~安心・安全な食の確保と環境改善に取り組み地域に貢献~
団体名 | だいわせいかつがっこう 大和生活学校 |
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地域 | 兵庫県川西市 |
構成員 | 28名(65歳以上の者の占める割合:86%) |
活動概要 | 昭和44年に開設以来、生活に身近な課題をテーマに、研究・学習、実践活動を積み重ねてきた。無農薬栽培の生産者との連携した仕入れやリサイクルバザー、廃油を活用したせっけん作りなどで成果を上げている。 |
表章の事例区分 | 生活環境改善 |
キーワード | 食の安全確保/環境改善/せっけん作り |
(注)構成員等は、平成25年4月1日時点
活動のきっかけ
生活する身近な問題から取り組む
昭和44年当時、川西市大和(だいわ)地区では、小売店で食料品を購入した後に、鮮度や衛生管理面で問題があると思っても、個人で苦情を申し出ることは難しい状況にありました。
そんな悩みを抱いていた時、食の安全確保など生活に身近な課題の解決に向け、行政と連携のもと、勉強会や調査の実施、見学などを通して、組織的な取組みを行っている生活学校を知り、兵庫県内初の生活学校を開設しました。
活動内容や現在の活動状況
研究・学習と実践を積み重ねる
開設以来、食の安全確保や環境問題にいち早く着目し、問題解決に向け取り組んできました。
- 食の安全確保への取組みとして次のような活動を実践してきました。
- 食品添加物や農薬の人体に及ぼす影響についての勉強会を開催しました。その結果、豆腐の製造に使用される殺菌料(AF2)の使用を消費者、商店、行政などとの協議の結果、使用中止の実現を果たしました。
- 無農薬栽培の生産者と連携して会員間で共同購入を実施しました。また、地域の行事で無農薬茶を販売し、地域住民に食の安全の啓発をしました。
- 環境問題への取組みとして次の活動を実践してきました。
- 台所や洗濯に化学洗剤が使用されることにより、水質汚染が問題となりました。そこで、人体や水棲生物への影響も少ない「せっけん」に着目し、昭和52年から家庭の廃油を再利用したせっけん作り始めました。このせっけんをフリーマーケットや地域の行事などで配布し啓発活動を行いました。
- 平成13年に「家電リサイクル法」が施行されたのを機に、ハイキングを兼ねて近郊の山や川の不法投棄の状況を調査し、その結果をもとに行政と協議して、行政が看板の設置やパトロールの強化を実践することになり成果を上げることができました。
- そのほか、不用品を有効活用するためのバザーの開催、牛乳パックの回収運動などをとおして、地域住民の意識改革にも貢献しました。
ポイント、工夫している点
主婦の生活目線を大切に学び合う
28名の会員の中から選ばれた8名の運営委員会で活動の企画・運営が検討されています。毎月第2木曜日を全員が集まる定例会と定め、月別テーマに沿った勉強会を実施しています。勉強会では、主婦としての経験や知恵を持ち寄り、生活上での工夫や料理などの発表と意見交換が行われています。
メンバーを4班に分け、それぞれに運営委員を配置し、定例会の案内は運営委員から連絡するようにしています。地域住民へのお知らせや、参加を呼びかける行事(せっけん作りなど)は、自治会が月2回発行する「大和ニュース」に掲載を依頼しています。
課題と今後の展開
「楽しみながら啓発活動を」をモットーに
生活学校開設以来43年間にわたるボランティア活動は、地域密着型であることを特色としています。継続している活動は、せっけん作りと無農薬茶の販売です。フリーマーケットや盆踊りの会場でせっけんは無料配布しています。社会状況や人々の生活様式に変化が生じても、食の安全確保と環境問題に関心を持ち続けることが大切であることを訴えています。
会員の研修として、介護施設やごみ焼却場、卸売施設などへ社会見学とバスツアーを兼ねて実施しています。そして、最近では世代間交流も大切にして大和文化祭に子ども会と連携してお茶席を設け、日本文化継承と市民へのサービスに貢献しようとしています。
メンバーの平均年齢は72歳となり、高齢化に伴うメンバーの減少に対応することが課題です。しかし、「楽しみながら啓発活動を」モットーに、市販の「くすり」の勉強会など、楽しい生活学校づくりに引き続き取り組もうとしています。