相互支援クラブ
小学校の総合学習の時間に授業支援。地域ぐるみで子供の成長をサポート。

団体名 そうごしえん くらぶ
相互支援クラブ
地域島根県(安来市)
構成員45名 [構成員数/65歳以上の者の占める割合:100%]
活動概要小学校や幼稚園からの授業支援の要請に対し、学校支援を円滑に行うため老人クラブ内に組織されたクラブ。学校の授業内容に応じて派遣し、実施後全員で反省会を行い、その結果を学校・幼稚園とも共有し、資質向上を目指している。

(注)構成員等は、平成26年4月1日時点

総合学習の一環として授業支援は始まった。

相互支援クラブ1

 小学校の教室では、何組もの生徒が将棋盤をはさんで向き合っていました。賑やかに将棋を指している、男子生徒たち。その傍らで、高齢者の方が女子生徒に駒の動き方をアドバイスしていました。
 ここは、安来市の島田小学校。学校からの授業支援要請を受け、「相互支援クラブ」のメンバーが指導に訪れる日です。将棋は初めてという女子生徒も楽しんでいました。
 この辺りには、高齢者をはじめ住民が遊び場をつくるなど、地域ぐるみで子供たちを育てようという気風があります。平成8年、小学校で総合学習が開始されることになったのを機に、高齢者の経験や知識を生かしたカリキュラムが検討されたのです。
 小学校から授業支援の要請を受けた島田交流センターは、老人会に相談。平成8年9月、小学校と幼稚園を支援することを目的に、地区老人会の島田福寿会内に「相互支援クラブ」が結成されました。


授業支援は年間40回。 経験は生徒の財産に。

 「相互支援クラブ」では現在、島田小学校から毎年提出される1年間の支援依頼メニューに基づき、適性をみながら必要な人材や人数を決めて派遣しています。
 授業支援の内容は、安来節教室やナシの授粉体験、竹馬やたこなどの昔遊び、島田タケノコ掘り、陶芸教室などで、冒頭で紹介した将棋もその一つ。支援の実施回数は年間40回で、支援者数は延べ400〜500人に及びます。
 「授業支援をより実りのあるものにするには、活動の質を高めることが不可欠です。そのため、授業支援後には反省会を開き、その結果を学校へ報告しています。そうすれば問題点や改善点などを共有でき、今後の活動に生かせますからね。会員自身も、資質向上を図るために交流センターが主催する支援員のための『スキルアップ講座』に参加するようにしています」と語るのは、代表を務める内田さん。さらに、毎年、卒業シーズンに行う小学校の教員との親睦会では、一年間の反省を踏まえて翌年の取組についての意見交換を行い、活動がよりスムーズに行えるようにしています。


一人でも多くの子供が郷土に愛着を持つように。

相互支援クラブ2

 「授業支援は、子供たちが知識や経験を得るだけではありません。会員もまた、社会貢献を通じて生きがいを得ているんです」と、内田さん。授業支援は、子供たちと高齢者の双方に大きなメリットを生んでいます。
 今後の活動については、若い会員の獲得を図るとともに、授業支援の質をより高め、郷土に愛着を持つ子供が一人でも増えるよう取り組んでいく方針です。