音訳みちしおの会
視覚障害者の方に音声で情報を提供。20年以上にわたる音訳活動。
団体名 | おんやく みちしおのかい 音訳みちしおの会 |
---|---|
地域 | 下関市 |
構成員 | 19名 [構成員数/65歳以上の者の占める割合:63%] |
活動概要 | 山口県下200名の視覚障害者に毎月「みちしお(音訳テープ)」を作成している。また、養護盲老人ホームの入所者との交流を兼ね、山口県盲人福祉協会主催の各種行事にガイドボランティアとして参加している。 |
(注)構成員等は、平成26年4月1日時点
視覚障害者の方の思いに応えるために結成。
自宅の一室でマイクに向かい、抜粋した新聞記事を読み上げていきます。一音一音丁寧に。そして、適度に抑揚をつけて。誰もが聞き取りやすいことに留意しながら、音訳の作業は続いていきます。
記事を音声訳しているのは、下関市を拠点とする「音訳みちしおの会」の会員です。
音声訳をするボランティアグループが生まれるきっかけは、視覚障害者の方からの「地域情報などを知りたい」という要望に応えたいとの強い思いからでした。そして、山口県盲人福祉協会主催の「朗読ボランティア養成講座」を受講した有志たちが、平成5年4月に「音訳みちしおの会」を結成。蔵書の音訳をするために学習し、活動を続けています。そのほかに、山口県内の約200名の視覚障害者に向け、毎月「みちしお(音訳テープ)」を作成、配布しています。その内容は、教養・文化・消費生活・健康・娯楽・ブックガイド・新刊案内など。新聞や雑誌などから抜粋した情報を約90分にまとめたもので、平成5年の結成以降、20年以上にわたり続いている活動です。また、下関市報やゴミ収集カレンダーなど日常生活に直結した音訳も手がけています。
新聞や雑誌から抜粋した記事を音声データにする音訳の作業は、会員がそれぞれ自宅で行います。そして、毎月第2木曜日に山口県盲人福祉協会点字図書館で開かれる定例会で、各自が吹き込んだテープを会員たちが校正。毎月第4火曜日に音訳テープ「みちしお」を作成します。
また、養護盲老人ホーム「春光苑」の入所者との交流を兼ね、山口県盲人福祉協会主催の各種行事にガイドボランティアとして参加しています。
活動の継続・発展に向け若手の参加が課題。
毎月配布する「みちしお」は、視覚障害者にとっては欠かせない情報源となっており、楽しみにしている方がたくさんいます。時には点字によるお便りが届くこともあります。
「視覚障害者の方との交流を深め、できるだけ要望を汲み上げ、より受け手の気持ちに寄り添ったきめ細かな情報発信を目指したいですね」と、代表の田中さんは今後への思いを話します。
「音訳みちしおの会」は、発足から21年が経ち、会員の高齢化による視力の低下や声帯の衰えといった問題に直面しています。急速な若返りは難しいのが実情ですが、山口県盲人福祉協会の「音訳ボランティア初級・中級講習会」修了者から新たな会員を迎え入れながら、今後も視覚障害者にとっての情報のバリアフリー化を継続・進展させていきます。