NPO法人 えにわ市民プラザ・アイル
~市民レベルでできる提言でまちづくりの実践~
団体名 | えぬぴーおーほうじん えにわしみんぷらざ・あいる NPO法人 えにわ市民プラザ・アイル |
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地域 | 北海道恵庭市 |
構成員 | 124名(65歳以上の者の占める割合:70%) |
活動概要 | 市民と行政の協働による地域の活性化のため、市民が集い、交流を深め、各自の趣味、特技、芸術などを発表する場を提供している。「つながるカフェ」などを展開し、利用者数は1か月平均1,500人にのぼる。 |
表章の事例区分 | 支え合い活動 |
キーワード | まちづくり/居場所づくり/コミュニティレストラン/マイショップ |
(注)構成員等は、平成25年4月1日時点
活動のきっかけ
市民の情報を収集し発信する拠点
法人代表が定年退職の定住先を恵庭市と決め、恵庭市について詳しく知ろうとした矢先に、「恵庭まちづくり市民委員会」の公募を知り、応募したところ委員に選ばれました。そこで委員として60回におよぶ会議で議論された内容をまとめ、場の創設についての提言書を作り上げたことがきっかけとなっています。
提言の具体的な内容は、市民が集い、交流を深める中から各自が持ち合わせている趣味、特技、芸術などの情報が自然体で集まり、多方面にわたる活動、発表する場を積極的に提供していこうというものでした。
活動内容や現在の活動状況
地域と地域をつなぐ拠点
平成19年4月、「市民が集う場」、「憩える場」、「交流の場」、「学びの場」、「情報収集と発信の場」となる拠点の運営を担うために、NPO法人えにわ市民プラザ・アイルが創立されました。
まちづくりを主体にした施設を拠点に、スタッフ3名とボランティアで主に<1>つながるカフェ、<2>コミュニティレストラン、<3>多目的ホールの運営が行われています。
<1>つながるカフェ:市内のほとんどが子育て中のお母さんが、子育てについて相談し合う場所がないという課題を抱えています。そこで、市と協働による「つながるカフェ」を運営し、自由にコーヒーを飲みながら交流を深めることができるようにしています。
<2>コミュニティレストラン:集まった方々で料理を楽しんだり食事をしたりして交流を深めています。不定期ですがパンやピザを作る講習会も開かれています。
<3>多目的ホール:ホールの壁を利用し、13個のボックスを設置して「マイショップ」と名付け、手作りのバッグや衣類、装飾品や食器などを、リサイクルを目的に陳列しています。利用料は月500円です。また、文化、芸術の発表の場として、日頃から培った練習の成果を披露しています。手工芸の達人による講習会を受けて仕上がった作品を展示し、希望者には販売もしています。
このような場は、1か月に平均1,500人が利用し、平成24年度の年間利用者数は14,600人となりました。
ポイント、工夫している点
市民の声に耳を傾けて提言をまちづくりにいかす
「つながるカフェ」での情報交換の中から、行政と連携したまちづくりを実現させようとしています。その一例として、恵庭駅周辺の活性化につなげるためにプチ・ギャラリーを開設したり小物展示会を開催したりしました。また、冬の催事として広場に2,500本のキャンドルを点灯して市民に憩いの場を提供したり、市内地図に市民お気に入りスポットを自由に書き込んだご勝手マップを作成し、市内の観光スポットを紹介したりしています。
平成23年3月に発生した東日本大震災後には、福島県から転居・移住してきた12世帯32名の支援活動を市と連携して行いました。その後、親子七夕まつり、子育て支援、家庭訪問を行い被災者の生の声を聴いて、支援活動を継続しています。
行事を企画し実施の参加を呼びかける広報活動は、独自の案内書を作成し会員とその知り合いに配布する他、公共機関での掲示や市広報誌を全戸配布することで、関係するグループの行事計画、実施内容の周知、実施状況報告を市民に伝えるシステムが出来上がっています。
課題と今後の展開
「つながるカフェ」からまちづくり
ボランティア活動を主体に取り組んできたまちづくりを柱とした活動の輪を、より広いものにすることを課題としています。この課題に向けて目下開催中の「にぎわいを創造する社会実験」を恵庭駅前で成功させることとしています。この社会的実験は、例えば、掃除洗濯、食事づくり、買い物、ガラス拭き、部屋の整理整頓、電球の交換、保育園の送迎、通院介助、散歩同伴など、市民の日常生活上の多種多様なニーズ、さらには、「ひきこもり」、「孤独に過ごす」人々が、心身の健康と認知症予防のため、積極的に外出するように食事をしながら交流するシステムを創出しようとしています。