相馬 修さん
~教壇に立つことができた感謝の想いを音楽活動で恩返し~

名前(年齢) そうま おさむ
相馬 修さん(81歳)
地域 福島県伊達市
活動概要 混声合唱団「ひろせ」を発足させ、27年にわたり主宰するとともに、地域住民の音楽活動や指導に携わっている。伊達市内にあるコーラスグループを一つの組織にまとめて「もものさとコンサート」を開催している。
表章の類型 過去に培った知識や経験をいかして、それを高齢期の生活で社会に還元し活躍している事例
キーワード 合唱団/コーラスグループ/オカリナ指導/福祉施設訪問

(注)年齢は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

混声合唱団「ひろせ」の練習の様子
(写真左ピアノ伴奏が相馬さん)

恵まれた環境に感謝して

 昭和24年(17歳)に福島県中学校教員臨時養成所に入所すると同時にバイオリンを習い始めました。翌年に東京芸術大学音楽科作曲科・指揮科通信課程を履修しました。専門知識と技術を修得するためでした。
 初めて教壇に立つことができた中学校には、当時では珍しくピアノが設置されており、恵まれた環境に身を置くことができ、当直日には自由にピアノを練習することができました。教員養成所に通ったり、通信教育を受講したりすることができたのは、先輩や同僚教師の協力によるもので、感謝する気持ちが、教育に専念することはもとより、退職後にも何か地域社会の役に立ちたいと思うようになりました。その結果、退職後に地元で合唱愛好家とともに合唱団を立ち上げ指導に当たることになりました。

活動内容や現在の活動状況

オカリナ・グループの演奏
(写真右が相馬さん)


「ももの里コンサート」での合唱

市内最大のコーラスグループを目指して

 38年間にわたり中学校教諭として英語、音楽教育に従事し、昭和62年(55歳)に退職した後、地元公民館から唱歌講座の指導の依頼を受けました。講座は5回で終了しましたが、受講生の中から「もっと歌うことを続けたい」、「合唱団をつくりたい」との強い声に応えて自らの信条である「人は音楽をつくり、音楽は人をつくる」のもとに混声合唱団「ひろせ」を発足させました。
 毎週火曜日を練習日と定め、毎年開かれるミュージックフェスティバルやオラトリオに参加し、地域の音楽振興に貢献しています。平成23年に結成された「伊達市コーラスの仲間たち」は、市内にあるコーラスグループを一つの組織にまとめた団体で、相馬さんはその会長を務めています。伊達市の代表的な産物である桃にちなんで名付けた「ももの里コンサート」を毎年開催するために、企画から実施まで労を惜しむことなく、市内最大のコンサートにしようと努めています。

ポイント、工夫している点

合唱団の心を一つにする作詞・作曲

 混声合唱団「ひろせ」は、団員の心を一つにするために毎年合宿を実施しています。合唱団のテーマソングは、合宿先の万治峠にまつわる詞を団員の一人が作詞し、相馬さんが作曲したものです。また、東日本大震災による避難先で「浜辺での祈り」、「ゆたかな最上の流れ」を作詞・作曲しました。これらの曲は、平成25年10月に「ひろせ」創立25周年記念コンサートで披露されました。また、相馬さん自らが作詞・作曲した曲もミュージックフェスティバルやコンサート、施設慰問で披露されます。

その他の活動

請われるままに東奔西走

 近隣市町でも合唱団の指導にあたっています。「上保原わらべ歌の会」での指導、小学校の音楽非常勤講師、中学校弦楽合奏団講師に加え、オカリナを伊達市、梁川町、保原町、月舘公民館で指導するなど幅広く活躍しています。「上保原わらべ歌の会」のコンサート開催企画、オカリナ・グループの老人福祉施設慰問や地区の敬老会での演奏披露の企画も引き受け、東奔西走の音楽活動を続けています。

夢を語る相馬さん

 〔本人インタビュー〕
 伊達市長さんの夢でもあるのですが、伊達市の小学生・中学生・一般で合唱団をまとめあげて、伊達市を称える歌を新しくつくりたい。物語のある合唱曲をつくりたい。そういう夢を持っておられるので、それを目指して音楽活動を続けていきたいと思います。
 趣味は釣りと家庭菜園です。ボーッとしているのが一番。