町田シニアクラブ学童安全パトロールグループ
~安心して生活できる地域を目指して次世代の子どもたちを見守る活動~

団体名 まちだしにあくらぶがくどうあんぜんぱとろーるぐるーぷ
町田シニアクラブ学童安全パトロールグループ
地域 栃木県足利市
構成員 74名(65歳以上の者の占める割合:100%)
活動概要 小学生の下校時の安全確保のために安全パトロールを実施している。また、通学マナーや自分で自分を守ることの大切さも指導している。自主的に随伴下校している。
表章の事例区分 支え合い活動
キーワード 子どもの見守り/交通安全

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

児童と随伴しながら安全誘導する光景

児童を交通事故や犯罪から守ろう

 足利市五十部町(よべちょう)町田は、平成23年に足利赤十字病院が開設されたことに伴い、交通量が激増しました。特に、小学校への道は、通学児童全員が使う通学路であるにもかかわらず、狭く、自動車と歩行者が接触する事故が多発する難所でもあります。
 学童がこの交通難所を通学しなければならないことから、交通事故から子どもたちを守ることに関心が高まっていました。また、県内で、学童誘拐事件が発生したこともあり、学童の登下校時の犯罪の危険を未然に防ごうとの関心が高まっていました。

活動内容や現在の活動状況

交差点での安全誘導中の光景


車がすれ違うと歩道は完全にふさがれる道路の状況
(写真右側が歩道)

交通事故減少が活動の自信につながる

 こうした状況を地元でつぶさに観察し、事故をなくそう、危険を未然に防ごうとの思いから、足利市に対して、車道と歩道を区別する白線、通学路という表示ポールの設置などを提案し、実現しました。しかし、「いつか学童が交通事故の犠牲になるのではないか」と心配する話題は高まっていくばかりでした。
 そこで、先ずは町田シニアクラブ会員の有志で、学童の下校時に、緑の安全帽子を被って散歩がてら学童の安全パトロールを始めました。平成22年3月から、1日に3名で学童の下校時に安全パトロールを開始し、現在までパトロールは続けられています。
 登校時には、父兄が安全見守り指導にあたっていますが、下校時は共働き家族も多く、見守り指導に当たる人がいない状態になっていました。昼間の時間を有効に活用できる高齢者が、下校時に安全パトロールを行うことで学童を交通事故から守ろうと、町田シニアクラブ会員8名が、1日に3名のローテーションを組んで、主に小学1・2年生の下校時に隊列の先頭、中央、後尾について安全確保に努めています。学童の下校時に多い時には20名が通ります。
 平成22年3月からほぼ3年が経過しました。近年の活動実績記録を見てみると、平成24年5月から12月21日まで103日間に町田シニアクラブ会員の出動延べ人数は354人と記録されています。町田シニアクラブの安全見守りが始まってから事故が発生していないことに、学校、保護者、地域住民から感謝の声が上がっており、見守り活動は高く評価されています。

ポイント、工夫している点

自分の身を守る大切さも助言

 安心して生活できる地域であることを願って次世代を担う子どもたちを見守ろうとしています。毎日の安全見守り指導の状況は、記録担当者を決めて記録されています。
 交通事情が変化する地域において安全確保に努めるだけではなく、通学マナーについても指導しています。また、登下校中に誘拐や犯罪が起こらないよう、自分で身を守ることも大切であることも指導しています。日常的に顔見知りの地域の高齢者の方々が、通学路で安全見守りに立ってくれること、あいさつを交わしてくれることは、感謝の気持ちを自然に芽生えさせることにもつながっているといえるでしょう。

課題と今後の展開

賛同する会員確保に努め、事故を未然に防ごう

 シニアクラブ安全パトロールグループは、町田シニアクラブの活動の一つです。3年間の活動の成果は、地域に定着しているといえます。何よりも、活動を始めてから事故が1件も起こっていないことが活動を継続する自信につながっています。歩道上を誘導する方法や交差点での安全確認の仕方などをクラブ員が互いに学び合い、身に付けたことの成果でもあります。
 クラブの代表が企画・運営にあたっていますが、賛同する会員の確保にも努め、世代間交流として、事故を未然に防ぐ安全パトロールが継続できるよう努力しています。