南 進さん
~健康で幸せな生活を送る健康寿命延伸の仕掛け人~

名前(年齢) みなみ すすむ
南 進さん(77歳)
地域 石川県羽昨郡志賀町
活動概要 健康運動指導士、食育指導士などの資格を取得し、地域住民の健康維持推進のために、県内老人クラブ連合会を対象とした講習会や、市主催の各種講座の講師を務め、地域の健康寿命延伸に尽力している。
表章の類型 地域社会の中で、地域住民のリーダーやコーディネーター的な役割を発揮し生き生きと生活している事例
キーワード 転倒予防/介護予防/世代間交流/児童見守り

(注)年齢は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

障害があっても参加できるウォーキングの光景

予防活動が健康寿命を延ばす

 南さんの住む大念寺地区の高齢化率は32%と日本全体の高齢化率を大きく上回っている状況です。医療費の増大も予測され、加えて、高齢者福祉施設の不足も考えられることから、町を上げて予防活動に取り組む機運が高まり、平成13年から「転倒予防教室」や「介護予防教室」が開校されるようになりました。このような状況の変化に対応しようと、南さんは平成13年(65歳)から、地域住民が日々健康で幸せな生活が送れるようにと健康寿命を延ばすことを目的に掲げ、「健幸教室」、「健幸塾」を主宰して各種講座の講師を担当し、地域社会に貢献しています。

活動内容や現在の活動状況

「野菜の先生」とともにサツマイモの苗植えの光景


社会科の授業で案内をする南さん(写真右)

町の宝である子どもとの世代間交流

 地域活動に取り組む中で、専門知識も必要と考え、平成17年に「健康運動指導士」、平成18年に「食育指導士」、平成22年に「全国老人クラブ連合会・健康づくり推進員」の資格を取得しました。
 市の主催する健康講座や石川県老人クラブ連合会が主催する「健康づくりセミナー」などで、日常生活における健康維持と健康寿命を延ばす事例やデータの講話と、歌などを交えたストレッチングを中心とした体操で90分を過ごす、独自の健幸教室と健幸塾を実施しています。老人クラブ連合会、定期的に実施する健幸教室と健幸塾、高齢者大学や大学院での講師、県内での講演会の講師など年間約100回を担当しています。
 また、県老連のモデル地区の指定を受けて、地区老人クラブ会員を対象に健康ウォーキングを毎月第1・第3月曜日の午後2時から月2回実施しています。最高年齢88歳を筆頭に平均年齢74歳の方々が参加しています。併せて、年2回体力測定も実施しています。
 平成19年から世代間交流として、老人クラブが高浜小学校6年生とペタンク競技で交流を深め、4年生を対象に社会科の授業で郷土の名所・旧跡を探訪したり、見学をしたりして学習を深める案内役を担っています。また、小学1・2年生を対象にサツマイモ、ミニトマト、キュウリを育てる体験を「野菜の先生」として指導しています。幼稚園との交流では、チャレンジ精神を養うペタンク競技、餅つきや書初め会、そして、老人クラブの運動会に幼稚園児を招待しています。平成24年より地元の5老人クラブの会員有志により「高浜っ子見守り隊」を編成し、毎週木曜日の下校時に交通事故や不審者から児童を守っています。

ポイント、工夫している点

障害のある方も参加しやすいウォーキングを企画

 健康ウォーキングでは地域での閉じこもりを防ぎ、ストレス解消、骨と筋力の強化、内臓の機能向上などに効果的な歩くことを主体としたウォーキングが、日常的な活動になるよう工夫しています。特徴として、障害のある方も参加できるように300mから3kmまで、距離の異なる5コースを設定しています。月2回は定例的に実施していますが、それ以外の日は、自分でウォーキングをした記録を残すようにしてもらい、ウォーキングイベントがない日でも記録を励みに継続できるようにしています。

その他の活動

搭乗率保証制度にも貢献

 開港9年目を迎える能登空港の搭乗率が、保証制度の目標ライン(62%)達成に黄信号がともりました。これを受けて志賀町老人クラブ連合会会長を務める南さんは、平成24年6月に1泊2日の東京スカイツリー見学と都内観光を楽しむ大型ツアーを企画しました。その結果、220名の老人クラブ会員が5グループに分かれて参加し、搭乗率保証制度をクリアすることができました。

 〔搭乗率保障制度〕
 能登―羽田便を維持するために、地元自治体と航空会社が営業努力、利用促進を相互に定めた制度。目標値を下回れば航空会社が地元自治体から補償金を受け取り、上回れば航空会社が地元自治体に販売促進の協力金を支払う制度。開港4年目以降から目標値を62%に定めている。