安田 ヨシさん
~参加することが楽しみになる体操の集いを実践~

名前(年齢) やすだ よし
安田 ヨシさん(86歳)
地域 北海道石狩市
活動概要 老人会を活性化させようと、レクリエーション指導者資格を取得し、独自のストレッチ体操や演歌体操を編み出し、体操の集いを行っている。リサイクル品を利用した衣装や小道具を利用し、踊る楽しみを倍増させている。
表章の類型 地域社会の中で、地域住民のリーダーやコーディネーター的な役割を発揮し生き生きと生活している事例
キーワード 生き生きクラブ体操/ストレッチ体操/演歌体操

(注)年齢は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

小道具の帽子作りの様子

参加して楽しめる活動をしたい

 平成9年、70歳を迎えたのを機に、寝たきり老人にならないためにとの思いから石狩市の老人クラブに入会しました。月1回の例会日に参加してみると、いつも決まった数名の参加者が歌や踊りを披露するだけで、大多数の参加者は歌や踊りに興味を示さず、ただおしゃべりをしているだけで活気がありませんでした。
 これまでに色々な活動を経験してきた安田さんは、みんなで楽しめることはできないだろうかと考え、全国老人クラブ連合会で配布されている老人向け体操「いきいきクラブ体操」に目を向け、自ら先導役となり、みんなに声をかけて体操を実践しました。この実践が思わぬ人気を呼びました。

活動内容や現在の活動状況

小学生に頭巾を被って戦争体験を語る様子


帽子を被って「恋の季節」リズム体操

指導するには専門性を身に付けよう

 毎回同じ体操を繰り返すだけでは、参加者は興味を示さなくなります。そこで、楽しく体操をしようとの思いから、手足や腰の動作を工夫したストレッチ体操や演歌に合わせて踊る演歌体操などを独自に考案しました。
 平成14年、独自の工夫のみでは真の健康増進は図れないと考え、また、体操がマンネリ化しないようにもっと内容を深めたいと思い、日本レクリエーション協会の講座を受講し始めました。そして、75歳でレクリエーション・インストラクターの資格を取得しました。このことがきっかけで、レクリエーション協会の活動にも参加するようになりました。レクリエーション協会でさまざまな経験を通して多くの知見を吸収し、体操をより進化させていきました。
 80歳を境に、レクリエーション協会とのつながりを大切に、石狩レクリエーション協会の下に「楽々レクリエーション杏の会」を立ち上げ、老人会と併存する形で活動を行っています。「楽々レクリエーション杏の会」は毎週1回の開催、また毎月最終週には「お楽しみ会」として、安田さん制作の衣装と小道具を着用して演歌体操や踊り、ゲーム大会、会食などを行っています。現在会員は30名で、例会への出席者平均は約20名です。

ポイント、工夫している点

衣装や小道具を身に付けて盛り上がろう

 老人会活動は、ゲームや食事会なども開始され、活動に広がりが見えてきました。そこでさらに楽しみを加え、参加度と満足度を高めようと和裁や洋裁の技能をいかし、リサイクル品を利用した衣装や小道具を制作しました。会員が歌に合わせて踊る時、踊りに合った衣装や小道具を身に着けていきいきと踊る姿に、笑いや拍手も沸き起こり、ますます変身願望も沸き、段々と歌や踊りにも活力が満ちてきます。こうして歌や踊りへの関心度も高まり、演じる満足度も高まるという相乗効果が表れます。ちょっとした思いつきと工夫が活動を活発化させています。

その他の活動

活動の輪の広がりを求めて

 体操の集いとは別に、年4回ほど古布を利用した布草履やストラップ、トウモロコシ人形や紙人形づくり、伝承料理などの講習会も開催しています。また、現代社会の問題について学ぼうと、講師を招いた講演会開催の企画にも関わっています。
 平成23年から不登校サポーターズ特別会員として財政的支援をしています。命を大切にすることをテーマに「世界でたったひとりのおとうさん、おかあさん」、「宇宙でたったひとつの命」を著しています。

著書と安田さん

 〔本人インタビュー〕
 趣味として毎年続けている登山や旅行も積極的に楽しもうとしています。83歳、84歳と2年連続で羊蹄山登山踏破(1,898m)を実現できました。
 今後の抱負について、キーボードを入手したので練習し、お楽しみ会でキーボードの伴奏で皆で歌えるようにしたいです。現在の体操の集いは、会員の要望も取り入れて進化させながら継続していきます。