下戸田ささら獅子舞保存会
由緒ある戸田市指定無形民俗文化財を次世代へと受け継ぐために。
団体名 | しもとだ ささらししまい ほぞんかい 下戸田ささら獅子舞保存会 |
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地域 | 埼玉県(戸田市) |
構成員 | 23名 [構成員数/65歳以上の者の占める割合:65%] |
活動概要 | 下戸田ささら獅子舞は、由緒ある民俗芸能で、戸田市指定無形民俗文化財に指定されている。会の主な活動は、五穀豊穣を祈る市内のお祭りでの舞いである。40年を超える活動実績を誇り、地域に根付いた活動をしている。 |
(注)構成員等は、平成26年4月1日時点
無形民俗文化財の指定が「保存会」結成の契機に。
夏の陽射しが照り付ける中、村祈祷で町内を回っている獅子舞衆が、氏子の家を訪ねて来ました。3頭の獅子と4人の笛、旗持ち、太刀持ち、花笠…。その登場に庭の空気が一変し、祈祷の場へと変わります。笛と太鼓に合わせ、3頭の獅子が厳かに舞い始めました。
夏祭りで舞いを披露している獅子舞衆は、「下戸田ささら獅子舞保存会」の会員です。
下戸田ささら獅子舞は、元禄時代にはすでに存在していたと言われる由緒ある民俗芸能です。昭和49年、ささら獅子舞が戸田市指定無形民俗文化財に指定されたのを機に「下戸田ささら獅子舞保存会」が設立されました。
夏祭りや秋祭りで由緒ある獅子舞を奉納。
「保存会」は40年を超える活動実績を誇り、地域に根付いた活動をしています。毎週水曜日の午後7時〜午後8時30分、東部福祉センターで練習を行います。そして、7月の夏祭りと10月の秋祭りの2回、疫病退散・五穀豊穣を祈願して氷川神社に奉納します。
氷川神社から町に繰り出す村祈祷では、町に点在する稲荷や氏子の家々を回りながら、身の穢れを祓い清めるみそぎの舞いを繰り広げます。祭りの日は、午前8時30分に始まり、村祈祷を終えて氷川神社に戻るのは午後10時30分頃になるといいます。
「夏祭りは暑くて大変ですが、『いい獅子舞を見せていただきました』とか『暑い中、ご苦労さま。これからも頑張って』と言われると嬉しいですね」と、代表の新井さん。
「保存会」は、祭り以外でも依頼があれば出向いて舞いを披露します。平成25年度には、市の収穫祭と東京都板橋区のイベントに参加しました。
ささら獅子舞を伝承する後継者の育成が課題。
「保存会」の会員数は23名で、その大半が65歳以上の高齢者です。そのため、下戸田ささら獅子舞の普及啓発に努め、いかに会員を増やすのかを最大の課題としています。
普及啓発のために、戸田市教育委員会と連携して市内の小学校でささら獅子舞のDVD鑑賞会を開いたり、ポスターを掲出したりするなど、新たな会員獲得に向けて試行錯誤しています。また、会の運営にも目を向け、今後はレクリエーションを交えながら活動していく方策も検討しています。
その一方で、全部で19を数える舞いごとに3つの獅子の動きや笛の演奏などを映像として記録するなど、アーカイブとして残す活動も積極的に進めています。
「保存会」では、今後も市教育委員会と連携し、下戸田ささら獅子舞を次世代に伝承すべく、通常の活動に加えてPR活動も行っていきます。