名荷サロン
高齢者の居場所づくりから始まった、地域福祉に貢献するサロン活動。
団体名 | みょうが さろん 名荷サロン |
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地域 | 愛媛県(上浮穴郡久万高原町) |
構成員 | 25名 [構成員数/65歳以上の者の占める割合:100%] |
活動概要 | 高齢化が進む中、地域全体の高齢者の生きがいづくりや仲間づくりの場を設けようと平成20年にサロンを立ち上げた。毎月1回、食事を作りみんなと楽しく会食する等、地域貢献や健康づくりに精力的に取り組んでいる。 |
(注)構成員等は、平成26年4月1日時点
高齢者の居場所づくりがサロン誕生のきっかけ。
和気あいあいと雑談を交わしながら、高齢者たちが料理を作っています。今日のメニューは和食。健康に気を遣い、味付けは薄くします。参加者の昼食とは別に、欠席している会員へのお弁当も。そこには手紙が添えられています。
「名荷サロン」の活動日に繰り広げられる光景です。参加者は、リラックスした時間を楽しんでいました。
久万高原町社会福祉協議会では、かねてより高齢者の介護予防や地域づくりを進めてきました。その方策の一つとして、社会福祉協議会から「高齢者の居場所づくり・生きがいづくりにサロンを開いてみては」との呼びかけが自治会にありました。
地域のほとんどの人が高齢者となり、今後ますます見守りや助け合いが必要となるのは明白でした。そこで、自治会の有志が「人と人のつながりを大切にしていきたい」と、平成20年に「名荷サロン」を立ち上げたのです。
参加者全員で料理を作り欠席者には弁当を配達。
サロンの活動は毎月1回。毎回、20名前後の方が参加しています。食事づくりは介護予防を兼ねて参加者全員で行い、参加者のほとんどが農家であることから、自宅で採れた野菜などを持ち寄って材料を調達。足りないものだけを購入して補っています。
「食事は、参加者全員で和やかに会食します。世間話からニュース、流行、健康や介護のことなど、話題はその時どきによって様々で尽きることがありません。食事に参加できなかった方には、お弁当に手紙を添えて配達することで、見守りや声掛けをしています。高齢者の独居世帯が増加しているので、手づくり弁当の配達は大変喜ばれています」と、代表の山内さんは話します。
また、季節によっては地域の草引きや桜の植樹をすることもあります。更に、空き缶拾いなどをして名荷の道の美化活動をしたり、町の保健師・栄養士を招いて健康講座や料理講習を開催したりと、地域貢献や健康づくりにも精力的に取り組んでいます。
サロンがある幸せを、次世代に伝えたい。
サロン開始から6年が経ち、地域住民の生きがいや仲間づくりの場として、サロンは欠かせない存在になりました。
「地域全体の高齢化がますます進んでいるので状況は厳しいですが、今のサロン活動をこのまま継続させていきたいですね。『サロンが絶えないようにしたい』というのが、メンバー全員の強い願いです」と、山内さんは語ります。
その実現に向け、サロン活動を行う後継者を育てていくことが、今後に向けた大きな課題となっています。