いのちのたび博物館シーダー
来館者と自分自身に「知」の種をまく、博物館ボランティアスタッフ。
団体名 | いのちのたび はくぶつかん しーだー いのちのたび博物館シーダー |
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地域 | 北九州市 |
構成員 | 55名 [構成員数/65歳以上の者の占める割合:62%] |
活動概要 | 北九州市立自然史・歴史博物館開設を機に、「楽しく学べる博物館」を目指して、ボランティアによる来館者への展示解説をはじめ、様々な博物館業務への支援・協力を図り、充実した展示・開設などを行うため活動を始めた。 |
(注)構成員等は、平成26年4月1日時点
ボランティアも支える、楽しく学べる博物館。
中生代コーナーで恐竜の展示を見ていた小学生グループの質問に、黄色いジャケットを着た高齢のスタッフがにこやかに答えています。受け答えをしているのは、「シーダー」と呼ばれる博物館のボランティアスタッフです。
北九州市では平成14年11月、北九州市立歴史博物館、北九州市立自然史博物館、北九州市立考古博物館を統合し、新たに北九州市立自然史・歴史博物館(愛称‥いのちのたび博物館)を開設しました。
その際に目指したのが、「楽しく学べる博物館」になること。その考え方は、エンターテインメント性の高い展示だけでなく、「シーダー」の活動にも息づいています。
「シーダー」とは、来館者に向けて、学習意欲や知的好奇心への「種をまく人(シーダー)」という意味。活動を通じて自分自身にも種をまくとともに、その種を実らせるよう成長していきたいとの思いも込められています。
博物館が指定する養成講座修了者が「シーダー」になることができ、現在の登録者数は57名。そのうち34名が、65歳以上です。
いのちのたび博物館になくてはならない存在。
「シーダー」の活動内容は、大きく3つに分けられます。来館者への「展示案内」、体験プログラムなどの「講座補助」、そして伝統的工芸小倉織や紙芝居、折り紙教室などの「演示」です。こうした活動を通じ、様々な博物館業務の支援・協力を行っています。
また、新たな学術知見についても学習に励み、積極的に博物館ボランティアとしての資質向上に努めています。「シーダー」が博物館運営に果たしている役割は大きく、博物館にとって欠かせない存在になっています。
「シーダー」を活性化し、より魅力ある博物館へ。
「シーダー」はボランティアスタッフなので、決まった活動日はありません。各自が博物館の開館日に都合を合わせ、展示案内や講座補助、演示を通じて来館者への対応にあたります。
現在は、平日に3名以上、土日や講座が開催される日に10名以上がボランティア活動に参加していますが、今後はこれまで以上に「シーダー」の活動を活性化させようとしています。「シーダー」の人員増強や、一人あたりの活動日の増加を促すとともに、「演示」の項目を増やすことも考えています。また、毎月のゼミなど研修機会の充実により、更なる知識・経験の向上に努めていきます。
一人でも多くの来館者に「行ってよかった」、「何度でも行きたい」と評価される博物館を目指して、「シーダー」はより多くの、より質の高い「種をまく」ことを目指していきます。