことにより、食生活の改善と健康増進を図り、在宅で自立支援に資する」と定められています。また、配食時の利用者の安否確認も重要な活動の一つとなっています。訪問時に体の不調を訴えられる高齢者や実際に室内で転倒されていた時に早期に対応できたこともありました。
 社協では、年に2回、配食ボランティア交流会を開催しています。配食サービス中に体験したことの発表や情報の交換、ボランティア同士の交流などを通して、配食サービス時に気を付けるべきことや高齢者と接するときの心構えなど、ボランティアとしての共通認識を確認し、今後のボランティアに役立てようと努めています。また、この時、社協に寄せられた利用者やそのご家族から寄せられた感謝の手紙も発表され、配食ボランティアの大切さや必要性を改めて認識し合う場にもなっています。

ポイント、工夫している点

真心を手渡しで届ける

 年間に提供される弁当の数は、4,300食に上ります。利用者の食生活改善と健康増進、安否確認を目的に、休むことなく、フェイス・ツー・フェイスの関係を大切にして、サービスを提供しています。また、配食サービス時に、ボランティア手作りの手土産(いちご大福、ホウ酸入りだんご、植えつくり、絵手紙作成など)をお弁当に添えることによって、高齢利用者と会話のきっかけとなることもあり、週2回のお弁当配布の日が、一人暮らし高齢者や外出が億劫になりがちな高齢者世帯、身体障害者などサービス利用者の楽しみとなるように心がけています。

課題と今後の展開

地域を支えるボランティアの体験を一人でも多くの住民に

 配食ボランティアの新規申込者が減少していることで、ボランティアの人員が減少傾向にあります。益城町の高齢化率は、23.5%(平成24年3月末)とほぼ4人に一人が高齢者で、今後もサービス利用者の増加が予測されます。それに伴うボランティア人員の確保が課題となっています。
 結成当初から、実践の配食サービスがボランティアの養成の場として位置づけられています。配食サービスのボランティア活動で利用者に接することを通して、その必要性と重要性を体感してもらうと同時に、食の大切さへの理解を深めたり、ボランティア同士の交流の場としてボランティア交流会や勉強会などの活動を継続して行っており、後継者の育成にも努力しています。
 ボランティアの募集は、町の広報紙や社協だより、社協のホームペジでも参加を呼びかけています。ボランティア一人ひとりの協力が、地域を支える原動力となっていることを一人でも多くの住民に知ってもらえるように活動を続けていこうとしています。