薮内 英輔さん
~経験と知識をいかして広報紙をタイムリーに発行する編集長~

名前(年齢) やぶうち えいすけ
薮内 英輔さん(82歳)
地域 奈良県生駒郡平群町
活動概要 平群町長寿会連合会の広報紙の編集長として14年間携わり、編集、組版、から印刷まで一人で担当し、1度も遅延することなく発行している。独居高齢者等に届ける際には声掛けを行うなど見守りの役割も担っている。
表章の類型 地域社会の中で、地域住民のリーダーやコーディネーター的な役割を発揮し生き生きと生活している事例
キーワード 広報紙作り/安否確認

(注)年齢は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

出来上がった広報紙「ふれあい」

自分の経験と知識をいかした編集長

 平成3年3月(60歳)に定年退職を迎え、平群町長寿会(老人クラブ)に加入し、連合会の広報誌「ふれあい」新聞に投稿を始めました。この時、編集長と知り合いになり、編集長が高齢のため後継者を探していることが分かり、新聞制作は経験があり、その経験が連合会のためにいかせるならと編集長を引き受けることにしました。
 平成10年からはほとんど一人で、編集、組版から印刷まで新聞作りを続け、これまで14年間、1度の遅延もなく発行し続けています。

活動内容や現在の活動状況

定例編集会議の様子(写真中央が薮内さん)


出来上がった広報紙を読む女性会員

会員の連携と融和を図る広報紙作り

 平群町長寿会は38のクラブ活動、37の地区活動に1,000人近い会員が参加し学習と親睦を図っています。活動は、ふれあい情報部(新聞)、健康部、女性部、伝承交流部に分かれて活動を行っています。
 広報紙「ふれあい」は、毎月月末に印刷して翌月1日付けで発行します。紙面は、A3サイズ両面で、1面に連合会本部会議や長寿会理事会(役員会)の議事、各専門部会の会議の内容、活動状況報告、2面に会員の投稿による記事を掲載します。また、連載記事として、クラブ活動、地区活動も掲載するようにしています。編集方針として、会員の連携と融和を図り、会員の増員にも役立てることを掲げています。
 第3土曜日に編集委員7名により、大枠の記事内容の打ち合わせ会議を開き、その後、編集長が約1週間で投稿記事などから貼り付けをして版下を作成します。完成した版下を基に印刷機で紙詰まりやインクのムラが出ないように注意を払いながら仕上げます。発行部数は会員及び行政機関、町議会議員、医療機関などの分を含めて2,150部になります。
 印刷を終えた広報誌は、地区会長の手を通して会員宅へ毎月5日までに届けられます。会員以外へは本部役員が手分けして届けています。

ポイント、工夫している点

読む人に興味を持続させるミニコミ紙

 地域の情報を提供するミニコミ紙として、期待して読まれるように心がけています。地元平群町医師会の協力で、「気をつけていますか!老後の健康」をシリーズで連載中です。全国老人クラブ連合会の中でもユニークであると評される広報誌作りをしています。
 広報紙はただ配るのではなく、各37地区の独居高齢者や高齢者夫婦家庭に届ける際には、声掛けをして安否確認を行うようにしており、毎月の広報誌が友愛活動の役割も担っています。
 また、発行経費に関して、技術的経験をいかした編集長の献身的労力に追うところが大きく、少額に抑えられています。このことは本部運営費の面でも大きく貢献しています。

薮内さんの経験と知識を生かした組版作業

 〔本人インタビュー〕
 一人で14年間新聞をつくっていると、人には言えない色々な苦労もありました。しかし、投稿者の文章に訂正加筆を加えたことが喜ばれ、読者からもたくさんのお礼のことばに励まされてきました。今後も編集員の増員を図り、運営体制の維持に努め、よりタイムリーな事業報告と内容の充実を図っていこうと考えています。
 個人的ホームページを立ち上げていますが、ここ数年、内容の更新が滞っているので、新年度から広報紙の内容との連携も密にして更新していきたいと考えています。