さくら国際フレンドシップクラブ
~多文化共生コミュニティとして住みよいまちづくりを~

団体名 さくらこくさいふれんどしっぷくらぶ
さくら国際フレンドシップクラブ
地域 栃木県さくら市
構成員 20名(65歳以上の者の占める割合:65%)
活動概要 地域在住の外国人の日本語習得、異文化交流のサポート活動に積極的に取り組み、多文化共生コミュニティとして誰もが住みよいまちづくりを行っている。また、活動を通して、地域活性化に大きく貢献している事例。
表章の事例区分 教育、文化
キーワード 国際交流/地域活動

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

氏家公民館で開催された町生涯学習フェアで
出身国(イギリス)について説明する受講生

「英会話講座」から異文化交流

 平成7年に設立された氏家町生涯学習推進協議会が前身です。中学英語教師から小学校長を経て当協議会の初代代表の君島利一さんが、設立翌年から委託を受けて講師となった氏家町公民館の「英会話」講座の講師と受講生が中心となって、多文化共生コミュニティの必要性を研修等で学び、「国際化時代にふさわしい資質の習得」「誰にとっても住みよい地域づくり、町づくり」の目標の下、活動を開始しました。
 その後、平成17年3月の市町村合併でさくら市誕生に伴い、現名称の「さくら国際フレンドシップクラブ」に名称変更を行いました。

活動内容や現在の活動状況

「桜祭り交流会」でダンスを楽しむ地域住民と外国出身者


「海外の料理教室」で、本格的なスパイスを使った
スリランカカレーづくりを体験

日本語教室と異文化交流を主軸に活動

 平成7年、設立初年度は研修を充実させ、人材育成に努めました。設立翌年の平成8年に「地域に学ぶ!第1回桜祭り交流会」を開催しました。このイベントは現在「日本語スピーチ大会と国際交流の集い」と名称を変えましたが、現在も年に1回の開催を継続しています。また同年、氏家町在住の外国人を対象に氏家公民館で「日本語教室」の運営を始めました。現在も継続しており、近年は毎週日曜日の午後(約2時間)、開講しています。
 平成13年7月には「第1回外国の料理」を開催し、現在では「海外の料理教室」と名称変更して毎年1回の活動を継続、36名の定員が満席となる年中行事として定着しています。
 そのほか、夏祭り体験として流し踊りの練習に参加したり、うどん打ち体験、かるたとりなど、四季を感じられるイベントを開催したり、地域の景勝地である袋田の滝、日光などの見学、栃木県が収穫量全国1位を誇るイチゴ狩り体験バスツアーを企画したり、多彩で参加者が楽しめる企画を用意しています。
 また、学校に「総合的な学習」が取り入れられるようになったことをきっかけに市内の各小学校から「出前講座」の依頼が舞い込むようになりました。当クラブで日本語教室の修了生(4カ国4名)と会員を助手として、前半は地域在住外国人の出身国の踊り、歌を披露し、後半は児童がノート片手に興味を持った国への質問をしたり、交流を楽しんだりします。この「出前講座」は、学校児童にとっても在住外国人にとっても、世代をこえた異文化交流の有意義なイベントとして位置づけられており、今後も協力していくつもりです。

ポイント、工夫している点

日本語教室と日本文化体験を組み合わせて習得の効率をアップ

 外国語の習得には、地域の人々との交流の頻度や文化への関心なども大きく関わるとの考え方から、毎週開催している「日本語教室」の一環として、書道や茶道、和食などの日本文化に親しみをもってもらえるように文化体験の時間を設けたりと工夫を凝らしています。
 氏家公民館を活動の拠点とした地域展開型の活動であるにも関わらず、市の広報誌や新聞等を活用したり、また市の交流イベント「ゆめ・さくら博」などでのPR活動で参加者のすそ野を広げ、近隣市町地域からも大勢の参加者を集めており、地域の活性化にも貢献しています。

課題と今後の展開

使用外国語の多様化に対する対応と周知活動の徹底

 活動を継続したおかげで、在住外国人の出身国が多岐にわたるようになり、当初は英語、中国語、ハングルのみで対応していましたが、対応が追い付かなくなってきています。対応可能な言語を習得している会員の獲得や研修など、早期の対応が必要となっています。また、広報誌、新聞などで企画参加の呼びかけを行っており、参加者も一定数を得ていますが、対象となる外国人の在住地域が広域にわたるため、「日本語教室」などの受講を必要としている外国人は未だ多く存在し、周知活動は十分とはいえないのではないかと感じています。今後、会員が対応を検討し、新規の外国人の受講、参加につながるよう努めていきたいと考えています。
 また運営の主力である発足時からのメンバーの高齢化も進み、新しいスタッフの入会も課題事項で、設立当初の志を引き継いで、今後も現在の活動をより一層充実させるべく、創意工夫を凝らした教室の運営、イベントを企画していくこととしています。