~げんき朗人が高齢者を支える支援活動~

団体名 なんでもやろうかい
なんでもやろう会
地域 岩手県奥州市
構成員 14名(65歳以上の者の占める割合:79%)
活動概要 老人世帯・独居老人世帯が急増するなか、引きこもりや孤独死等の防止、高齢者の健康増進などを達成するために、高齢者が参加できる福祉の実現を目指して、元気な高齢者で「なんでもやろう会」を発足した。
表章の事例区分 安全管理
キーワード 歴史探訪

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

知られざる水沢探訪の旅の参加者

げんき朗人いきいき事業の実践

 平成15年、奥州市においては高齢者世帯あるいは独居高齢者世帯が急増していました。このような高齢社会が抱える諸問題を解消しようとの思いから、げんき朗人(=老人)いきいき事業として、「なんでもやろう会」が発足しました。
 高齢者が参加する福祉社会をめざし、社会福祉活動を企画・立案・実施するステージをつくることに重点をおいて活動しています。「いきいき輝く元気朗人の街・水沢」が創出できればとスタッフの募集をしたところ12名の賛同者を得ることができました。平成24年からは14名で活動しています。

活動内容や現在の活動状況

「岩手の孝子物語」紙芝居発表光景


いぶし銀芝居「岩手の孝子物語」で、後藤新平が
平七に激励の手紙を贈る光景

学びの成果を市民劇で上演

 会の謳い文句は、「費用自弁」「心の豊かさを完全支給」です。いきいきと輝いて生きることを願い、それぞれが各自の持ち合わせているタレントを発揮して、いろいろなことにチャレンジしています。
 郷土に伝わる孝子や水沢三偉人について学び、生きる喜びを共有できるステージづくりを目指すスタッフと共に、平成16年度からは「知られざる水沢探訪の旅」として、菅原道真公や正岡子規氏ゆかりの地を巡る会を開催したり、地震の教訓に学ぶ旅と称して岩手内陸地震の爪痕の残る地を訪問したりという活動も企画、開催しています。
 これらは、埋もれた水沢の歴史を紐解き、後世に伝えていこうとするものです。
 また平成20年度は、水沢市三偉人(高野長英、後藤新平、斎藤實)の内、後藤新平、斎藤實生誕150周年記念協賛事業として、なんでもやろう会主催の市最初の市民劇「いぶし銀芝居―岩手の孝子物語―」をスタッフ全員と市民80人が出演して上演しました。
 この劇は好評を博し、その後大型紙芝居(90cm×120cm、19枚)にし、読み手はスタッフ5~8人で行い、上演回数は79回となりました。

ポイント、工夫している点

企画にはスタッフ全員参加

 企画・運営はそれぞれのスタッフが担当します。探訪の旅の企画では、スタッフ会議を何度も開催し、下見をし、綿密な企画になるよう検討を重ねます。こうして出来上がった探訪の旅の参加者募集は、地元新聞社、社会福祉協議会発行「福祉だより」に掲載して募集しています。そして毎回探訪の旅が終わると報告書が作成されます。

課題と今後の展開

10周年の記念誌の発行

 平成25年に「なんでもやろう会」発足から10周年を迎えます。新しい探訪の旅の企画中です。また、これまでの探訪の旅を記念誌として編集発行して図書館、地区センターなどに配布し、活動の輪を広げ、一人でも多くのスタッフと参加者を募って活動の活性化を目指しています。

岩手の孝子物語の一場面

 〔岩手の孝子物語〕
 東京見物をしたいという年老いた母(当時70歳)の願いをかなえるため、480kmの道のりを人力車で上京したという鈴木平七(当時52歳)さんにスポットを当てた江戸時代後期の実話です。
 親孝行の美談として各新聞が取り上げたほか、同郷の後藤新平が金一封と激励の手紙を贈り、正岡子規が称賛する句を詠むなど、当時の話題になりました。
 平成20年には、物語を題材にした市民劇を開催し、「なんでもやろう会」が市民に広く紹介する紙芝居を制作しました。