佐伯観光ボランティアガイドの会
旧津和野街道を活用した観光開発と限界集落の活性化を目指して。

団体名 さいき かんこう ぼらんてぃあがいどのかい
佐伯観光ボランティアガイドの会
地域広島県(廿日市市)
構成員25名 [構成員数/65歳以上の者の占める割合:64%]
活動概要佐伯地区に残る旧津和野街道を活用したボランティアガイドの会を結成。地元歴史遺産の保全と伝承に取り組むとともに、この地に88体の古い地蔵が地域の人々に忘れ去られているので、その発掘と草取り等も実施している。

(注)構成員等は、平成26年4月1日時点

地域活性化のためにボランティアガイド募集。

佐伯観光ボランティアガイドの会1

 今にも落ちそうな「重なり岩」を前に、小学生が口々に感嘆の声を上げます。そこに、ガイドが「津和野藩主の命令で岩を落としたのに、翌日は元に戻っていた…」と、言い伝えを披露。子供たちは、興味深げに「重なり岩」を見つめています。
 地元の小学生を案内しているガイドは、「佐伯観光ボランティアガイドの会」の会員です。
 廿日市市の佐伯地区には、江戸時代の旧津和野街道が残っています。平成19年9月、市観光協会佐伯支部は、旧津和野街道を活用して地域活性化を図るために、ボランティアガイドを募りました。地域に残る歴史古道の発掘と、観光開発、街道沿いの限界集落の活性化に賛同、応募した25名が会員となり、「佐伯観光ボランティアガイドの会」の活動が始まりました。


街道をたどることは、歴史をたどること。

 旧津和野街道は、廿日市市と島根県津和野町を結ぶ街道で、江戸時代には参勤交代で使われていました。昔の道が手つかずのまま残り、石畳もその姿をとどめている古道です。「ガイドの会」は、全77キロのうち佐伯地域の山中にある古道を中心とする7キロを舞台に、ガイド活動を通じて歴史遺産の保全と伝承に努めています。
 また、街道付近にある限界集落(中道地区8世帯10人)が年々廃れていることを憂慮し、この地に忘れ去られている88体の古い地蔵の発掘と草取りなどを実施しています。
 「ガイドの会」の定例会は毎月第2土曜日で、街道整備の日として活動しています。
 平成25年度の活動状況としては、 1.友和小学校・津田小学校の歴史勉強会、実地学習(2回84名) 2.佐伯中学校出前学習(1回50名) 3.地元子供会の歴史学習(1回25名) 4.ガイドの会主催によるウォーキングガイド(延べ9回参加者約100名) 5.ガイドの会勉強会及び街道清掃(毎月1回年12回) 6.地蔵さん発掘調査(4回)が主なところです。
 「小学校や子供会が興味を持ってくれているのは嬉しいですね。子供たちには、この地域の歴史に親しんでほしいですから」と、代表の下橋さんは語ります。


限界集落を活性化させるプロジェクトが始動。

佐伯観光ボランティアガイドの会2

 「ガイドの会」が目指すのは、パックツアーにはない手作りのガイドです。鳥の鳴き声をもう一度聞きたければ鳴くまで待つ、という余裕が大きな魅力です。
 「今、限界集落の中道地区のお地蔵さんを発掘し、良く見えるようにする『仏の里計画』を進めています。そこに桃の木を植えて、花いっぱいの仏の里にしたいんです。人が訪れれば集落の活性化になりますから」と、下橋さんは今後に向けての抱負を語ってくれました。