ひこね自助具開発工房
障害者の日常生活の動作を容易にする自助具を一点ずつ手作りで製作。

団体名 ひこね じじょぐかいはつこうぼう
ひこね自助具開発工房
地域滋賀県(彦根市)
構成員12名 [構成員数/65歳以上の者の占める割合:83%]
活動概要シルバー人材センター内に設置された自助具製作ボランティアグループ。身体の不自由な方が日常生活で使っている用具をより使いやすい用具とするため、材料費のみの実費で製作活動を行い、障害者の自立支援に貢献している。

(注)構成員等は、平成26年4月1日時点

生活を支えるボランティア活動。

ひこね自助具開発工房1

 依頼者が完成したばかりの自助具を実際に試した瞬間、満足そうな笑顔がはじけました。「ありがとう」の声に、現場のスタッフも笑顔です。
 自助具を製作したのは、「ひこね自助具開発工房」のメンバーです。
 「ひこね自助具開発工房」は、彦根市からの要請を受けて彦根市シルバー人材センター内に平成18年4月に設置されました。
 「自助具」とは、体の不自由な方の自立を支援する道具のことです。日常生活の動作をより容易に行えるように、工夫が凝らされています。
 「開発工房」のメンバーは現在12名で、65歳以上の高齢者が10名です。会員の技術適性に合わせて作業を分担し、材料費のみの実費で自助具を手作りするボランティア活動をしています。


「箸ホルダー」をはじめ100種類以上を製作。

 「開発工房」は、毎月第1・第3金曜日に活動しています。自助具の製作にあたり、定例会で依頼内容の確認を行います。それをメンバー全員でアイデアを出し合い、最善策を見つけてから実製作に取りかかっていきます。
 通常は、一つの依頼に対して一つの自助具を製作。まさにオリジナルの自助具が出来上がります。自分で靴下を履けるようにする「ソックスエイド」や、箸を固定して持ちやすくする「箸ホルダー」は特に人気です。「ソックスエイド」は、新たなバリエーションを開発中です。
 「開発工房」は、常に依頼者の要望に応えるために活動を続け、これまでに製作した自助具は100種以上に及びます。


課題をクリアする喜びと、依頼主に感謝される喜びがある。

ひこね自助具開発工房2

 「開発工房」はこれまでの活動を通じて様々な自助具の開発に取り組んできました。その一つ一つに思い入れがありますが、代表の黒澤さんにとって特に印象に残っている出来事があるといいます。
 「他の工房で『出来ない』と断られたという依頼を受けたことがあるんですが、工夫を凝らしてどうにか完成させ、実際に試された時に『ありがとう』と心から感謝された時は本当に嬉しかったですね」と目を細めます。メンバーを支えているのは、課題をクリアして道具を完成させた喜びと、依頼主に感謝される喜びなのです。
 「開発工房」は今、メンバーの高齢化という大きな課題に直面しています。その解決に向けて自助具製作の魅力をアピールするとともに、二つの喜びを大切にしながら活動を続けていきます。