あじすきらら竹とんぼの会
遊びもITが主流の時代だからこそ、子供たちに昔の遊びを伝承したい。
団体名 | あじすきらら たけとんぼのかい あじすきらら竹とんぼの会 |
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地域 | 山口県(山口市) |
構成員 | 15名 [構成員数/65歳以上の者の占める割合:100%] |
活動概要 | 地元の小学校で、竹とんぼや水鉄砲、お手玉、おはじきなどの昔の遊びや、小刀を持たせての竹とんぼの作り方、お正月用のしめ縄づくりなどを教えている。また、幼稚園や老人福祉施設等にも出かけて、昔の遊びを楽しんでいる。 |
(注)構成員等は、平成26年4月1日時点
「ふるさと学習」の授業に昔の遊びの指導は最適。
教室のあちこちでシュッシュッと竹を削ぐ音が聞こえます。いつになく真剣な子供たち。今日の「ふるさと学習」は、小刀を手に竹とんぼを作る授業です。昔の遊びを伝える「あじすきらら竹とんぼの会」の会員たちが、教室内を歩き回って指導している姿がありました。
子供たちに昔の遊びを伝承したいという思いから、平成15年1月、「あじすきらら竹とんぼの会」は結成されました。
「当時の校長先生と雑談をしていた時に、学校の『ふるさと学習』で子供たちに昔の遊びを教えられないだろうかという話になったんです」と、代表の古川さんは活動を始めるきっかけになった出来事を振り返ります。
学校側の思いと「あじすきらら竹とんぼ会」の思いを乗せて、昔の遊びを伝承する活動は始まりました。
学年別にテーマを決めて、年齢に合う遊びを指導。
子供たちに伝える昔の遊びの内容は、学年によって異なるテーマを設けています。
1・2年生のテーマは、純粋に昔の遊びを楽しんでもらうこと。子供たちと会員が一緒になって、竹とんぼや水鉄砲、お手玉、おはじきなどを楽しみます。
3・4年生のテーマは、小刀の使い方。昔と違い、今は子供たちが刃物を扱う機会は少ないもの。この学習では、刃物の使い方を学びながら、実際に小刀を使って竹とんぼを作ります。
そして5・6年生のテーマは、縄の綯(な)い方で、正月用のしめ縄を実際に作る学習です。その際に、しめ縄の意味や、縄の綯い方には左縄と右縄があり、通常は右縄なのに祭事には左縄にするといった、知っておいたほうがいいことを説明します。
「子供たちは、ある時には思いきり楽しみ、ある時には真剣に耳を傾けるんですね。そんな姿を見るのは嬉しいですね」と、古川さんは語ります。
昔の遊びがもたらす、地域の人々との交流。
小学校だけでなく、会員は幼稚園や高齢者福祉施設に出向くこともあります。
特に同世代の高齢者とのふれあいは、同じ時期に子供時代を過ごしたこともあり、小学生とは別の感慨があるといいます。
「この活動をしていると、地域の皆さんと交流する大切さを強く感じます。道を歩いていると、小中学生から大きな声で挨拶されるんです。こんな出来事も活動の賜物ですね。これからも昔の遊びを子供たちに伝えていきたいですね」と、古川さん。
昔の遊びを伝える活動は、文化を伝承し、子供たちを育て、地域との交流を深めているのです。