やまさき
~学び続ける姿勢がボランティアの活動の幅を広げる~

名前(年齢) やまさき としこ
やまさきとしこ 戸始子さん(72歳)
地域 兵庫県西宮市
活動概要 特別養護老人ホームで舞踊を披露したことをきっかけに、自治会、老人会、福祉施設などで、童話の朗読をしたり独創的な舞踊を披露したりし見る人を喜ばせるボランティアを始め、今年で10年を迎える。
表章の類型 過去に培った知識や経験をいかして、それを高齢期の生活で社会に還元し活躍している事例
キーワード 舞踊/朗読ボランティア

(注)年齢は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

左=カッポレ、右=正月かじゃでい風節

自分の特技を発揮する

 関西放送文化連盟アナウンス科を修了し、結婚式などの各種司会を行っていました。その経験を請われ、特別養護老人ホームから朗読ボランティアの依頼を受けましたが、参加者数が徐々に減少する中でボランティアの押し売りはしたくないと、一度は断りました。
 しかし、その帰り、1階のホールで入所者の皆さんがカラオケを楽しんでおられる光景に出合いました。職員さんから「踊って!」と声をかけられ、和服を着ていたこともあり「明治一代女」を踊りました。舞い終わると拍手がおこり、職員さんから「これや!これがええわ」と言われ、「ほんまや」と確信しました。
 また、やまさきさんの経歴を知る友人から、神戸三宮・中央区住民の町興しの祭典に司会と踊りのエンターテイナーとして起用されたことがありました。祭典が終わると、「なんて楽しくて面白かったのだろう」と深い感慨にふけるとともに「やれる」と実感しました。この貴重な体験が「出番を期待し続ける」きっかけとなり活動のスタートラインとなりました。

活動内容や現在の活動状況

左=スミーリヤ(チリ)、右=春を迎える調べ(雲南省)

独創性に満ち溢れた芸能披露

 自治会、老人会、福祉施設(特養老人ホーム、デイサービス、障害者施設など)、地域の町づくりの会など、依頼があれば極力都合をつけて、司会、朗読、声優、踊りの披露などで参加しています。ボランティアを始めて、今年で10年目に入ります。
 芸能を見てくださる方々からの「面白い」、「パワーがもらえる」との称賛を大切にし、好きなことをして喜んでいただけることに人生のやりがいと幸せを感じています。健康に気をつけ、自分らしく緩やかに進化し続け、可能な限り人々の前に立ち、芸能を披露していきたいと願っています。「幸福を売る男」ならぬ世界の踊り七変化「幸福を売る戸始春(とししゅん)」に成りきろうと意欲的です。

ポイント、工夫している点

声優「一寸法師」を演じるやまさきさん

海外の舞踊に挑戦、時には異文化交流にも貢献

 日本舞踊を中心に海外の踊りを試し、レパートリーを広げようと努力し続けています。インターネットなどを利用して、その国の文化、歴史、社会的背景を調べてイメージを膨らませ、舞台のストーリー作りをしたり、また、海外に行くと、劇場、レストラン、ダンス教室、路上ダンス、地方のお祭りなどで踊りに触れる機会を自ら作り、時には日本舞踊や童謡を披露することもあります。
 平成23年、声優「一寸法師」(8色の声)で、平成24年はモンゴル舞踊「気立ての良い娘」で2年連続して西宮市高齢者芸能大会の優秀賞を受賞しています。自ら学ぼうとする姿勢と独創的な踊りを編みだそうとする努力が結実したのです。

その他の活動

認定資格をいかしたボランティア活動

 特別養護老人ホームに入所している98歳の母親のことと、平成20年から就任した公益社団法人西宮市シルバー人材センターの女性代表理事であることを疎かにしないよう調整をしながらボランティア活動を続けています。
 理事の任期を終えたら、平成24年に取得した「健康生きがいづくりアドバイザー」、「認知症ケア指導管理士」、「診療回想士」の認定資格がいかせる講演などを中心としたボランティア活動を展開していこうと準備を進めています。また、にしのみや健康づくり推進員として、高齢者向け小グループ対象の気功、ストレッチ、民踊、朗読でのボランティア活動も視野に入れています。

衣装を身に付けないやまさきさんの素顔

 〔本人インタビュー〕
 西宮市PTA協議会会長時代に、会員さんから「子どものために働けんような会長は要りません!」(米飯給食問題)といわれたことがあります。このことをきっかけに、組織や制度、活動などに携わるとき、誰のための組織か、その活動を必要としているのは誰なのかなどをよく考え、状況を整理してあらゆる活動に取り組むようになりました。日本PTA全国協議会及び兵庫県PTA協議会からいただいた表彰は、この言葉が常にこころの底辺に息づいての活動に対していただいたものと自負しています。