真舞流 真鶴会
吟舞という伝統芸能を通じて広がる、生きがい・健康・仲間づくり。
団体名 | しんぶりゅう しんかくかい 真舞流 真鶴会 |
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地域 | 福井県(越前市) |
構成員 | 45名 [構成員数/65歳以上の者の占める割合:80%] |
活動概要 | 吟舞教室や発表会、さらには吟舞を通じた健康づくり・仲間づくりにも取り組んでいる。また高齢者施設や病院への慰問活動、子供たちを対象にした吟舞の体験会を開催するなど、地域に根ざした活動を行っている。 |
(注)構成員等は、平成26年4月1日時点
敬老会に慰問する人への吟舞の指導がきっかけ。
詩を吟じる声に合わせ、まだぎこちなくも凛とした姿が舞いを披露しています。越前市の地区公民館の一室では、吟舞教室が開かれていました。
「真舞流 真鶴会」という吟舞教室が開かれるようになったきっかけは、昭和59年、吟舞を指導している松永さんのもとに公民館から連絡があったことでした。その趣旨は、「敬老会に慰問しようとしている地域の中高年の方に吟舞を指導していただけないか」というもの。快諾した松永さんの提案により吟舞教室が開かれ、その後も継続して指導が行われることになったのです。
平成元年からは、公民館から依頼された吟舞教室の開催だけでなく、吟舞を通した地域交流をより活発に行いたいとの思いから、地区の公民館などに吟舞教室の設置を依頼。さらに2か所で教室を開催するようになりました。
「当初は3人から始めた教室でしたが、芸の習得だけでなく、吟舞を通した健康づくりにも取り組んでいます。さらに、慰問など活動の幅を広げ、仲間を増やしています」と松永さんが話すように、現在の会員数は45名に及びます。
吟舞は高齢者の励みと心の栄養になっている。
「真鶴会」は、地区6か所の公民館で毎週定期的に行う吟舞教室に加え、年に1〜2回練習成果の発表会を開催しています。平成26年9月には、福井市文化会館でグループ本部(真舞流 吟舞道会)との合同発表会を開催。大舞台で懸命に吟舞を披露したメンバーたちの表情には、充実感と達成感があふれていました。
また、近くの高齢者施設や病院への慰問活動も定期的に行い、吟舞を目のあたりにした利用者からは「楽しい時間を過ごせた」と好評です。そのほかにも、地区の文化祭や敬老会で発表したり、子供たちを対象とした吟舞の体験会を開催したりと、地区に根ざした活動を行っています。
平成26年1月に真鶴会初舞が披露された際、松永さんはこんなメッセージを残しています。
「芸術はお腹の足しにはなりませんが、心の足しにはなります。必ず栄養がなくてはならないのです。私たちの心は芸術というもので養われています。吟舞を心の栄養にしてください」。
吟舞は、確かに多くの高齢者の方の心の栄養になっています。
吟舞を受け継ぐために、若い世代の参加に期待。
将来に向けた「真鶴会」の課題は、若い世代の会員を増やすことです。これまでも越前市の小学校で開いた体験会を機に会員になった子供たちもいますが、さらなる若い世代の参加に期待しています。
平成27年の8月には、「真鶴会」の5年に一度の記念大会「吟舞の集い」が越前市文化センターで開催されます。会員が日々研鑽を積んだ成果を披露する集いは、吟舞を広める集いでもあるのです。