美里町老人クラブ和栄会
~地域で一人暮らし高齢者が孤立しない取り組み~

団体名 みさとまちろうじんくらぶわえいかい
美里町老人クラブ和栄会
地域 宮城県遠田郡美里町
構成員 94名(65歳以上の者の占める割合:100%)
活動概要 老人クラブの発足当時から推進してきた、高齢者同士が互いに支え合う友愛訪問活動のモデル事業に取り組み、一人暮らしや寝たきりの方の安否確認や話し相手となり、地域の中で孤立しない取り組みをしている。
表章の事例区分 支え合い活動
キーワード 友愛訪問活動/安否確認

(注)構成員等は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

運営委員とシルバーリーダー代表の皆さんの様子

地域の課題に取り組む老人クラブ

 和栄会は、昭和46年の設立当初から健康・友愛・奉仕を主要な活動として実施してきました。平成13年度及び14年度に地域福祉推進のため、高齢者同士が互いに支え合う友愛活動に、宮城県老人クラブ連合会の「高齢者相互支援推進啓発事業」のモデル地区として取り組んだことがきっかけとなり、今日まで継続して実施してきました。
 平成23年度から2年間、再度モデル事業として取り組み、高齢者一人暮らしや寝たきりの方を友愛訪問するとともに、対象者の方々をさまざまな行事に参加するように勧誘し、地域で孤立する高齢者をなくすよう活動を実施しています。

活動内容や現在の活動状況

手土産づくりをするシルバーリーダーの様子


友愛訪問の様子

高齢者同士で支援し合う体制づくり

 美里町和栄会メンバーは総て65歳以上(高齢化率100%)で、会員総数94人の内、80歳以上が90人で平均年齢も89歳となっています。かつては三世代同居多く(100世帯ほど)みられましたが、現在では一人暮らし世帯や夫婦二人世帯が増えています。
 このような世帯構造や人口構成に合わせて、女性役員を中心としたシルバーリーダーによる「運営委員会」を設置し、社会福祉協議会や民生委員協議会と連携し、シルバーリーダー2人1組で月2回程度の安否確認などの友愛訪問活動を年間を通して実施しています。
 訪問の際は、善意の押しつけにならないように気を付け、また、訪問者はトイレを借りないように申し合せ、対象者に気を遣わせないようにしています。自分たちで作成した刺し子布巾やハンカチ、歯ブラシ、カイロ、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、お茶などの日用品を手土産に持参し、対象者に喜ばれています。
 主に話し相手として活動していますが、訪問する側も受ける側も無理がないように、時々電話で安否確認をしたりしています。また、お茶飲み会などのサロン活動にも誘うなど、訪問活動だけではなく各種行事にも参加するように広く声かけを行っています。

ポイント、工夫している点

運営委員会を中心に関係諸団体と連携して友愛訪問活動を実施

 女性役員を中心にシルバーリーダーの運営委員会を設立しています。委員会のメンバーは和栄会会長ほか単位クラブの役員の11名で構成されています。社会福祉協議会や民生委員協議会などの関係機関からも協力を頂き、きめ細やかな活動となるよう努力しています。
 一人暮らしの方の健康管理に課題があることに気付き、訪問したときには、健康チェックのために血圧測定を実施するようにしています。「友愛」の意味を、理論よりも体験を通して学ぶことができたという訪問者の声もあります。さまざまな事例を持ち寄り、運営委員会は3か月に1回の反省会を開催しています。

課題と今後の展開

安心して暮らせる地域づくりを目指して活動の継続

 地域福祉の向上を図るうえで、高齢者の一人暮らしの方々の孤立を防ぎ、特に、健康に関わる問題解決を優先しなければならないと考えています。そのためには、地域包括支援センターや行政、社会福祉協議会及び民生委員協議会など地域の関係団体との連携を密にして継続して実施できる体制を整えなければなりません。
 今後もより多くの会員から活動への取り組みについて協力を得るために参加を呼びかけ、安心して暮らせる地域づくりを目指して活動する予定です。

 〔高齢者相互支援推進啓発事業〕
 宮城県老人クラブ連合会とモデル市町村老人クラブ連合会が事業主体となり実施している事業。
 老人クラブ会員が地域の一人暮らし老人や寝たきり老人などの家庭を訪問し、会話を中心に、日常生活援助や外出援助などの活動を実践するとともに、他の会員及び地域高齢者に対し高齢者相互支援事業についての啓発普及を行い、もって老人福祉の向上に資することを目的としている。