吉山 典佑さん
~子どもの成長を見守るボランティア活動に生きがいと喜びを~
名前(年齢) | よしやま ふみすけ 吉山 典佑さん(79歳) |
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地域 | 島根県益田市 |
活動概要 | 約15年前から週に1回、小学校で読み語りのボランティアを行っている。同時期から子どもたちの登校時の見守り活動も毎朝行い、学校や子どもたちから喜ばれている。また、清掃ボランティアも長年行っている。 |
表章の類型 | 地域社会の中で、地域住民のリーダーやコーディネーター的な役割を発揮し生き生きと生活している事例 |
キーワード | 読み語り/見守り/清掃ボランティア/環境美化 |
(注)年齢は、平成25年4月1日時点
活動のきっかけ
家族団らんの語り合いをきっかけに
平成10年(65歳)、退職後は地域と子どもたちのために、喜んで、楽しくできるボランティア活動をしようと強い決意をしていた矢先、家族との語らいのひとときに、小学生のお孫さんから、小学校で読み語りのボランティアがあるのでやってみてはどうかと提案されたことがきっかけで、読み語りを始めました。同時に子どもたちの登校時の安全を確保する見守り活動と、現役時代に清掃業務に従事していた経験をいかして、清掃ボランティア活動も始めました。
活動内容や現在の活動状況
地域と子どものために貢献
子どもたちの見守り活動は、車の行き来の多い、複雑で信号のない交差点に立ち、毎朝子どもたちが安全に通学できるようにと、旗振りをしながら15年間続けています。地域の方の中からこの活動に刺激を受け、見守り活動に協力する人も現れるようになりました。吉山さんの長年にわたる活動のおかげで、子どもたちや地域の人たちが元気よく明るく挨拶を交わすようになり、地域が非常に明るい雰囲気になっていると、平成23年に社会福祉協議会より感謝状が贈呈されています。
平成10年から、読み語りは週に1回、小学校の朝の自習時間の10分から15分を使って行っています。現在は紙芝居による読み聞かせ活動に代わっています。中学校でも月に2回、高齢者施設でも読み聞かせを行うようになりました。読み聞かせは子どもたちも大変喜んでいて、楽しみにされる時間となり、先生方からは読書活動を充実させることができると好評です。
朝の活動として歌を一緒に歌ったり、学校行事の手伝いも積極的に買って出たりと、学校にとってはなくてはならない存在であると認められ、平成23年には感謝状が贈呈されました。
また、現役時代に培った清掃技術をいかして、地域の学校や公共施設、道路などの清掃や除草のボランティア活動に参加する人々へ指導的立場でボランティア活動を実施しています。
ポイント、工夫している点
心が伝わる読み語り
市民合唱団に所属しミュージカルにも出演し、歌うことを趣味としており、透き通る大きな声は読み語りに向いています。コーラス仲間からも読み聞かせボランティアの推薦がありました。
読み語りで、ときには話に合わせて民謡を歌ったり、怖い話の時はカーテンを閉め、電気を消したり、好奇心を引きつけるように語ります。読み語りを行うようになって、週に2、3回図書館に通うようになりました。子どもたちが大きくなっても、読み語りの本の題名が記憶に残るように、自分で読んでも楽しい本、子どもたちにも楽しい本の選定に慎重です。
地域のボランティア活動が活性化するように、ボランティアハウスの設立や高齢者のサロン立ち上げにも協力しています。吉山さんの活動を見てボランティア活動に加わる人も現れ、明るく安心して生活できる地域づくりのリーダー的存在として、地域からも信頼されています。
その他の活動
スポーツで健康維持
子ども好きで、スポーツ好きな吉山さんは、地元小学校のクラブ活動ソフトボールの住民講師も引き受けています。16クラブあるうち8クラブで地域住民が講師を務めており、吉山さんはその一人です。自らも島根シニアソフトボール松江城クラブに所属し、ソフトボールを楽しみ健康維持に努めています。
退職するとともに益田市シルバー人材センター理事を平成24年3月まで務めました。現在は地元老人会の会長を務め、老人会活動の企画や行事の世話、高齢者の見守り、安否確認などを率先して行っています。
〔本人インタビュー〕
読み語りにしても、ソフトボールにしても、子どもたちの喜びが跳ね返ってくるのが嬉しいですね。読み語りをすることで、図書館に通うになり、私自身も色々な書物に出会える喜びを味わっています。私自身が読んで楽しんでいるんです。子どもたちの輝く瞳に出会うとき、生きがいと喜びを改めて感じます。