中島 昭七さん
~高齢者が高齢者を支え合う配食サービス~

名前(年齢) なかじま しょうしち
中島 昭七さん(85歳)
地域 茨城県猿島郡境町
活動概要 町の社会福祉協議会が実施している一人暮らし高齢者世帯への配食サービスのボランティアに、配達員として17年間携わっている。利用者のよき話し相手としても頼りにされている。現在は後継者の育成にも努めている。
表章の類型 自らの時間を活用し、近所づきあいや仲間うちなどでの支え合い活動に積極的に貢献している事例
キーワード 配食サービス/サービス代行/話し相手

(注)年齢は、平成25年4月1日時点

活動のきっかけ

ひまわり会の帽子を着用して出発

一人暮らし高齢者との出会いでボランティア

 一般企業を退職後、町のスポーツ推進員に就任したことをきっかけに、町の事業に協力するようになりました。63歳(平成3年)から統計調査員として調査活動していた時、一人暮らし高齢者に接する機会に巡り合い、地域の高齢者の状況をあらためて知ることができました。この人たちのために何か手助けできることはないだろうかと境町社会福祉協議会を訪ねたところ、町の委託を受けて社会福祉協議会が配食サービスを実施しており、配達ボランティアが必要であることを紹介されました。
 自転車を利用した週1回の配達員なら68歳の自分にもできると、早速、平成8年1月に配食ボランティアサークル「ひまわり会」に入会しました。ボランティア活動を始めて、既に17年余が経過しています。

活動内容や現在の活動状況

届出先では必ず声掛けを大切に


配食サービス献立内容

時には良き話し相手にも

 配食サービスのボランティアは、毎週金曜日に公民館に集合し、調理班が作った弁当を町内の一人暮らし高齢者宅へ届けます。
 配食サービスは平成6年8月に開始され、現在サービスを利用している一人暮らし高齢者は52名です。
 中島さんの届出先は8軒です。当初、配達員は二人一組でペアを組み、隔週毎に配達を担当していましたが、数年前にパートナーが退会してしまったので、現在は毎週、月4回とも休むことなく行っています。
 中島さんは配食サービス利用者から、よき話し相手として頼りにもされています。話し相手のいない一人暮らし高齢者にとって、訪問してくれて信頼できる人物は、時には良き話し相手となります。配食サービス利用者は、弁当だけでなく、顔の見える関係を楽しみに待っています。また、時には、電球の取り換えやゴミの持ち出し、庭の草抜きなどもお互いに気を遣わないように話し合って行っています。
地域での高齢化はますます進み、配食サービスを利用する高齢者の増加も予想されている中、配達員の平均年齢69歳において、85歳になっても自転車で弁当を配達する中島さんの雄姿は、「ひまわり会」の模範となっています。定年退職を迎える人たちへボランティア活動の勧めも行い、後継者の育成にも奔走しています。

ポイント、工夫している点

情報交換の時間や研修も大切に

 配達サービスは、ただ弁当を届けるだけではなく、弁当の献立内容も知っておくことが大切です。届けた先で、短い時間であっても献立内容を話したり、利用者の方々の食べ物の嗜好も聞き出したりすることも大切です。「ひまわり会」では、調理員と配達員合同の懇親会と研修会を定期的に開いています。試食会も開いています。
 また、配達員間での情報交換も大切にしています。配達に出かける前の短い時間に訪問途中での出来事、訪問先で質問されたこと、利用者からの要望、どのようなことが話題になっているかなどを集約し、話し相手になる秘訣を学び合っています。

その他の活動

担うべき職務は誠実に実行

 一般企業を退職後、統計調査員としての働きも誠実に職務を遂行し、社会的貢献度も高く評価されています。平成3年6月から平成25年5月までの22年間、調査員として務め上げました。その間、平成14年に統計協会総裁表彰、平成17年に境町町長表彰、平成18年に茨城県知事表彰、平成21年に経済産業省経済産業政策局統計調査部長感謝状、平成24年に総務大臣表彰を受賞されました。

仲睦まじいご夫婦

 〔本人インタビュー〕
 健康なのでボランティア活動ができるのか、活動しているから健康なのか、どちらともいえないと思っています。何よりも健康第一に過ごすことができるように、1日に「一万歩歩く」ことを日課にしています。食べ物にも好き嫌いはなく、配食サービスは、後4年、90歳になるまで続けることを目標にしています。