影絵NAGAO
この地域に昔から伝わる親孝行の物語を独自の公演スタイルで次世代へ。

団体名 かげえ ながお
影絵NAGAO
地域北九州市
構成員19名 [構成員数/65歳以上の者の占める割合:100%]
活動概要「孝子吉兵衛物語」という民話を掘り起し、影絵にして、広く伝える活動を5年以上続けている。口説き踊りやマジックも交えて、学校や福祉施設で、年間約50回の公演活動を行い、台本、舞台もすべて手作りである。

(注)構成員等は、平成26年4月1日時点

物語に感動したことが、影絵上演のきっかけに。

影絵NAGAO1

 『目が不自由になった母を思い、息子の吉兵衛は合馬川に入って願を掛けました。その甲斐があったのか、母の視力は回復しましたが、今度は足が不自由に。吉兵衛は、その母を背負って伊勢参りへ…』。
 小倉南区には、300年前から伝わる「孝子吉兵衛物語(こうしきちべえものがたり)」という民話があります。
 生涯学習講座でこの民話に感銘を受けた仲間20名が、平成21年、「孝子吉兵衛物語を、地域に根付かせたい」という思いから「影絵NAGAO」を結成。影絵とシナリオ、さらに衣装を作って劇を公演する活動を開始しました。
 結成以来、「影絵NAGAO」は小学校や福祉施設で公演活動を行っています。平成23年には、地域のボランティア活動を推進する「北九州ボランティア顕彰委員会」の表彰を受けました。この表彰により、福祉・教育関係者からの評価が高まり、現在では多くの上演依頼を受けています。


休演にしたくない思いが一人全役という体制に。

 「影絵NAGAO」の演出方法は独特で、影絵を上演しながら、その前で役者たちが芝居をするというものです。影絵の人形を動かす役もあれば、芝居を演じる役もあります。さらに投影、音響、照明など多くの役割がありますが、全員が全ての役割をこなせるので、誰が休んでも上演できる体制を整えています。
 影絵だけでなく口説き踊りやマジックも交えながらの公演は、福祉施設の高齢者の方々や地元の小学生たちを楽しませています。
 「ある施設で公演した時、車椅子に座っていた方が感謝を伝えようと立ち上がったんです。スタッフの方も驚いていたんですが、私たちも嬉しかったですね」と、代表の貝塚さんは当時を振り返ります。
 現在の公演頻度は、1か月に4回、年間で約50回。毎月、公演活動終了時にミーティングを開いて意見を出し合い、それをもとに常により質の高い上演を目指しています。


300年前の言葉を盛り込んだ演出構想も。

影絵NAGAO2

 「影絵NAGAO」の活動は、地域の歴史や文化を次世代に継承していく役割を担っています。また、高齢者の仲間づくり、生きがいづくりを支えています。
 子供たちの教育を支援し、施設にいる高齢者を元気づける活動は、地域の文化保存継承活動を活気づけていると大きな期待が寄せられています。
 今後に向けては、地域の文化をさらに継承したいとの思いから、現在の演出をより掘り下げ、物語の舞台となった300年前の言葉を盛り込んでいこうとしています。