新垣 正孝さん
~地域の活性化のために郷土芸能で活躍~

名前(年齢) あらかき しょうこう
新垣 正孝さん(77歳)
地域 沖縄県うるま市
活動概要 若い頃に身に付けた踊りや三線で地域のミニデイサービスや老人ホームの慰問を行い、高齢者や地域の人に喜ばれている。また、児童の登下校時の見守りを続け、交通安全推進員として交通安全指導を行っている。
表章の類型 壮年期において達成した地位や対面などにとらわれることなく、高齢期を新しい価値観で生き生きと生活している事例
キーワード 古典音楽/伝統芸能/交通安全推進/児童の見守り

(注)年齢は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

練習に余念のない新垣さん

喜ばれる笑顔に励まされて最善の芸を披露

 友だちに誘われ、17歳で沖縄の古典音楽を習い始め、昭和47年(36歳)、新垣さんが所属する具志川伝統芸能保存会の会長から、「保存会の踊りを老人ホーム入所者の皆さんに披露してもらえないだろうか」との申し出があり、披露したのがボランティア活動の始まりでした。
 施設に入所されている方々は、生まれ育った土地で慣れ親しんだ踊りや民謡、懐かしい三線の音に思い出も多く、自然に手拍子を打ったり、唄ったり、口笛を吹いたり、踊ったりして喜びを表現されています。喜ばれている方々の姿を見るとき、その笑顔が一番嬉しく、勇気づけられ、次の訪問に向け、最善の芸を披露しようと練習に励んでいます。

活動内容や現在の活動状況

自分で作詞作曲した歌で交通安全を呼びかける光景


民謡研究所のメンバーさんと地域の行事に協力して民謡を披露する光景

児童の登下校時の見守り活動を日課に

 昭和47年から始まった老人ホームへの慰問活動は、年1回から2回定期的な活動として今も続いています。そして平成18年(70歳)に自ら主宰者となり新垣正孝民謡研究所を設立してからは、老人ホームのデイケア、自治会のミニデイサービスなどあらゆるところから出演の要請があれば、断ることなく出向いています。最近は、民謡研究所のメンバーと共に三線と太鼓を持って地域で開催される行事、病院や老人施設でも披露するようになり、年間に披露する回数は20回を超えるようになっています。
 また、新垣さんにはもう一つのボランティア活動があります。それは、交通安全指導です。新垣さんは、交通安全推進員で構成される「わかば会」の一員として、月曜日から金曜日まで毎日小学校児童の登下校時の見守り隊の役割も担っています。31名の児童の登下校時の見守りを続けてくれる新垣さんへ、毎年送られてくる年賀状に児童の感謝の言葉が表現されています。一枚一枚に表現されている感謝の言葉が、今日も路上に立って未来を担う児童を交通事故や犯罪から守ろうとする原動力になっています。

ポイント、工夫している点

郷土の古典芸能を継承しながらボランティア活動

 かつて基地に勤めていたころから沖縄民舞や民謡を学び続け、後世に伝承しようと考えていました。琉球民謡協会、字具志川芸能保存会、うるま民謡愛好会に所属し、自ら民謡研究所を主宰し、後輩の指導にも従事しています。自ら作詞作曲した歌を三線に合わせて唄う喜び、憂い、悲しみ、愛しみを披露するところに新垣さん独特の個性が表現されています。

その他の活動

自分で作詞作曲した歌で交通安全運動の呼びかけ

 毎月1日と20日は、沖縄県交通安全推進員副会長として朝早くから交通安全指導を行っています。警察官が危険な道路や特に気をつけなければならない交通ルールの講話した後に新垣さんの出番があります。三線を弾きながら自分で作詞作曲した歌で交通安全を呼びかけるのです。この沖縄独特の芸能文化をいかしたユニークな交通安全運動の呼びかけで、平成21年から3年連続して沖縄県交通安全優秀賞を受賞しています。うるま警察署にとって、新垣さんは交通安全運動展開に欠かせない存在となっています。
 また、「うるま」はサンゴの島を意味するところから、うるま市クリーン友の会に所属し、道路清掃や金武湾の具志川ビーチの清掃活動を定期的に行っています。

うるま市長さんと共に(写真中央)

 〔本人インタビュー〕
 地域の活性化を図るためなら健康である限りできるだけ協力をしていきます。老人施設、病院の慰問、自治会の行事への参加、子どもの見守りは続けていきます。
 毎年2月に開催される沖縄マラソンにも三線と太鼓で沿道に立って応援団として参加していきます。